M&A

廃業をしたくない!そんなときはM&Aを検討してみよう!

近年、日本の中小企業においては、人員不足による後継者不在の問題や、経営者自身の高齢化の問題などから、事業の承継に失敗したり、不本意な経営終了を余儀なくされたりするなどのケースが相次いで発生しています。

今回は、廃業という選択を行う前には必ずチェックしておきたい「M&A」を活用した企業譲渡について、特徴やメリットなども踏まえて詳しく解説を進めていきます。

廃業とは

廃業という言葉はよく耳にするところではありますが、具体的に「休業」や「倒産」との違いや、その定義などについては意外と知られていないものです。

M&Aによる企業承継を解説する前に、まずは廃業という言葉の意味するところや、その特徴について正しく理解しておきましょう。

廃業と休業・倒産の違い

<廃業>

「廃業」とは、決められた法律手順に則って会社や事業をたたみ、保有している資産や負債のすべてを清算することで、法人格や事業そのものを消滅させる行為を指します。

倒産と同じように、ネガティブなイメージを連想するかもしれませんが、廃業とは単に会社や事業をたたむことであって、経営収支が黒字であっても実施することが可能なため、倒産とは明確に区別されています。

<休業>

廃業と似たようなニュアンスとしては「休業」や「閉店」という言葉が挙げられますが、これらは単純にその日の営業を終了する意味合いで使用されたり、店舗の改装などにともなって一時的に営業を中止する場合において使用されたりなど、その使い方は一様ではありません。

休業や閉店の使い方に関しては、明確な基準などは存在せず、法律的な手続きなども特に定められていないため、廃業と比べた場合には、やや俗語的な側面があるという点が大きな違いとなります。

<倒産>

次に「倒産」という言葉ですが、これはイメージ通りで、経営の悪化により事業の継続が困難となった結果、経営終了や破産を余儀なくされるケースを指すものです。

休業や閉店と同様に、倒産に関する法律上の手続きは存在しないため、単に会社が潰れることを概念的に示す言葉と言えるでしょう。

日本における廃業の現状

近年においては、倒産の件数は減っている一方で、廃業の件数は増えていると言われていますが、実際のところ、年度別の推移はどのようになっているのでしょうか。

東京商工リサーチのデータグラフ画像

(データ引用:2018年「休廃業・解散企業」動向調査 : 東京商工リサーチ

データからもわかるように、2013年からは倒産件数は減少しているのにも関わらず、休廃業を選択する企業は右肩上がりに増加している傾向にあります。

中小企業の多くが廃業を選ぶ理由

経営の継続が困難となり廃業せざるを得ない倒産のケースも多く存在しますが、黒字の企業が廃業を選択するというケースも決して少なくはありません。

ここからは、多くの中小企業が黒字にも関わらず廃業を選択する理由について、解説を進めていきます。

<経営者の高齢化>

まず1つ目の理由としては、経営者自身の高齢化の問題が挙げられます。

経営者の高齢化を理由に廃業する企業は全体の約4割で、黒字で廃業する理由として最も多いもの。

特に2020年からの10年間においては、かねてより経済活動の主軸であった団塊世代のほとんどが定年退職を迎えるため、高齢化によって廃業を選択する企業は今後ますます増えていくと言えるでしょう。

<後継者の不在>

2つ目の理由としては、人員不足による後継者の不在の問題。

経営の継続を考えている場合であっても、事業を引き継いでくれるような後継者がいなければ事業の承継は不可能です。

近年においては、少子化による従業員不足も影響しているでしょう。また、同族経営で代々事業を受け継いでいくようなスタイルも減少傾向にあります。子どもがいない、子ども本人に経営を継ぐ意思がないなどという理由で、同族の跡継ぎがいないという事態が生じているのでしょう。

<M&Aへの抵抗>

3つ目の理由としては、ネガティブなイメージや知識不足からくるM&Aへの抵抗感というものが挙げられます。

後継者がいない企業にとって、M&Aによる事業承継は非常に有力な手段と言えますが、手続きが煩雑、高額な手数料などのイメージや理由から、M&Aを敬遠する経営者が多いことも事実です。

よりよい後継者を探すことは簡単ではありませんが、幅広い企業から候補を絞って、自社に適した後継者を探すことができれば、親族などに後継者がいない場合であっても事業を継続させることが可能です。

廃業とM&Aの比較

後継者不在の理由から廃業を実施する場合と、M&Aにより事業承継を行う場合とでは、その後の経営者、社員、取引先などの各々の活動に大きな差が生じます。

ここからは、廃業とM&Aの違いや、M&Aを行うことのメリットについて確認していきましょう。

手取り価額

まず、廃業を選択した場合ですが、廃業における清算手続きに関しては在庫や土地は半値ほど、建物や機械はゼロ評価になることも珍しくありません。

事業に必要な土地や建物、設備投資などは、清算時においてはその価値はほとんど失われ、最悪の場合には負債を背負ってしまうケースも多くあります。

M&Aによる企業譲渡を行った場合には、一般的には純資産価額に加えて営業権(のれん)をつけた価額で取引されるため、事業を承継できるうえ、価値に応じた利益まで受け取ることができるのです。

各契約先との関係

経営者自身の都合で廃業を選択する場合、関係のある取引先の企業に関してはどうなるのでしょうか。

また、抱えている社員の雇用の問題や、会社をたたんだ後の就職先の問題も発生してしまいますが、M&Aによる事業承継を行えば、従業員のその後の雇用や取引先との関係に関しても思い悩む必要はありません。

経営者であれば、廃業はあくまでも最後の手段として捉え、企業の存続や事業承継の努力を最大限に尽くすべきでしょう。

廃業と比べたときのM&Aのメリット

M&Aとは、ざっくりと行ってしまえば、企業や事業そのものを対象とした一種のオークションのような譲渡売却システムです。

もちろん、M&Aの実施となればアドバイザーへの仲介手数料や成功報酬、事業の承継に関わる諸々の税金などのコストも当然のことながら発生はしますが、それを上回る売却価格を得ることができれば、売却による利益が生じます。

事業承継が実現できるうえ、企業譲渡による売却利益まで受け取ることができる点はM&A の大きなメリットの一つと言えるでしょう。

M&Aではなく廃業をしなければならないケース

M&Aとは言ってもメリットばかりではありません。

自分の企業を譲渡するわけですから、最悪の場合、買い取り手が現れないというケースも想定しておかなければなりません。

M&Aにおいては、この「買い取り手の選定」の工程が最も難しく、数ある企業の中からより最適な受け取り手を探す形になるため、数ヶ月から長いものでは1年ほど企業選定には時間を要します。

ベストな買い取り手を見つけ出すためにも、まずは仲介業者やアドバイザーへの相談を通して、信頼できるパートナーを探すことが大切です。

まとめ

後継者がいないからと言って、安易に会社をたたんでしまうと、残された取引先や従業員に負担を強いることになりかねませんし、最悪の場合には、廃業時の清算によって多額の負債を背負ってしまう可能性があります。

M&Aにより会社を存続させることができればそのような心配の必要もなく、実際のところ清算や廃業を検討できる企業であればM&Aが成功する可能性は高くあります。

廃業という選択をする前に、まずは仲介業者やM&Aアドバイザーへの相談から、ご自身の企業や取り組んでいる事業そのものの価値を、客観的に把握することが大切です。

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