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事業承継に利用できる『経営資源引継ぎ補助金』の2次公募が10月から開始

新型コロナウイルスの影響により、事業の先行きが不安定になったことから会社を売りたいと考える経営者が増えてきています。実際にM&Aonlineが集計した、2020年のM&A実施件数は感染が拡大し始めた1月~3月の間でも232件成立しており、このままのペースでいくと年間を通しても最高件数を記録する傾向であると言います。

コロナ禍における雇用の継続や、事業承継、経営資源の引継ぎについては、政府もこれまで以上に支援をしていく方針であり、M&Aの仲介手数料や関連費用に対する補助金『経営資源引継ぎ補助金』を用意しました。

本来であれば、8月に1次公募が終わっておりましたが、10月1日から2次公募が始まりますので、本記事では経営資源引継ぎ補助金の2次公募の概要について解説してまいります。

経営資源引継ぎ補助金とは

経営資源引継ぎ補助金とは、事業再編および事業統合などに伴う中小企業の経営資源の引継ぎに必要な経費の一部を補助する制度です。似たような補助金に、『事業承継補助金』がありますが、事業承継補助金はM&Aの後の新規事業への取り組みに対して支払われる補助金ですので、経営資源引継ぎ補助金は、M&Aをするときにかかる諸経費を補助する制度であるとお考えいただければ違いが分かりやすいでしょう。

なお、経営資源引継ぎ補助金は新型コロナウイルス対策の補正予算として成立している補助金制度になりますが、支給要件にコロナウイルスの影響を受けているかどうかというところは問われません。

公式ページ

・対象者は買い手売り手どちらも

経営資源引継ぎ補助金は新型コロナウイルス感染症の影響が懸念される中小企業に対して売り手買い手どちらにも支援することで、経済の活性化を図ることを目的としています。

中小企業庁の事業になりますので、補助金を受けることができる対象者は中小企業者が対象になります。中小企業者とは中小企業法で定められた以下の要件を満たす法人・個人です。

また、具体的な補助対象者については、下記の要件を満たした者に限ります。

【買い手支援型の場合】

事業再編・事業統合等に伴う経営資源の引継ぎを行う予定の中小企業・小規模事業者であり、以下のすべての要件を満たすもの

①事業再編・事業統合等に伴う引継ぎの後に、シナジーを活かした経営革新を行うことが見込まれること

②事業再編・事業統合等に伴う引継ぎの後に、地域の雇用をはじめ、地域経済全体を牽引する事業を行うことが見込まれること

【売り手支援型の場合】

事業再編・事業統合等に伴い、経営資源の引継ぎが行われる予定の中小企業・小規模事業者であり、以下の要件を満たすもの

①地域の雇用をはじめ、地域経済全体を牽引する事業を行っており、事業再編・事業統合などによりこれらが第三者により継続されることが見込まれること

補足として、個人事業主の方が事業譲渡で事業を売る場合や、個人事業主として事業を買い、引き継ぐ場合も要件を満たせば補助金の対象とはなりますが、サラリーマンが引き継ぐ等個人M&Aについては対象とならないので注意が必要です。

・支援内容別に補助上限額が変わる

経営資源引継ぎ補助金は、

①経営資源の引継ぎを促すための支援 と

②経営資源の引継ぎを実現するための支援 の、2種類の支援内容があり、支援内容によって補助上限額が変動します。

 

・経営資源引継ぎ補助金の補助対象経費について

経営資源引継ぎ補助金の補助対象経費について、公募要領には下記のように記されています。

①使用目的が補助対象事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費 

②補助事業期間内に契約・発注をおこない支払った経費

③補助事業期間完了後の実績報告で提出する証拠書類等によって金額・支払等が確認できる経費

つまり、仲介手数料や、M&Aに係る旅費、委託料、再生計画書のコンサルティング代等、M&A実施時にかかる諸経費が補助対象となるとお考え下さい。

・経営資源引継ぎ補助金の申請期間

2020年10月1日(木)~10月24日(土)(予定)

公募期間中に想定される経費を見積もって申請を行います。ちなみに、M&A仲介手数料はM&Aの価格によって決まることが多い為、申請の時点で仲介手数料が不確定な場合があります。

その場合は、申請する金額は不確定な概算額でOKとなるそうで、申請額と実際に発生したコストを比較し、どちらか低い額が補助の対象となります。

経営資源引継ぎ補助金の受け取りまでのながれ

経営資源引継ぎ補助金の申請から受け取りまでの流れは下記のような流れになります。

①2020年10月1日から2020年10月24日までの間に申請

②国が採択審査を実施(1~2カ月程度)

③交付決定後申請者が一定期間に対象コストを支出(1月15日締め切り)

④実績報告後、補助金支給(2021年3月末まで)

経営資源引継ぎ補助金を受けるときの注意点

ここまでに、経営資源引継ぎ補助金の概要と、受け取りまでの流れについて解説いたしました。最後に経営資源引継ぎ補助金を受けるときの注意点を解説しますので、トラブルなくスムーズに申請から受け取りまで行えるよう、確認をしておいてください。

申請をすれば必ず受け取れるわけではない

経営資源引継ぎ補助金は、事業予算36億円の中で、選抜して補助するしないを決められます。ですので、申請をすれば必ず補助金を受けられるというわけではありません。

審査基準は公に公表されているわけではありませんが、

①案件が具体かしているか

②買い手の財務内容が健全か

③M&Aの目的・必要性

④M&Aの効果や地域経済への影響はあるか

等が採択非採択の基準となる可能性が高いでしょう。

支払いがすべて終わってから補助金を受け取れる

どの補助金も同じですが、補助金の申請をするのはM&A成立前でも、すべての支払いが終わってから補助金を受け取れるようになります。

M&Aを行う前に受け取れるのではと勘違いされる方もいらっしゃいますが、すべてが終わって実績報告をしてからということになるので、令和3年1月15日までに対象コストを支出(M&Aが成立)しなかった場合は補助対象外となりますので注意しましょう。

個人M&Aは対象ではない

冒頭にも解説しましたが、サラリーマンが個人で会社や事業を買い取るなどの個人M&Aは補助金の対象ではありません。

まとめ

今回は事業承継による経営資源の引継ぎの際に活用できる「経営資源引継ぎ補助金」について紹介しました。

コロナ禍で廃業してしまう企業や店舗も多い中、経営資源を引き継いだり、雇用を継続したりすることは、今後の社会において重要な課題となっていくでしょう。

日本の企業の9割は中小企業であり、私たちの生活は中小企業に支えられているといっても過言ではありません。経営資源引継ぎ補助金などの制度を知り、そして活用しながら未来に事業を残していけるよう推進していきたいものです。

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