コロナ禍でも衰えないM&Aマーケット。アフターコロナのM&Aのポイントとは

新型コロナウイルスの世界的流行により、今現在も人々の活動や、経済に大きな影響を与えるなど、混乱を招いています。実際に帝国データバンクが5月15日に発表した新型コロナウイルスの関連倒産件数調査結果では、2013年以来7年ぶりに1万件を越えたということが明らかになりました。

このように、コロナウイルスの影響で全国的にも経済活動が縮小を続けていっている中、逆にビジネス売買を行うM&A市場は成長を続けていっています。その理由とは一体何なのでしょうか。また、アフターコロナに向けたM&A戦略とはどういった戦略があげられるでしょうか。

本記事では、アフターコロナにおいて1つでも多くの企業に私たちの生活を支えてもらえるよう、倒産を防ぐためにできることやアフターコロナに向けた成長戦略も合わせて解説してまいります。

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コロナ禍におけるM&A市場

コロナウイルスの影響で株価が暴落するなど多くの業界で大不況に陥っている現在、M&A市場は例年以上に好調であると言います。

まずは、コロナ禍におけるM&A市場について詳しく見ていきましょう。

コロナ不況でもM&Aは高水準

ストライク(M&Aonline)が集計した経営権の異動を伴うM&Aの実施件数は、2020年1月から3月の第一四半期で232件となり、二年連続で増加しました。前年比10件増で、2009年の252件以来11年ぶりに高水準に達したということです。このような結果になった事由としては、日本銀行による金融緩和などがM&A市場の活発化を後押しした可能性もあるとの指摘があります。

ただし、M&Aの発表には遅効性があり、新型コロナウイルスの感染が拡大するよりも前に売買が成立した可能性もあるとして、4月~6月の水準についても注目してみていく必要がありそうです。

M&A取引金額も前年比1.5倍

M&Aの実施件数が増加しただけではなく、M&Aの取引金額も例年より高額になっています。上場企業に義務づけられた適時開示情報をもとにストライク(M&Aonline)が集計したデータでは下記のような金額での取引が行われことが明らかになりました。

買い手企業 売り手企業 M&Aの手法 買収金額
1位 三井商事・中部電力 オランダ企業エネコ 会社買収 5,000億円
2位 前田建設工業 前田道路 TOBで子会社化 861億円
3位 総合メディカルホールディングス・ポラリス MBOで非公開化 763億円
4位 ベインキャピタル 昭和飛行機工業 TOBで子会社化 694億円
5位 大王製紙・丸紅 ブラジル企業Santher 会社買収

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M&Aにおける『MBO』と『TOB』の違い

 

 

2020年1月から3月の総合取引金額は公表分のみの集計でも1兆1156億円となり、前年同期の7279億円を5割強上回りました。特に5000億円の規模での取引が行われた三菱商事と中部電力がほぼ大半を締めておりますが、全体的にコロナウイルスによる経済不況ながら、高額な取引が実施されていることが分かります。

コロナの影響を受けた業界

全体的にM&A実施件数が増加していたり、M&Aの取引金額も高額化していたりする一方で、コロナウイルスによる経済不況の影響を受ける業界もあります。

それは、4月7日から5月25日まで実施されていた緊急事態宣言による営業自粛や外出自粛の影響を受けた外食産業や、海外からの流入や輸出入を必要とする企業です。

外食産業

帝国データバンクの調査では外食事業の上場企業のうち5割超で2月の売り上げが前年同期を下回りました。緊急事態宣言以降の影響ははかり知れず、大手飲食チェーン店の『ロイヤルホスト』などを運営する『ロイヤルホールディングス』がロイヤルホストなどの店舗、約70店舗を閉店することになったのも記憶に新しいニュースです。

特に外食産業に至っては、ファミリーレストラン大手の『すかいらーくグループ』の一部店舗で24時間営業を全廃止するなど、人材不足や業務効率化、生産性向上などの課題解決に向けて業態を見直す動きも出てきていたところでもありました。中には、優秀な人材を確保することや、新たな成長戦略を目的としてM&Aを実施した外食産業もあったのではないでしょうか。

しかし、今後一定期間はコロナウイルスの感染拡大防止対策として観光や外出などが制限や緩和を繰り返したりしていくことから、外食産業のM&A市場は低迷を続けていく可能性があるでしょう。

海外輸入が必要な企業

また、海外渡航が禁止になったことにより、海外企業に部品製造を依拠している企業は今回のコロナウイルスの世界的パンデミックで大きな影響を受けております。こうした海外輸入が必要な企業にとっては当面の資金繰と同時に、リストラによる人員削減も差し迫った課題となっていくでしょう。

そのうえ、今後経済が回復に向かい海外とのやり取りの規制が緩和された際に、リストラした人員分以上の人手不足に見舞われる可能性もありますので、特に経済的影響を受けた業界については中長期的な目で企業の戦略を練っていく必要があります

買い手側は買収戦略を実行するチャンスかも

上記までに解説してきたように、コロナウイルスの影響でM&A市場が高水準であるなか、やはり外食産業や海外との関係が深い企業にとっては打撃を受けているわけです。

ただ、景気後退期のM&Aは景気が良い時のM&Aに比べ、中期的に大きな株主利回りをあげているとの調査結果もあり、不況期は売却額も下がることが多いだけに買い手にとっては買収戦略を実行するチャンスでもあります。

コロナウイルスの影響をうけて、収益力の弱い企業があぶりだされ、それらの企業がM&Aを実施し、企業再編や事業承継等を実施する可能性が高くなる可能性もあるでしょう。

買い手側がアフターコロナに向けてM&Aを実施する場合は、短期での収益を目的とするのではなく、中期的な収益性を高めることを目的としてM&Aを行うということがアフターコロナにおけるM&Aのポイントです。

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売り手側が考えておくべきM&Aにおけるコロナ対策

また、売り手企業側も、徐々に外出自粛が緩和され、人々が外に出るようになれば需要の爆発が起こり、経済が急回復する可能性があるということを考えておかなければなりません

今後の感染者数の拡大や、第2波、3波の到来については未知数ではありますが、緩和や制限を繰り返すにあたり、生産性を重視した優秀な労働者を必要とする業界はもちろんのこと、地方の優良企業においても優秀な人材を確保する意向をもつ企業が増えることが予想できるというわけです。

アフターコロナは業務効率化、生産性向上がカギ

特に、生産性の向上や業務効率化といった面では、ITやAiなどのテクノロジーを利用した企業へのニーズが強くなっていくことが予想されます。

というのも、今回のコロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言の影響で、日本の企業の約7割がリモートワークを取り入れました。どの業界においても自宅で作業をするにはPCやタブレットなど、インターネットに接続できるデバイスが必要になると同時に、遠隔でも従来と変わらず成果が出せるような環境と人材を確保する方針である企業が殆どでしょう。

このようなことから、アフターコロナでは、業務効率化や生産性向上を目的としたM&Aが多く実施されることが予想されます。

IT企業やAi企業は今回のコロナウイルス騒動をチャンスとして、株式を公開したり、優秀な人材がいることをアピールしていくのも戦略の1つです。

海外企業との提携にも目をむけて

今回、コロナウイルスの影響で海外渡航を必要とする企業が大きな影響を受けたという話題を持ち出しておきながらと思われるかもしれませんが、今後国内の総人口が減っていくということは避けられない現実です。更に、日本は世界的にも少子高齢化が社会問題となっており、労働人口が今後ますます減少していくことも懸念されています。

そうした場合、業容拡大を目指す企業においては海外への展開や、海外企業との合併、提携なども考えていかなければなりません。

赤字企業が考えておくべきこと

コロナウイルスの影響で、大きな赤字を出してしまった企業は少なくないでしょう。M&Aを実施したくても赤字企業であれば難しいのではと懸念されがちですが、実際に赤字企業でもM&Aが実施された例はあります。

赤字でも売れる可能性のある企業の特徴は下記の3つです。

①適切な再生処理をしている

②優秀な人材、取引先、顧客がいる

③魅力的なノウハウを持っている

コロナウイルスの影響による赤字に限らず、経営状態の悪い企業においても、再生処理を適切にこなして行けば、赤字企業が売れるケースも少なくありません。

また、優秀な人材や、魅力的な専門ノウハウなどを所持していれば、企業があかじであったとしても今後巨額の利益を生み出す可能性があるなど将来性を見込んで売却が成立することもあります。

ですので、今回のコロナ不況により赤字となってしまった企業がアフターコロナで企業再編目的や後継者探しなどでM&Aを実施する場合は、以上3点が自社にそろっているかという点をしっかり確認しておく必要があります。

まとめ

本記事では、コロナウイルスの影響下でのM&A市場の現状と、売り手、買い手それぞれのアフターコロナにおけるM&Aのポイントについて解説いたしました。

買い手については、今回のコロナ不況は買収戦略を行うチャンスとも言え、短期的な収益よりも中期的な収益を高めることを目的としてM&Aを行えば、十分M&Aを成功させる可能性はあります。

売り手企業は、今後業務効率化や海外進出などを視野に入れながらアフターコロナに向けて企業戦略を打っていく必要があるといえるでしょう。いずれにせよ、アフターコロナにおけるM&Aはどの企業も慎重にM&Aを行っていくということが予想できます。

M&Aを行う際は専門家への相談が必須であると普段よりアナウンスされておりますが、今後コロナウイルスの影響を受けた企業との取引において売り手買い手共に損やリスクを背負うことがないよう、これまで以上に慎重に契約を進めていくことが重要です。

今後、M&Aを実施したいと考えている方は是非、DX承継くんのお問合せ窓口までご相談ください。

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