事業承継におけるMBOとは?間違えやすい単語や税制を解説

M&Aの手法のなかに、「MBO」と呼ばれるものがあります。事業承継の手段の一つとして、自社の経営陣に会社を引き継ぐ方法です。

しかし「MBO」のように英語の頭文字を表した略語は様々なシーンで使われており、ビジネス用語も数多く存在します。

本記事では、事業承継におけるMBOについて、意味をわかりやすく解説し、間違えやすい単語から税制までご紹介していきます。

事業承継とは

事業承継とは、会社を経営する権利を後継者に引き継ぐことです。事業承継における後継者は、 親族と親族外の第三者への承継に大別されます。

さらに第三者承継は、現在従業員として働いている方の内部昇格と、外部のM&Aに分けることができます。

中小企業の事業承継は、少し前までは親族内の承継が主流でしたが、現在は親族以外へ承継する割合も約3割を超えています。

中小企業における事業承継の割合

2019年の中小企業白書によると、それぞれの割合は以下のようになっています。

  • 親族内承継  55.4% 
  • 会社の役員への承継  19.1%
  • 外部の第三者への承継  16.5%

【参考:2019年 中小企業白書 経営者の世代交代

事業承継で引き継ぐ3つの要素

人(経営権)

「人」の承継とは、「経営権」の承継のことを指します。現経営者の代わりに経営を任せることになるので、事業承継で重要な部分になります。

後継者が決まったら経営権を渡して終わりではなく、育成や様々な資産などを引き継ぐことが「人」の継承ということになります。

資産

資産の引継ぎとは、不動産や設備などの事業用資産はもちろん、運転資金や借り入れ、許認可などを後継者に承継させることをいいます。

つまり、事業運営に必要不可欠な資産全てを指しますので、株式も引き継ぐ資産の一つということになります。

知的資産

知的資産とは、目に見えない会社の強みや経営資源を承継することをいいます。

経営理念やノウハウなど経営資源となる知的資産を引き継ぎます。

知的資産を後継者に共有し、引き継ぐことで、守るべきものを認識しながら会社をさらに成長させていくことができるのです。

事業承継におけるMBOとは

事業承継におけるMBO

MBO(エムビーオー)とは、Management Buyoutの略称で、会社の役員に株式や経営権を譲渡し、事業承継を行うM&Aの一種です。

現在、MBOは徐々にM&Aの一つの方法として広がりを見せていますが、まだ一般的な認知度は低いと言えるでしょう。

 

間違えられやすい目標設定の「MBO」

経営に精通している方が「MBO」と聞くと、目標設定の管理や制度のことかと混同してしまうかもしれません。

経営用語にも「MBO」という言葉があります。この場合のMBOとは、従業員が自律的に目標を設定する人事評価制度を意味します。

 

親族内承継との違い

MBOを活用した事業承継では、企業を引き継ぐのは、会社内の内部事情や業務などを理解している役員です。

親族内承継は、経営者の親族が会社を引き継ぐ形ですので、親族か第三者かという点において決定的に異なります。

MBOと混同しがちな言葉

M&Aの違い

M&Aは第三者への売却を指します。

厳密に言えば、MBOはM&Aの一種であるとも言えるでしょう。

M&Aで事業承継を行った場合は、買い手は第三者となりますので、企業文化の異なる企業が経営していくことになります。

しかし、大企業へ売却できれば安定した経営も期待でき、売却価格の値が高くつくことも期待できます。

 

TOB

TOBとは「Take Over Bid」の略で、日本語では「株式公開買付」と訳されます現在の経営陣ではない株主が買収する側になるということです。

上場企業を買収対象とした敵対的買収に用いれられ、買収される側の同意が無くても株式公開している上場企業であれば買収の対象となるのです。

一方、MBOは上場企業だけでなく、中小企業の事業承継にも使える手法で、敵対的買収に対抗するために用いれられます。

後継者不足問題を解決するならMBO?

「MBO」

①親族内に後継者がいなくても会社を存続させることができる

身近な親族に後継者がいない場合でも、会社内部を熟知している経営陣に引き継ぐことができます。

 

②信頼できる経営陣に会社を託すことができる

信頼のおける経営陣に会社を引き継ぐことができるので、今まで築き上げてきた社風や伝統を守っていくことができます。

 

③従業員の一体感が得られる

MBOでは、現従業員を含めた経営のための資源や社風がそのまま引き継がれるので、従業員の理解や一体感が得られやすくなります。

 

④意思決定が自由で迅速になる

株主が多い企業は、意思決定の承認で時間がかかりますが、自社株式を数多く保有する経営陣が集まっているため、承認の手間を省けます。

 

⑤株式を現金化することができる

後継者に会社を引き継ぐということは、現社長が保有する株式を現金化することができるのです。経営者の引退後の収入減の不安も緩和されるでしょう。

 

MBOにおける税制を軽減する方法

MBOを実施する際は、現社長の株式オーナーに退職金支給を行うことが効果的です。退職金を支給することで、個人の所得税等の税率を低く抑えることができます。

①退職所得控除を受けられる

②所得金額を1/2にすることができる

③他の所得と分離して所得税を計算することができる(税率が低くなる)

具体的には、株式オーナーにとっては退職所得となり、以上記優遇措置を受けることができます。

まとめ

後継者問題に直面する現代社会において、築き上げた会社を存続させるには後継者問題を解決しすることが先決です。

承継方法ごとにメリットやデメリットを熟知し、早い段階で意思決定ができれば、時間をかけて良きタイミングで事業を継承することが可能です。

MBOをはじめ、M&Aによる事業承継を検討している方は専門家への相談をおすすめします。是非DX承継くんのお問合せ窓口までご相談ください。

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