DX

DXで企業の働き方改革!コロナ禍のテレワークが促進させるか?

日本のビジネスでは、現在、『働き方改革』と『DX(デジタルトランスフォーメーション)』の2つの導入、実施が課題とされています。

これら2つの導入に頭を悩ませている企業も少なくなかったかと思いますが、実はDXや働き方改革の導入、実施は、相互補完関係にあり、DXをすれば働き方改革が実施できるし、働き方改革がDXにつながるといっても過言ではないのです。

また、そうした中、新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちの生活やビジネスは1年前の状態とは大きく変化しました。これにより、テレワークが導入される企業が増えたり、ZOOMなどを利用した営業活動をしたりなど、人と人との接触を防ぐためにインターネットを利用したビジネスにシフトしたことで、DXや働き方改革の実施に追い風を吹かせています。

本記事では、

①働き方改革とは一体どういうことを指すのか

②DXと働き方改革はどんな関係性があるのか

③企業がDXを実施するためにはどのようなことが必要なのか

ということについて、以上3本立てで解説してまいります。

働き方改革とは

そもそも『働き方改革』とはどんな改革なのかというところから解説していきましょう。

厚生労働省が定めるところによりますと、働き方改革とは、『働く人々が個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で「選択」できるようにするための改革』とされています。

日本は現在、我が国が直面している『少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少』や『働くスタイルの多様化』などの課題・変化に企業が対応していく必要があり、そのために生産性の向上や、従業員満足度の向上を実現させる環境づくりが求められているところです。また、最近では新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、これまでの働き方が大きく見直しをされているタイミングでもあります。

分かりやすくまとめると、働き方改革を実施することによって

①多様な働き方を推進

②従業員1人あたりの生産性向上

③従業員満足度の向上による離職率の低下

④業務効率化による残業削減

などを実現し、働きたいと思う人を増やすことで企業の生産性をあげることを目的としているということです。

近年では、ブラック企業、ホワイト企業などの言葉も頻繁に飛び交うようになりましたが、要は『ホワイト企業』とされる部類の企業を増やしましょう、もしくは、どの企業もホワイト化しましょうということであると思っていただければ、分かりやすいでしょう。

DXと働き方改革の関係

ただ、働き方改革を実現するには企業内の雇用条件等を変えるだけでは、根本的な改善にはつながりません。というのも、定時で退社するようにしましょう!としたところで、業務効率化ができていなければ、次の日に仕事を残したまま早く帰るだけという状況が出来上がってしまいます。

そこで、働き方改革を実施する上で、労働者を増やしたり、業務効率化を行うのを助けるのが、インターネットや、Ai、IoTやクラウドなどのテクノロジーです。テクノロジーを利用し、各業務システムが連携することで、すべてのデータがうまく循環し、必要なデータを必要なプロジェクト、業務、部署で適切に活用できるようになります。これがいわゆるDXであり、同時に働き方改革も実現できるということです。

先述にもあるように、デジタル技術を利用した働き方改革は、DXにつながりますし、DXを行えば働き方改革も実施できる、DXと働き方改革は相互補完の関係にあると言えるでしょう。

ここからは、DXを行うことで働き方改革につながる例をいくつか解説していきます。

在宅ワーク

まずは、コロナ禍で日本の中小企業の約7割が導入したとされる『在宅ワーク』です。緊急事態宣言における外出自粛に伴って、自宅で仕事をするため、早急にインフラ整備を行った企業も少なくないでしょう。

当初は緊急事態宣言が解除されればまた出勤する日々戻るであろう、テレワークも一時的だろう、と思われていたものの、『新しい生活様式』などの推進から、中長期の視点で在宅ワークや非対面営業がニューノーマルとされつつあります。在宅ワークが多くの企業に導入されれば、女性や定年後高齢者なども働きやすい環境を作ることができるでしょう。

コロナ禍で急遽取り入れた企業も多くありますが、自宅の通信環境を利用した在宅ワークで、多様な働き方を実現するこれもDXによる働き方改革の1つです。

ロケーションフリー

自分の自宅に限らず、様々な場所にいる社員がそれぞれネットワークを通して仕事をすることができる環境を『ロケーションフリー』といいます。

これは、日本に限らず海外にいる従業員でもネットワークを通して企業の情報などにアクセスすることができるため、場所を問わず優秀な人材を雇用することができるというメリットがあります。

また、従業員側からしても、交通渋滞や満員電車などに巻き込まれることもなくなるために、ロケーションフリーを容認している企業は今後需要が高まっていくのではないでしょうか。

業務効率化

また、Ai(人口知能)や、IoT製品等を導入し、一部の業務をシステム化することで、業務効率を上げることも、DXであり働き方改革につながります。

Ai(人工知能)については、音声認識機能、画像認識機能、予測、ビッグデータの分析などの技術を活かすことで、人間の業務をAiが変わって行うことができるなど、業務効率化が期待されています。

また、IoT製品は、インターネットにつながったすべてのモノをインターネット上で情報収集、解析することができるため、煩雑で面倒な作業をシステム化することが可能です。

これらのシステムを利用することで、これまで人間が行っていた業務をシステムが変わって行うことができ、人間は他の業務に集中することができるため、結果的に業務効率化につながり、残業削減などにつながってくると言えます。

企業がDXを実現するために必要なこと

このように、企業はDXを行うことで、働き方改革を実施しやすくなるということが分かりました。では企業がDXを行うには現状どのような課題があり、どのような準備が必要なのでしょうか。

具体的な施策を明確にすること

革新的なDXを実現するためには、経営者や幹部による具体的な施策や経営戦略の提示が必要です。明確な目標や、意図がないままDXを行っても、実現できるものは既存業務のデジタル化にすぎません。

デジタル化をして、どう変革していくのか、どう働きやすくしていくのか、というところを考えていく必要があります。

よく、Aiを導入する企業は、Aiの導入によって実現したい目標を定めることが重要であると言われます。というのも、Aiを導入しただけで具体的な活用法が決まっていなければ、コストの無駄遣いとなってしまう可能性が高いからです。

それと同様に、Aiを導入して、DXを実施してどのような結果を求めるのか、まず具体的な施策にもとづいた経営戦略を練ることが大切であると言えるでしょう。

一貫性のあるシステム構築

DXを滞らせてしまう原因の1つが、長年運用された社内システムの複雑さです。

多くの従業員がITシステム構築や改修を手掛けることで複雑で一貫性がなく、かえって業務効率が悪化しているというケースも少なくありません。また、技術的な老朽化やシステム全体の肥大化などが影響し、多くの企業でデータの活用が難しい状況に陥っています。

そのような場合は無理に既存のシステムを継続して利用せず、場合によってはシステム全体の見直しから始める必要があります。

これは、DXだけでなく働き方改革の推進においても同様で、社内制度の複雑さにより、働き方改革が上手く実施されない可能性もあるのです。いずれの場合も、DXや働き方改革の実施前に、一旦すべての制度を見直すことが大切であり、従業員全員が共通理解をもち、一貫性のあるシステム・制度構築をおこなえるよう連携しなければなりません。

IT人材の確保・育成

日本の企業の多くは、システム開発の大半で外部のIT企業と連携をしています。中には、M&Aを行ってIT関連に強い人材や事業を買い取ったりしている企業もあるほどです。

これは、自社内にDXの実現に必要となるIT人材が不足しているという側面があり、新たな人材を外部から派遣しなければならなくなっているということです。

仮に新しいシステムを利用したアイディアが思い浮かんだとしても、それを実現できるITに詳しい人材がいなければ意味がありません。そういった意味では、DXを行っていくには、優秀なIT人材の確保は最も重要です。

自社で教育が難しいのであれば、他社から人員を確保し、適切なマネジメントも同時に行っていく必要があるといえるでしょう。

企業のDXは今後何故必要なのか

以上のように、企業におけるDXの導入などは、多様な働き方の実現や業務効率の改善などの観点から見ても、今後ますます重要なものであると言えるでしょう。

では、近年これほどまでにDXが重要視されるようになった要因は、一体どのようなところにあるのでしょうか。

働き方改革をするため

まず1つ目の要因としては、DXを推進していくことによって、多様で柔軟な働き方が実現できるという点です。

特に日本の労働環境に関して言えば、長時間労働や違法残業などが常態化している企業も多く、過労死の問題や過酷な労働環境が大きな社会問題ともなっています。

ここで、世界主要各国の労働時間を国別にランキングにしたOECDの統計データを見てみましょう。

(参考資料:”世界の労働時間ランキング”(出典元OECD)働き方改革ラボHP)
https://workstyle.ricoh.co.jp/article/workingtime.html#:~:text=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E5%86%85%E3%81%AE%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B,%E3%81%82%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%8C%E5%88%86%E3%81%8B%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

各国の全就業者における平均労働時間を調査した結果、2016年のデータでは、1位がメキシコの2,255時間、2位がコスタリカの2,212時間、3位が韓国の2,069時間。日本は22位の1,713時間とされています。

一方で、男性1日あたりの平均労働時間のデータを見てみると、また異なった事実が発見できるのです。

(参考資料:”男性1日当たりの平均労働時間”(出典元OECD)働き方改革ラボHP)
https://workstyle.ricoh.co.jp/article/workingtime.html#:~:text=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9B%BD%E5%86%85%E3%81%AE%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B,%E3%81%82%E3%82%8B%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%8C%E5%88%86%E3%81%8B%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

日本国内での男性1日あたりの平均労働時間は375分となっており、この数値はインドやメキシコと並んで、世界でもワーストトップの成績であることがわかります。

つまり、日本国内においては、一部の労働者に過酷な労働が強いられる傾向にあり、特に男性の非正規労働者への過剰なシワ寄せが発生していると言えるでしょう。

このような労働格差の問題を解決させていくうえでも、DXの推進によるテレワークの実施や、業務効率の改善などは今後の重要な課題のひとつであると言えます。

デジタル化の流れがあるため

世界的なデジタルシフトの潮流も、DXが重要視されるようになった大きな要因のひとつです。

IoTの技術が発達した現代においては、あらゆるものがインターネットにアクセスできるようになったことで、従来ではわかり得なかったようなさまざまなデータの収集が可能になりました。

特にAI分野の発達の影響は大きく、収集されたデジタルデータをAIが分析、学習を行うことによって、より効率的なワークフローの構築を実現させることができるようになっています。、企業活動におけるデジタルシフトは今後ますます加速していくと言えるでしょう。

コロナ禍における新しい生活様式の実践のため

今後のアフターコロナ、ウィズコロナに向けた生活様式の変化も忘れてはなりません。

近ごろでは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、テレワークやリモートワークへの需要が急激な高まりを見せるようになりました。

人の動きが制限される時代の到来によって、リモートでも完結できるようなDXに向けた取り組みは、今後ますます重要なものとなってくるでしょう。

『2025年の崖』への対応

それぞれの企業が活用している自社のシステムなどは、長年に渡る機能追加などによって複雑化し、ブラックボックスと化している現状にあります。

一方で、そうしたレガシーシステムを維持するための社内システムに熟知した人材などは、高齢化にともなって年々減少している傾向にあります。そのため2025年を境にシステム全体の抜本的な見直しが叫ばれるようになりました。

このようなレガシーシステムの崩壊などは、いわゆる「2025年の壁」問題とも呼ばれており、こうした課題を解決させるためにも、DXは必要不可欠な存在であると言えるでしょう。

企業がDXを行うまでの流れ

DXの必要性がわかったところで、具体的にはどのようなところから着手していけば良いのでしょうか。

DXを成功させるまでの流れとしては、主に下記の3つのステップが挙げられます。

DXへの意識共有

DXに向けた取り組みの最初のステップとしては、まずはDXという概念そのものへの意識共有が重要となります。

経営層がDXのメリットや必要性をしっかりと理解することはもちろんのこと、実際に運用する現場レベルでの意識改革やDXへの理解を深めていくことが大切です。

業務の現状を洗い出す

意識共有の次にすべきことは現状業務の洗い出しです。

たとえば、「紙媒体をベースとする業務」が残っていた場合には、コピー機のメンテナンス費用やコピー用紙の購入代金などのランニングコストが発生してしまうため、明確な理由がない限り、可及的速やかにデジタル転換させる必要があると言えるでしょう。

また、「長期に渡って利用している自社の独自システム」や「作成者不明のマクロが組まれたエクセルファイル」なども、今後の拡張性やメンテナンス性を考慮した場合には、あまり好ましいものではありません。

システムの刷新

既存の業務をデジタルに置き換えるためには、旧来のレガシーシステムを刷新していく必要があります。

従来より依存してきたレガシーシステムからの脱却を図ることで、古い業務フローを保つためのコスト削減にも直結するため、このような部分から着々とDXに向けた取り組みを行っていくべきでしょう。

まとめ

実は働き方改革もDXも以前から推進されてきたものでしたが、新型コロナウイルスの影響によってテレワークを導入した企業が増えたことや、デジタル化について改めて重要性を理解した企業が増えたことで、脚光を浴び始めました。

今後は、DXを実施しない企業は淘汰されていく時代になるとも言われています。同時に、働き方改革を実施しない企業についても、人材がどんどん他の企業にながれていき、最悪の場合事業を続けられなくなってしまう可能性もあるかもしれません。

そういった意味では、現状のコロナウイルスによる様々な影響は企業にとっては変革のチャンスとも言えるのではないでしょうか。是非、働き方改革、DXを実施してアフターコロナに強い企業に成長させませんか。

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