会社を買いたいときに知っておきたい会社買収の基礎知識

近年、短期間での事業拡大や海外市場への進出、人材確保の目的などで、会社を買収する経営者が増えてきています。また、後継者探しに伴い中小企業や個人店などの身近なビジネスにおける小規模M&Aも活発化してきており、数百万円単位での会社買収も珍しくなくなってきました。

そのようなことから、企業の今後のビジネス展開・成長戦略において、会社買収を一つの戦略のための検討材料として考えている経営者は少なくないはずです。とはいえ、会社を買収するということにはメリットはしかり、デメリットが伴うことも事実ですから、様々な情報収集を行ったうえで行動に移さなければなりません。

そこで今回は、会社買収についての解説、および会社買収のメリットデメリットについて言及してまいります。

会社買収について

そもそも会社買収とは、簡単に言うと読んで字のごとく『会社を買う』という意味です。もっと詳しく説明するとすれば、企業が自社以外の他社を買い取ったり、事業部分の資産を買い取ったりすることで、買収先の発行済み株式の過半数以上を買い取ることなどの定義があります。

ここからは、会社買収について詳しく解説していきます。

M&Aって何?手続きの流れ、メリット・デメリットを一挙公開!

会社買収の手法

会社買収で会社を買い取る方法の中には、下記の3つの手法があります。

①株式取得

②事業譲渡

③会社分割

一つ目の株式取得は買収先の企業の株式を取得することによって、会社を買収する方法です。

二つ目の事業譲渡は、買収先の企業の中の1事業を現金で買い取ることで、下記の記事でも詳しく解説をしております。

事業譲渡の解説と詳しい手続きについて徹底解説!

三つ目の会社分割は、分割会社を買収先の会社もしくは、新設会社に分割する方法で、会社が持つ事業に関して有する権利をすべて継承するM&Aの方法を指しています。

売り手側が考えるべきM&Aにおける会社分割とはいったい何?

これらを総称して、会社を買い取る『会社買収』と呼ばれています。

 

・友好的買収と敵対的買収

会社買収には、買収者と、被買収企業の経営陣との合意に基づいた円滑な会社買収を指す『友好的買収』と、買収者が、ターゲットとした被買収企業の経営陣の同意を得ずに、結果的に株式を買い集めてしまう『敵対的買収』があります。

敵対的買収のターゲットとなりやすい会社は、会社の資産価値と比較したときに、『時価総額が割安』である会社や、株式・土地等に含み益がある会社です。買収者にとって敵対的買収はM&Aの戦略方法の1つでもありますので、中にはこうした策略でもってM&Aを行う買収者も存在しますが、日本で行われているM&Aのほとんどは友好的買収です。

ただし、『敵対的』という言葉のイメージから悪徳方法のようなイメージを持つ方も少なくないでしょう。もちろん、経営者陣を同意を得ていないわけですから、闘争になることもありますが、被買収企業の経営陣にとっては敵対敵でも株主や従業員にとってはメリットがある場合もあり、決して良くない方法であるということを意味するわけではありません。

あくまでM&A戦略の1つであるということです。

・会社合併との違い

会社買収と混同されやすい言葉に、会社合併という言葉があります。双方の違いを一言で説明するならば、被買収企業が消滅するのか、買収企業のグループ傘下となり会社自体は存続するのかの違いです。

会社買収は、前述のとおり、一方の会社が他の会社を支配するために買収先の会社の株式の過半数以上を買い取ることです。例えば、『A社がB社を○○億円で買収』した場合、B社は子会社やグループ会社として買収元企業の傘下に入ってそのまま存続し、消滅することはありません。それは、友好的買収の場合であっても敵対的買収の場合であってももちろん同じです。

特に、会社買収の最近の事例として記憶に新しいのは、ヤフー株式会社が株式会社ZOZOを買収したことではないでしょうか。ヤフー株式会社は株式会社ZOZOの総株式のうち50.1%を買収しました。これにより株式会社ZOZOは、株式会社ヤフーの傘下となり完全子会社となりました。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49711370S9A910C1I00000/

つまりは、ZOZOTOWNのオーナーにヤフーが名乗り出たということです。

 

一方、会社合併というのは、2つ以上の会社が統合し、1つの法人格として設立させることです。その中でも新設合併と、吸収合併の2種類に分類されます。

それぞれを説明しますと、新設合併は、片方の企業が解散し、新しく会社を設立する方法、吸収合併は、片方の企業が解散し、その権利義務をそのまま買収先の企業が承継する方法です。

このように、会社買収の場合は、買収先の企業の子会社やグループ傘下となり存続しますが、会社合併の場合は、買収した企業のみが残るといった形になります。

会社買収の目的とメリット

そもそも、会社買収の目的は、業界内でのシェア拡大や新規分野への参入、および新規顧客の確保等です。では、こうした目的は会社買収においてどのように果たされるのでしょう。ここからは、会社買収の目的に基づいたメリットをご紹介していきます。

・事業や販路を拡大することができる

会社買収をすると、当然買収先の企業の事業や販路を取り込むことができるため、自社の経営規模を拡大することができます。それが大きければ大きいほど、また買収後のさらなる販路の上乗せができればできるほど、業界内でのシェア率の拡大も見込むことができます。

・新規分野へ参入することができる

会社買収で、これまで参入してこなかった別分野の事業を買収することで、ノウハウや営業の基板、販路などが整った状態から事業拡大の準備をすることができるため、新規分野に比較的良い位置から参入することができます。また、一から立ち上げるよりも失敗のリスクを減らすことも可能です。

比較的低コストで人材や取引先・顧客等を確保できる

自社で1つの新規事業を立ち上げようとしたとき、人材育成、取引先や顧客の確保が必要であるとすれば、多大な時間的コスト、費用的コストが必要です。その反面、会社買収で買収先の人材や取引先、顧客等を一度に獲得できることで、時間をかけずに市場規模の拡大や販路の拡大などを行うことができます。

他社の営業ノウハウを取り入れ、営業力の拡大などができる点もメリットの1つです。

・相乗効果が期待できる

前述にもありますが、会社買収では買収先の企業の人材を獲得することができますので、これまで自社になかった営業技術やノウハウを取り入れることができます。自社にもともと備わっていた営業ノウハウの良いところ、自社にしかなかった技術と、買収先の良いところが組み合わさることにより、相乗効果を生み出すことができます。

ですので、M&Aで会社買収をする場合は、買収先の企業にどのような魅力を感じるのかしっかり明確にしておくことも大切です。

会社買収のデメリット

一方で会社買収のデメリットは下記のような項目が挙げられます。

・買収後、プロセス通りに行かない可能性も

販路拡大、相乗効果等を期待して会社買収をしたものの、描いていたプロセス通りに事業が進んでいかない可能性もあります。

そうして従業員や取引先などに混乱が生じると、一気に従業員が離れていってしまったり、取引先との契約が白紙になってしまったりといった自体も招きかねません。

ですので、会社買収を行う前は、入念な統合プロセスの計画と、買収後の仕組みの形成・準備等を行うことが大切です。

買収後に債務が見つかる可能性がある

会社買収では、債務も引き継ぐことになりますので、通常、会社買収の際は、買収先の経営状態を把握してから買収を行うことが一般的です。しかし、買収後に思わぬ債務が発覚して、負債や借金を抱えてしまうケースもあります。

特に、赤字の企業であっても売却側の企業に自社に取り入れたい技術や営業ノウハウがあった場合は、買い手が現れる場合も多いです。そうしたメリットばかりに目を向けすぎると、肝心な部分で損をしてしまうことにもなりかねませんので、その後の経営に悪影響を与えないよう、入念に価値やリスクの調査を行うことが重要です。

・優秀な人材が退職してしまう

会社買収では、該当の事業に属していた人材はいわゆる売却先の会社で勤務をすることになるわけですが、そこでの人間関係が合わなかったり、会社の方針が合わなかったりしますと、取り入れたはずの優秀な人材が離れてい行ってしまう可能性もあります。

当然優秀な人材が退職してしまえば、相乗効果はもとより経営拡大等ができなくなってしまいますので、従業員の十分な理解を得ることができる経営方針を策定することが必要です。

まとめ

今回は、会社買収の基礎知識、会社買収のメリットデメリットについて解説いたしました。会社買収では、買収先の企業や事業に所属していた人材や顧客、取引先もすべて継承することができます。該当する企業や事業に優秀な人材や営業ノウハウがあれば、早期に業界でのシェア率を拡大したり、新規分野に参入したりすることも可能です。また、自社の良いところと買収先の企業の良いところを合わせることによる、相乗効果も大いに期待できます。

その反面、買収前に描いていたプロセスが曖昧であったり、リスクヘッジ等の調査が甘ければ、M&Aは失敗に終わってしまう可能性ももちろんあるのです。

ただ、他社の内部的な部分は専門家を通さなければ明らかにならないケースもありますので、M&Aは専門家への相談は必須です。

DX承継くんでは下記のお問い合わせ窓口からご相談を承っております。会社買収をお考えの方、詳しく知りたい方は是非弊社までお問い合わせください。

 

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