会社売却後、勤めていた社員はどうなる??

M&Aで『会社を売却する』というのは、会社の経営権や決定権を持つのが、これまでのオーナー社長ではなくなるということを意味します。

当然、売却後は会社について何かを決定することもなくなり、契約内容やM&Aの手法によっては事業自体に関わることがなくなりますので社員とのかかわりも一切なくなる可能性もあるということです。
そのような場合、経営者にとっては会社を作り上げてきた社員の今後の待遇が気になってなかなか売却に踏み込めないといった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、本記事では会社を売却した後、会社に勤めていた社員や売却に該当する事業の社員はどうなるのかという点について解説してまいります。

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社員の待遇の決定権は買収側の企業に

結論から申し上げますと、勤めていた社員がどうなるのかというのは、買い手の企業の考え方によって変わってきます。というのも、当然会社を売却した時点で、該当する社員の雇用条件や福利厚生などについては買い手側の企業の条件に基づくようになるからです。

買収先の企業でも雇用が維持されるケースがほとんどであると言われているものの、売買の対象企業同士の付き合いが影響したりする場合もあります。また、海外企業への売却となってきますと、更に雇用の条件等が変化してくる可能性も出てくるでしょう。

買収側の企業と売却側の企業の付き合いが影響する場合

社員の待遇の決定権は買収側の企業にありますので、仮に買収側の企業と売却側の企業の付き合いがうまくいかない場合、条件によっては社員への待遇が良くなくなる可能性があります。

もちろん、企業同士の関係性の影響で待遇が悪くなるケースが多いわけではありませんが、社員自体が会社の考えと合わない場合や、社員にとって雇用条件が合わない場合などは早々に転勤させられたり退職せざるを得なくなる社員も出てきたりするかもしれません。

買収側の企業が外国の企業である場合

買収側の企業が外国の企業である場合、外国と日本では雇用条件が違いますので従業員の処遇や給与などが大きく変わる可能性があります。具体的には当然言語的な面で外国語が離せない人材のリストラや、年齢ではなく能力主義で処遇が決定してしまうケースもあるでしょう。
また、売却前では企業内の人事評価が良かった社員でも、買収先の外国企業で人事評価が下がったり、昇進の可能性がないとみなされた場合は、降格、もしくは退職勧告が出される場合もあります

しかし、これらを防ごうと売り手側の企業が、買収先企業はどんな判断基準で人事評価を行うかということを買収前に予測するのは困難です。ですので、買収側の企業が外国の企業である場合はM&Aを行う際に、経営陣がしっかりと条件を話し合うことが大切になります。

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また売却側の企業や社員が、語学スキルや、他業務的スキルに不安がある場合は海外企業傘下に入る可能性も考え、今のうちから意識して教育カリキュラムに追加するのも良いかもしれません。

社員が評価されていればそのまま雇用される可能性も

買い手側の企業でもそのまま雇用が引き継がれる場合、そもそも『社員が評価されて売却が成立』しているケースが多いです。
企業の売却における価値は資産や収益などを総合して判断されますが、会社の運営で得られる利益を作るのはまぎれもなく社員です。つまり、社員の働き方や技術が評価できない企業を買収しても、買い手側の企業としてはあまりメリットがありません。

また、人材の採用や育成は決して容易なものではなく、優秀な社員を育てるには多大な時間とコストが必要になってきます。だからこそ売り手側の企業の社員はそのまま雇用しておきたいという企業も多いのです。中には優秀な社員の離脱を防ぐためにも待遇をよくする企業もあるでしょう。

社員への待遇がよくなるケース

会社を売却した後も、勤めていた社員が買収先の会社で良い待遇を受けることを望んでいるオーナー社長は多いはずです。ここからは、会社を売却した後、社員への待遇が良くなるケースについて解説していきます。

・買収企業のほうが会社の規模が大きい場合

売却後に社員への待遇が良くなるケースとしてまず考えられるのは買い手側の企業の会社の規模が、売り手側の企業の規模よりも大きい場合です。

それは、規模の大きい会社のほうが給与水準が高いことと、その他福利厚生などの処遇の基準もしっかりと定められている場合が多いからです。

社員が評価されて売却が成立した場合

前述にもご説明いたしましたが、売り手側の企業の社員が評価されてM&Aが成立した場合、買い手側の企業は『優秀な社員がほしい』という目的で該当する事業の買収に至った可能性があるため、待遇が良くなる可能性があります。

そうした目的であった場合、社員の待遇が売り手側の企業にいたころよりも良くなるケースがあります。というのも買い手側の企業としては、待遇の良し悪しで離職等をされてしまえばコストをかけて買収したメリットがなくなってしまうというのも理由の1つとしてあげられます。

・社員が専門的なノウハウやスキルを持っている場合

先ほどの社員の評価が高い場合と類似しておりますが、専門的なノウハウやスキルを持った社員であれば、スペシャリストとして優遇されるケースが多いです。それは、業務における専門知識に限らず、語学力なども同様です。

ただ、これは先ほどの社員評価と同じく、買い手企業の買収戦略に大きく左右されるもので、買い手の企業が業務ノウハウやスキルを持った人材、その他専門知識をもった人材も同時に獲得することを目的としていれば、即戦力として雇用が継続され、優遇されます。

社員への待遇が悪くなるケース

逆に社員への待遇が悪くなるケースとしては下記のようなケースが考えられます。

・M&Aの手法の選択が不適当であった場合

M&Aの手法によっては、雇用が引き継がれないケース場合や、リストラされてしまう可能性がある場合もあります。

M&Aは売り手企業と買い手企業の交渉に基づいて交わされる契約ですので、当然どちらかの知識が乏しい時、隙をとられ、相手のいいように契約を進められてしまう場合があるのです。

そうした場合、売却後に社員の待遇が悪くなってしまったり、最終的にリストラされてしまうという可能性があります。

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・買収側の企業のほうが小規模である場合

たとえ小規模の企業でも社員への待遇がよいという会社はあるかもしれませんが、売り手側の企業よりも買い手側の企業のほうが経営規模が小さい会社である場合、社員への給与や処待遇が悪くなる可能性ももちろんあります。

会社売却後も社員を守るために知っておきたいこと

やはり、会社を売却してオーナー社長自身は仕事からリタイアしても、これまで共に会社を作り上げてきた社員を見放すわけにはいかないと考える経営者が殆どなのではないでしょうか。社員の中には、待遇の良し悪しによってはモチベーションが下がってしまい、退職してしまうケースもあるでしょう。

それでも、会社を売却する、しない、また売却する場合どのような方法をとるのかという最終選択をするのはオーナー社長、経営者自身です。

最後はオーナー社長が会社売却後も社員を守るために下記のようなポイントを頭に入れておく必要があります。

【会社売却前にしておきたいこと】

・機密保持を徹底する

・社員の同意を得る

・適切な順序を踏んだ交渉をする

・最適な買収先の決定

・買収側企業との契約条件を何度も確認する

会社売却において、社員の不安を防ぐために事前に社員の同意を得ることも大切です。

また、最適なM&Aの手法を選択するのはもちろんのこと、適切な順序を踏んだ交渉や、買収側の企業との契約条件に落とし穴がないかなどを綿密にチェックするためにも専門家への相談も必須であるといえるでしょう。

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会社売却が決まった後にしておきたいこと

社員への新たな経営者のもとで働くことのメリットを開示する

・買い手側企業の雇用状況などを説明する

・社員を納得させられる売却理由の説明

M&Aが成立し、売却が公式発表されたら上記のような社員へのフォローアップが必要です。新たな場所へ気持ちよく送り出すことができるよう、買い手側の企業の雇用状況や、メリットなどをしっかりと説明し、モチベーションが低くなるのを防ぐことが大切です。

まとめ

経営者自身のリタイアや後継者不足問題の解決で会社を売却するというケースは増えているものの、やはり勤めていた社員は上長や働く環境が変わることになりますので、勤めていた社員はどうなるのか心配になる経営者も少なくないでしょう。

もちろん、会社を売却したあと、買い手の企業での社員の待遇が良くなるケースもありますが、M&Aの手法や、契約条件によっては待遇が悪くなってしまうケースもあります。
ただ、前述でも解説したように、買い手の企業が社員の待遇を決めるとはいえ、事前に買い手企業がどのような判断基準で人事評価を行うかということなどを把握することはほとんどできません。だからこそ、最適なM&Aの手法を選択したり、しっかりと専門家に相談して社員にデメリットがないかなども確認することが大切になってくるのです。

会社売却を考えているけど、社員の今後が不安でM&Aに乗り切れていなかったという方、社員を守るためにも専門家に相談してM&Aを行いたいという方、是非DX承継くんのお問合せ窓口までご相談ください。

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