DX

企業における身近なDXの事例から見る成功のためのポイント

IT時代を生き抜くには、企業へのデジタルの導入が必須であると言っても過言ではありません。そうした中で、『DX(デジタルトランスフォーメーション)』という言葉もよく聞かれるようになりました。

とはいえ、DXに取り組むにはどのようなことを実施すればよいのか、デジタルを導入したことでどのように企業が変化すれば『DX化に成功した』といえるのかよくわからないという方も多いでしょう。

そこで本記事では、企業の身近なDXの事例をもとに、成功事例からわかるDX実施における重要ポイントを解説していきます。今後DXを実施予定の企業は是非参考にしてください。

企業の身近なDXの事例

まずは、企業の身近なDXの事例を6例ピックアップし、それぞれDX実施前の課題と実施後の効果について解説していきます。

三菱電機のDX

三菱電機は、DXとして2003年に放電加工機やレーザー加工機にIoTを活用したリモートサービス『iQ Care Remote4U』を考案しました。

同サービスは、三菱電機のシステムを利用する顧客の工場と、データーセンター、三菱電機サービスセンターのそれぞれがインターネットを通して連携できることで、何かトラブルがあった際にすぐに状況を把握することができるものです。サービスセンター側ですぐにトラブルを把握し、加工機の状態を遠隔診断、アラーム内容も現場に行かずにリモートですぐに把握することができます。

【DX実施前の課題】

三菱電機はDXの実施前、顧客の稼働工場内でシステムに何らかのトラブルやエラーが発生しても、リアルタイムで状況を把握することができず、顧客への対応が遅れてしまうという課題がありました。

【DX後の効果】

しかし、DXを実施したことで、顧客側で起きたトラブルをすぐに把握することができるようになり、迅速に対応にあたることも可能になりました。顧客側もすぐに対応してもらえることで、修理費用の削減や生産性向上による売り上げアップにつなげられるようになり、良いサイクルを生むことができたのです。

そうしたことで、結果的に三菱電機は自社の業務効率改善と顧客側の業務効率改善の両方を行うことができ、顧客満足度向上につなげることができました。

マイクロソフトのDX

マイクロソフトは2014年に、従来まで切り売りしていたoffice365のサービスをクラウド化するということでDXを実施しました。クラウドを利用したことで、インターネット上にすべてのデータが自動保存されていくため、利便性が向上しています。

【DX実施前の課題】

そもそもマイクロソフトは、office365と同等のサービスを他社が打ち出してきたり、パソコンだけでなくタブレット等で作業をする人が増えてきたりしたことで、競合他社との差別化を測らなければならない状態にありました。

【DX後の効果】

そこで、クラウドサービスとしてoffice365を提供し始めたことで、ユーザーの増加に成功し、収益も1,220億ドルまで伸ばすことに成功しました。また、月額制にしたことで、新規ユーザーの獲得ができたことも要因として考えられるでしょう。

尤も、今後はクラウドを利用したサービスが多数出てくることが考えられます。既出のサービスと差別化を測るには十分なアップデートであったと言えるのではないでしょうか。

大塚デジタルヘルスのDX

続いて大塚デジタルヘルスのDXです。大塚デジタルヘルスはAiロボットである“Watson”とクラウドサービスを組み合わせたことで患者の情報を一覧で表示し、業務効率化を図ることに成功しました。

【DX実施前の課題】

もともと医療の中でも精神科は患者の病状や病歴を数値として表すことができないため、医療従事者が『自由記述』として病状等のデータを蓄積していました。しかし、それゆえにこれまでのデータをもとに他の患者の診療に役立てようと思っても利用しにくいうえに、カルテ管理に関しても煩雑になりがちになってしまっていたのです。

【DX後の効果】

しかし、その点DXを実施し、Aiやクラウドを駆使したことで、患者や家族へクラウドに蓄積されたデータをもとに対症療法について的確な説明が行えるようになったほか、データ分析や症例レポートの作成をサポートすることができるようになりました。

更には、クラウドで情報を共有していることで、症例をもとに治療をしたデータの蓄積の反映も期待されています。

同社はすでにAiを導入していることで、今後のさらなるDXも実施しやすい環境を整えられているとも言えるでしょう。

ウェザーニュースのDX

ウェザーニュースは2016年に気象情報の提供ができる独自システムの利用を開始し、これまで気象庁が独占して所持していた気象情報を企業として提供できる仕組みを開発、導入しました。

【DX実施前の課題】

ウェザーニュースに限らずですが、気象予報に関しては従来までニュースや新聞など、一般の人々が情報を入手できるところが限られており、リアルタイムの天気予報を入手するのが難しいとされてきました。

【DX後の効果】

これまで気象庁しか入手できなかった情報を一般の人々に提供できるシステムを開発し、独自に導入したことで、『天気予報の提供』としてビジネスを確立させることに成功しました。

実際の売上は170億円を超え、上場企業へと成長しています。

ベネッセコーポレーションのDX

ベネッセコーポレーションは2018年にインターネット通信を利用した『チャレンジタッチ』を開発し、ICT教育などデジタル教育への移行に合わせた教育システムを開始しました。

【DX実施前の課題】

そもそもベネッセコーポレーションは、こどもちゃれんじなど人気の高い通信教育を提供しておりましたが、自宅でできる教材を提供するというだけで学習状況や理解状況を把握しずらいという課題がありました。

【DX後の効果】

しかしチャレンジタッチのサービスを提供開始したことで、親のスマホで子供の学習状況を把握することができるようになったことに合わせて、共働きの家庭でも遠隔で子供の勉強スタイルを見守ることができるようになりました。

また、チャレンジタッチは学習指導要領に基づいた教育システムをとりいれているため、小学校一年生から英語やプログラミングを学ぶこともできます。DXを実施したことで、時代やニーズに合わせた学習方法を提供することが可能になったといえるでしょう。

フォルクスワーゲンのDX

フォルクスワーゲンは2019年、社内にソフトウェア部門を設立し車両関連のソフトウェアの開発を行っています。

【DX実施前の課題】

今後自動車業界は、自動車自体を売るのではなく、Aiやクラウド、5Gなどのネット環境を利用した車両関連のシステム開発が必要になってくるとされています。それは、車両自体がこれから先自動運転システムへと変化していくといわれているからです。

そこに着目して着々とその準備を進めていたフォルクスワーゲンですが、開発したシステムの煩雑さがネックであることが課題でした。

【DX後の効果】

しかし、社内でソフトウェア開発に向けた組織体制を整えたことで、ネット販売のプラットフォーム開発やその他ECサイトの開発にも着手が可能になりました。将来的には車に利用されるソフトウェアをすべて同じOSに、そして同じクラウドシステムで利用できるようにすることを目的としているのだそうです。今後は2025年を目途に車両関係サービスのソフトウェアのうち60%が自社製にする予定で、自動車業界のDX化を率先して行っていくのがフォルクスワーゲンとなるかもしれません。

DXの成功事例から分かる重要ポイント

では、ここからは上記のDX成功事例をもとに、これからDXを行う企業がポイントとすべき点について解説してまいります。

①現状の課題を抽出すること

まず、重要なことは現状の課題を抽出することです。企業においてどの部分に負荷がかかっているのか、コストがかかっているのか、課題を明確化したうえで、その課題に対してピンポイントでアプローチできるDXの方法を検討します。

DX=デジタル化ではありません。DXというのは、デジタルを導入することで企業やそれを取り巻く環境がいい方向に変革することをさしています。そのため、単にAiをいれてみた、システムを導入してみたというだけでは費用対効果が得られなかったという結果になりかねません。

現状どのような課題があり、それに対してどんなデジタル技術を導入すれば解決できるのか、プロセスを明確にすることが重要であると言えるでしょう。

②顧客・企業両方にメリットがあること

また、顧客と企業、両社にメリットがあることも重要です。例えば、『クラウドを利用することで、顧客の導入費用をおさえられ、便利に使うことができるようになったと同時に、企業側は利用者が増えて売上がアップしたなど』です。

③時代やニーズに合わせたものであること

顧客のメリットという視点で考えれば、時代やニーズに合わせたサービスを提供することも重要です。上記の例でいえば、マイクロソフトやベネッセ、フォルクスワーゲンがこの部分にあたります。

クラウドの利用者が増えた、ICT教育が広がっている、自動運転化にむけてニーズが変化してきているなど、トレンドに合わせてDXを実施することで、顧客の求めているサービスに上手くはまりやすくなるでしょう。

④DXを行うための組織を設立すること

また、これまでデジタルを導入してこなかった企業、デジタル技術の活用方法が分からない人がおおい企業は、DXを行うために専用の組織を設立することも重要です。

でなければ、どのようにデジタルを活用するのか、そもそもどこに必要なのか、アイディアが上手くまとまらず、結果的にDXに失敗してしまう可能性もあります。

DXを成功させるためには、DXを行うための専用の組織を設立し、他の部署と連携を取りながらプロジェクトとして立ち上げていく必要があるといえるでしょう。

企業でDXを成功させるための組織編成とは

効果的なDXを行うにはM&Aという選択肢も

ただ、自社内ではDXを行うのに十分な知識を持った人材がいないという場合もあるかもしれません。だからといってDXを後回しにしていると、気が付いたら競争環境の土俵にさえ立てていなかったという事態にもなりかねないのです。

そのような企業は、他社からIT関連の優秀な人材を派遣したり、M&Aを行ってノウハウを持った他社の事業を買い取ったりする必要があります。また、他社と事業提携をすることで協力関係となり、お互いの企業で協力しながらDXを行っていくことも可能です。

そうすることで、現状企業にDXを行うだけのノウハウがなくても、迅速にDXに着手することができるでしょう。

とはいえ、DXを行うことを目的としてM&Aを実施する場合は、従業員ごと買収の対象にするなど、条件を多数提示することになるかもしれません。その場合は、条件にあう売り手企業がなかなか見つからなくなってしまう可能性もあります。

M&Aを実施してDXに取り組む場合は、相手企業に求める条件を明確化し、なるべく早く売り手企業探しに着手しておくと良いといえるでしょう。

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは一体何!?DXを実現させるM&Aについて

まとめ

本記事では、企業のDXの事例をご紹介し、その事例をもとにこれからDXを行う企業がポイントとしておくべき点について解説いたしました。

企業がDXを行うにあたって現状の課題を抽出したり、顧客や企業両方にメリットのある改革を行うためにも、専用の組織を設立することが最も重要であるといっても過言ではありません。

自社内でDX専用の組織を設立することが難しい場合は他社からノウハウのある人材を派遣したり、M&Aで他社のIT専門事業を買収することや、事業提携を行うことを検討してみても良いでしょう。

DX承継くんでは、DXを目的としたM&Aに関するご相談を無料で承っております。ご検討中の方は是非下記のお問い合わせ窓口からお気軽にご相談ください。

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