M&Aを行うときに利用できる事業承継補助金とは【2020年度版】

後継者選びや新規事業への参入においてM&Aを実施する経営者は増加傾向にあります。しかし、M&Aを実施するにあたって1つ問題点となるのが、M&Aを実施するまでにそれなりの費用がかかるという点です。

そこで本記事では中小企業庁が実施する、M&Aなどでの中小企業の世代交代を促進し、国の経済を活性化させることを目的とした『事業承継補助金』について解説いたします。

費用面でM&Aの実施をあきらめていたという方、これからM&Aを実施するという方は是非参考にしてください。

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都道府県別!M&Aを行うときに利用できる支援金制度まとめ【2020年度版】

事業承継補助金とは

事業承継補助金とは、簡単にいうと中小企業の事業承継を支援する目的で返済不要の補助金を支給する制度のことです。

ちなみに、『事業承継補助金』という名から、M&Aで事業を買収するときの買収金額の一部を補助してくれるのかと誤解されがちですが、そうではなく、事業を引き継ぐ人(売却側)や、新たな事業に挑戦するなど、会社を一新させたい人の諸経費を支援する制度になります。

また、事業承継補助金は申請すれば皆受け取ることができるというものではありません。事業承継補助金を受け取るには厳正な審査が実施され、それに通った企業や経営者のみが受け取ることができるという仕組みです。

ですので、M&Aに事業承継補助金を活用したいと考えている方は以下のポイントをしっかりと抑え、申請を行うようにしましょう。

事業承継補助金は2種類の申請型がある

事業承継補助金は、

①経営者交代による承継の後に経営革新等を行う方を支援する【Ⅰ型】

と、

②M&Aを契機に経営革新等を行う方を支援する【Ⅱ型】

の2種類があります。

なお、ベンチャー型事業承継や生産性向上枠に該当する場合は、Ⅰ型Ⅱ型共に上限額や補助率が変わってきます。最終的な補助率は審査で決定されるものとお考え下さい。

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①【Ⅰ型】事業承継補助金

Ⅰ型の事業承継補助金は、主に後継者承継支援型として、事業承継を行う承継者が利用する補助金です。

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【原則枠】

上限額:600万円
補助率:1/2~2/3以内
※事業転換に伴う補助額上乗せの場合は上限額450万円

【ベンチャー型事業承継枠または生産性向上枠】

上限額:300万円
補助率:2/3以内
※事業転換に伴う補助額上乗せの場合は上限額600万円

 

②【Ⅱ型】事業承継補助金

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Ⅱ型の事業承継補助金は、事業再編や事業統合など、新たな事業に挑戦する際に利用できる補助金です。

なお、Ⅱ型は後継者不在により、事業再編・事業統合等を行わなければ事業継続が困難になることが見込まれている場合にのみ利用することができます。

【原則枠】

上限額:1,200万円
補助率:1/2~2/3以内

【ベンチャー型事業承継枠または生産性向上枠】

上限額:600万円
補助率:2/3以内
※事業転換に伴う補助額上乗せの場合は上限額1,200万円

事業承継補助金の対象者

先ほど、事業承継補助金の受給対象者は買収側の経営者ではなく、承継者であると解説しました。

基本的には、後継者不在等によって事業継続が困難になることが見込まれる中小企業が事業承継補助対象であり、承継者の間で事業の再編・統合を含む経営革新の取り組みを行った、または行う予定がある(M&A手法含む)者に限られるとかんがえていただいて結構です。

中小企業庁が定める具体的な対象事業者は下記に該当する中小企業、個人事業主になります。

(1) 日本国内に拠点もしくは居住地を置き、日本国内で事業を営む事業者

(2) 地域の雇用の維持、創出や 地域の強みである技術、特産品で地域を支えるなど、地域経済に貢献している中小企業

(3) 暴力団等の反社会的勢力でないこと。反社会勢力との関係 を有していない事業者

(4) 法令順守上の問題を抱えている中小企業者

(5) 経済産業省から補助金指定停止措置または指名停止措置が講じられていない中小企業 

(6) 補助対象事業に係る全ての情報について、事務局から国に報告された後、統計的な処理等をさ れて匿名性を確保しつつ公表される場合があることについて同意することができる事業者

(7) 事務局が求める補助事業に係る調査やアンケート等に協力できる事業者

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事業承継補助金の申請期間

事業承継補助金の申請期間はⅠ型、Ⅱ型共に以下の通りです。

【交付申請受付】

2020年4月10日(金)~2020年5月29日(金)19:00

【交付決定日】

2020年7月(予定)

【事業実施期間】

交付決定日~最長2020年12月31日(木)

【実績報告期間】

事業完了日から30日以内

※補助金の交付には、実績報告書の提出後2~3か月程度の期間を要します。

事業承継補助金の対象経費

事業承継補助金の対象となる費用は以下のものに限られます。

・店舗等の借入費

・原材料費

・設備費

・知的財産権等の関連経費

・広報費

・会場借料費

・外注費

・在庫処分費

・謝金

・旅費

・マーケティング調査費

・原状回復費

・委託費

・解体費や処分費

ただ、廃業費は事業転換により廃業登記費、在庫処分費、解体・処分費などがある場合のみ認めらるもので、単独での申請はできませんので注意してください。

事業承継補助金の申請の流れ

事業承継補助金は審査などを要しますので受け取りまでのスキームは長いです。基本的には下記のような流れになります。

認定経営革新等支援機関(商工会議所や銀行など)へ経営相談をする

②「gBizIDプライム」のアカウントを取得する

③交付申請

交付決定の通知後に事業を実施し、補助金事務局へ実績報告をする

⑤補助金交付手続きをする

事業承継補助金の申請に必要な書類を提出したら2~3ヶ月程度の審査期間を経て、事業承継補助金事務局より補助金が交付され、事業承継補助金の申請の手続きは全て完了となります。

事業承継補助金を申請するときの注意点

事業承継補助金は前述にも解説したように、返済不要の給付型ですので事業承継を考えている方はすぐさま申請をしたくなるかもしれませんが、当然厳正な審査がありますのですべての事業者が受給できるというわけではないということは頭に入れておかなければなりません。

また、補助金交付後5年間は、事業化状況報告等を行うことが義務付けられる点にも注意が必要です。

この5年というのは、事業承継補助金自体に5年後の事業承継率を90%に引き上げる狙いがあるためであると説明でき、つまりは補助を得たうえで5年以上事業を継続できるプランを事前に準備しておかなければならないということになります。

審査に通って給付されてM&Aが実施できて終わりではなく、その後のプランも入念に練っておく必要があるといえるでしょう。

まとめ

本記事ではM&Aで事業承継や、新規事業の参入を考えている方が利用できる事業承継補助金について詳しい内容を解説いたしました。

尤も、補助金の【採択率】は必ずしも表記された最大の補助率、上限額で支給されるnのでなく、審査で妥当な額が決定されるわけです。費用面で助けてもらえるぶん、M&Aが行いやすくなりますので、採択率は当然低いよりも高いほうが良いでしょう。採択率をあげるためには事業承継後のプロセスやコンセプトを事務局員に分かりやすく伝えることができる資料作りも大切です。

事業承継補助金を申請してM&Aで事業承継を行いたい方、新規事業へのチャレンジをしたい方は是非下記のお問合せ窓口までご相談ください。

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