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日立金属が日米連合へ売却!?M&A総額は7000億円で今期最大級とも

コロナ禍で経営状態が悪化している企業が多い中、企業再編やシナジーなどを目的にM&Aを実施するケースが増加してきています。

そうしたなか、今年最大規模の7000億円超の資金が動くM&Aが実施されそうです。話題の中心にあるのは日立製作所の上場子会社「日立金属」で、日米投資ファンド連合への売却を検討しています。多額の資金が動くM&Aだからこそ、その目的や意図が気になるところです。

本記事では、現時点で確認できる日立金属のM&A概要と、その理由から考察する今後のM&A動向についてまとめました。

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日立金属とは?

日立金属と聞いても、どのような企業か分からない方も多いでしょう。まずは会社概要から解説していきます。

日立製作所の上場子会社

日立金属とは、日立製作所の上場子会社で、鉄鋼メーカーの1つです。

かつては、日立化成や日立電線と並んで「御三家」とよばれ、日立グループを代表する企業として認識されていました。現在は東京証券取引所1部に上場しており、日立製作所が約53%の株式を保有しています。

そんな日立金属は、2021年3月期の連結調整後営業損益が100億円の赤字になりそうだということを2021年1月28日に発表しており、赤字額は昨年に比べ40億円の縮小としています。

中でも自動車向け特殊鋼などの販売が想定を上回っている一方、品質不正問題の調査費用がかさむほか業績立て直しに向けた改革により最終損益は460億円を想定しているとのことです。

日立金属売却の意向

おそらく、日立製作所としては日立金属を他社に売却することで立て直しと、ITを中心とした主力分野に経営資源を絞るなどグループ企業の再編を図る方針でしょう。

ここからは、日立金属売却における日立製作所の意向について解説していきます。

デジタル化に伴う企業再編のため

2021年3月25日の各報道によれば、同社のM&A実施は急速な社会のデジタル化に伴う企業グループ再編の一環とされています。

(出典:https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/20210325-00000201-jijf-bus_all)

ちなみに、先程に企業名をあげた日立化成については売却済みで、日立建機については今後の売却が検討されています。

日立製作所は、これらのM&A実施によりITなど主力事業に経営リソースを集中させる思惑があると予想できるでしょう。

売却候補は日米投資ファンド連合に絞り込み

日立金属の売却先候補とされているのは、米投資ファンドのベインキャピタルと投資ファンドの日本産業パートナーズの連合の2陣営です。

日立製作所は今回の取引において全株式を手放す方針で、その売却先は月内にも決定予定です。最新情報が更新され次第、随時本コラムも更新していきます。

M&A総額は7000億円超

と、現状は奮わない業績でありながら、かつては日立製作所の御三家ともされ崇め奉られてきた日立金属。

もし売却先が決定され、無事にM&Aが行われるとすれば、そのM&A総額はなんと7000億円超となり、今年最大級の取引になることが予想されています。

株価は上昇中

そうした中、日立金属の株はM&Aへの期待などから高値で推移しており、時価総額は2021年3月25日時点で約7831億円に達しています。金融関係者からは「市場価格が実際の企業価値より高くなる可能性がある」とも指摘されているのだそうです。

(出典:https://www.excite.co.jp/news/article/Jiji_20210325X439/)

通常のM&A相場は

そもそも、今期最大級の規模と言われても、その規模の大きさにピンとこない方も多いでしょう。通常のM&Aの相場は基本的に企業価値や想定されるシナジーによるところもありますので、一概にこのくらいの金額と言い切ってしまうことはできません。

ただ、1ついえるのは1000億円以上の売却価額の取引は「大型案件」といわれるというところです。

2020年最新版日本企業の大型M&Aランキング!1000億円超は22件も!

実際、2019年に国内企業で行われたM&Aでは7000億円を超える取引は、3件しかありません。特に、今回の取引については赤字が続いているという点もポイントで、赤字を抱えておきながら7000億円という高額で取引されるのは、今後の成長性やシナジーが期待されるからというところでしょう。

今後のM&Aは企業再編・デジタル化がキーポイントに

最近のM&Aの傾向として1つ言えるのは、企業の方向性としてデジタル化に伴う企業再編に焦点を充てた取引が増えているという点です。

DX承継くんでも以前に解説をした、東京ドームのTOB、文藝春秋とnoteの資本業務提携、NTTドコモとNTTのTOBなど、いずれもDXやデジタル化を目的の1つとしたM&Aでした。

NTTがドコモを完全子会社化!TOB総額は約4兆円の大規模M&A

新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、ビジネスを取り巻く現状が大きく変化し、それに伴いデジタル技術の活用が更に広がっています。そのようななかでも、企業が競争環境において優位性を保っていくためには、経営資源を集中させたり、デジタル化のためのノウハウを他企業から吸収したりというところが重要になっていくのでしょう。

そこで活用されるのがM&Aというわけです。

コロナ禍でもIT系M&Aが過去最多!その理由は?

企業再編とは

ここまでに何度か、単語として出てきた「企業再編」とは、企業が経営の効率化などの理由のために企業グループを再編成することです。企業再編を行う理由としては、経済のボーダーレス化、企業のグローバル化、デジタル化といったところが考えられます。

つまり、環境の変化に対応するために経営資源の選択と集中を行って経営の効率を高める必要がある際に行われるということです。企業再編の方法としてはM&A以外にも企業分離屋回さ分割、共同事業なども考えられます。

デジタル化とは

一方デジタル化とは、簡単に言えば企業内にデジタルを導入して一部の業務を自動化したり、管理をクラウド上でおこなったりして業務を効率化させることです。

デジタル化によって、企業やそれを取り巻く多くの場面に対し大きな変革が得られた場合、もしくはそれを狙った施策を「DX」と呼びます。

DXについては下記の記事で詳しく解説しているのでご覧ください。

DXとIT化の違いは?正しく理解すべき意義とポイントについて解説

コロナ禍でビジネスを取り巻く現状が変化

先述にも申し上げた通り、2020年3月ごろから日本でも劇的な感染拡大が懸念され始めたころから、ビジネスを取り巻く現状が1分1秒毎に変化をしてきました。

コロナ禍でも衰えないM&Aマーケット。アフターコロナのM&Aのポイントとは

思えば、1年前当たり前のように出社をしていた方も、今は当たり前のように在宅勤務をしているというのが分かりやすい「変化」の1つです。それだけでなく、在宅ワークを行うために、社員の管理システムや、その他業務効率化システムを導入した企業も多くあったでしょう。

そこで、DXやデジタル化なども再度注目され始めてきたわけですが、やはりデジタルを導入したりDX化を行っていくには企業内にデジタル活用へのノウハウがない企業もあるわけです。

一方、今回の日立製作所のようにITのノウハウがある企業については今後ますます需要が拡大していくことになります。

ノウハウがない企業はIT企業事業を売却してITノウハウを獲得したり、IT企業でそれ以外の事業を行っている企業はIT事業を伸ばしていくためにその他のノンコア事業を他企業に売却したりして、需要と供給のバランスをとっていく必要があるのです。

このように、ある意味新型コロナウイルスの感染拡大が引き金となって、今後のM&Aの目的は企業再編やデジタル化、DX化という事例が増えてくると予想されるでしょう。

企業のデジタル化・M&Aのお問い合わせはDX承継くんへ

本記事では、日立金属が実施予定のM&Aに関する概要と、同事例から考察する今後のM&Aについて解説しました。

コロナ禍で業績悪化している企業も多い中、むしろ高額案件も多数あり、盛んに行われている企業のM&A。おそらくその真髄は企業の再編やデジタル化を目的としたM&A件数が増加傾向にあるというところにあるでしょう。

今後企業や事業を売却したいと考えている方、買収したいと考えている方は、デジタル化やDXに目をむけていく必要があるかもしれません。

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