M&A

中小企業における人手不足の要因とその解決策

少子化高齢化が進む現代では、労働人口の減少に伴い人手不足に陥る中小企業が増えています。実際、『優秀な人材が確保できない』『教育する前にやめてしまう』などそれぞれお悩みを抱えている企業様もいらっしゃるでしょう。

もはや日本の中小企業における人手不足は社会問題と化しているといっても過言ではありません。

そこで本記事では中小企業の人手不足の要因を紐解きながら、その解決策について解説してまいります。人が集まらなくて困っている、慢性的に人手不足だという企業は是非参考にしてください。

中小企業における人手不足とは

人手不足の要因について解説する前に、まずは、中小企業における人手不足が実際にどのような状態を指すのかという点から解説していきましょう。

人手不足とはどのような状態?

人手不足とは、企業の需要に対して労働者の供給が不足している状態のことをさします。ようは、企業が求める人材の数に対して、働いてくれる人が少ないということです。

とはいえ、就職難といわれているのに何故?と思われる方もいらっしゃるでしょう。それは、直接的に言えば企業に採用面接を受けに来る人は沢山いても、企業の色に合わない、必要な技術を持っていないなどの理由で就職に至っていないからです。

ですので、働いてくれる人がいないというよりは、企業にとって戦力となる人物が採用できる機会がすくないという表現のし方もできるかもしれません。企業も存続のために、できれば優秀な人材を雇いたいと思うものです。更に、戦力とならない人物を採用しても、かえって教育にコストがかかってしまったり、教育途中でやめてしまったりして、結果的に採算の合わないことになってしまうこともあります。

人手不足に悩んでいる中小企業の割合

人手不足に悩んでいる中小企業の割合は実に7割超と言われています。その中でも、帝国データバンクの調査によりますと、正社員が不足しているとお悩みの中小企業は49%に上ります。

アルバイトで採用することはできても、継続的かつ安定的に働いてくれる正社員の採用は難しいということです。

また、2019年のデータでは、赤字、黒字関係なく人手不足が原因で倒産した企業は全体の約20%です。十分な資金力があったとしても人がいないことで、企業としてやりぬいて行けるだけの体力がなくなってしまうということでしょう。

中小企業の人手不足の主な要因

中小企業で考えられる人手不足の要因は主に以下のような項目があげられます

労働人口の減少

1つは、そもそも労働人口が減少しているということです。国内の人口は2011年以降減少が続いています。その一方で75歳以上の高齢者の割合が増加しています。この要因としては医療の発達などもありますが、そもそも出生率の低いということもあげられるでしょう。

 

75歳以上の高齢者の場合、企業に正社員として働いている方は多くありません。このように、生産年齢人口の変化、および少子高齢化の影響による労働人口の減少により人手不足に影響していると言えます。

優秀な人材が確保できない

先述にも申し上げたとおり、就職難でなかなか定職につけていない方も少なくありません。それにも関わらず、必要な技術を持った人材がエントリーしてくれない、他企業に流れている、など企業が必要とする優秀な人材が確保できないことも人材不足の要因の1つです。

外国人の受け入れが進んでいない

更には、グローバル化が進んでおり、日本全体でも留学生の人口が増加してきている中、企業側に外国人の受け入れ体制が整っていないことも考えられるでしょう。

留学生の人口としては、文部化科学省の調査によりますと2019(令和元)年5月1日現在の外国人留学生は312,214人(対前年比13,234人(4.4%)増)でした。留学をするということは日本に興味があり、日本に勉強したいことがあるからです。日本の企業への就職を検討している留学生もいらっしゃるでしょう。そのような留学生の受け入れを検討する必要があると言えます。

離職率が高い

採用できても、離職率が高いために結果的に人が増えないという企業もあるでしょう。離職率が高い要因としては、

①業務過多

②人間関係

③思い違い

などがあげられます。

 

人手の少ない中小企業では、実際に1人の人への業務が多くなりがちで、それに不満を抱えて退職してしまう可能性もあります。また、人間関係が悪く、色々なしがらみに耐えられなかったという方もいらっしゃるでしょう。そして、そもそも就職者側が採用条件等を見たときと雰囲気が違った、実際の待遇が違ったという理由で退職に至るケースもあるようです。

雇用条件と需要のミスマッチ

人手不足に悩んでいる中小企業では、なんとか人を増やそうと求人サイトへ情報を掲載しますが、そもそもそのターゲットが合っていないなど需要とのミスマッチが人手不足に繋がっているということもあります。

 

実際それがどういう状況なのかというと、例えば、早朝に働いて欲しい人材を募集したいケースです。このとき、40代までの方しか応募できないとなりますと、なかなか採用が難しくなるでしょう。

しかし、早朝にしっかり起きることができるのは高齢者に多いものです。詳しくは次項でも解説しますが、採用もターゲットを絞って行うことが重要であるということです。

中小企業の人手不足の解決策

中小企業の人手不足の解決策としては下記のようなパターンが考えられます。

ターゲットを絞り効果的な訴求を行う

1つは、先述のようにターゲットを絞り、効果的な求人情報を出すなど、よりよい訴求を行うということです。

先ほどの例で言いますと、早朝に働いてほしい人を募集したいということでした。この場合は、早朝に働けるのはどんな人なのか、その人にはどんな待遇をすれば気持ちよく働いてもらうことができるのかなどを検討することで効果的に採用活動を行うことができるようになります。

外国人採用を行う

また、外国人採用を行うなど採用の枠を広げることで人手不足の解消にアプローチすることもできるかもしれません。

実際、これからはますますグローバル社会が進んでいくことになります。日本人の採用でさえ、いくつかの国の言葉がしゃべれなければならないなどの条件を必須とする企業が出てくる可能性もあります。

外国人の受け入れ体制を整えることは、人材不足の解消に役立てることが期待できます。

テレワークの導入

更に、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、求職者が企業に求める条件等も多様化してきました。特に、若者の間では企業に求める条件として、テレワークや在宅ワークを導入している企業などの条件がランクインしているようです。

多様な働き方が推奨されている中、場所や環境を選ばない柔軟なビジネススタイルを導入することは、採用の面にも好影響を与える可能性があるといえるでしょう。

M&Aの実施

とはいえ、上記のような項目をすべて導入、クリアしていても、なかなか人手不足の解消に繋がっていないという企業もあるかもしれません。特に、中小企業の場合は会社のある地域自体が栄えていなかったり、過疎化がすすんでしまったりしていると思うように行かないこともあるでしょう。

そのような場合は、M&Aを実施し、他社と協力することで従業員を分け合う形で人手不足を解消することができます。

優秀な人材を育てるには、企業内で教育することが重要ですが、その点もちろん教育コストも必要になってきます。ただ、そこで教育の必要もほぼ無い、技術を習得済みの従業員が入ってきてくれれば教育コスト等も省くことができるのです。そういった意味では、M&Aを実施して、最初からノウハウを持っている人材を事業ごと買い取ることで、競争環境への早期参入等も見込むことができるでしょう。

M&Aで企業同士が協力し合う環境になる可能性も

中小企業の人手不足が深刻化している現在、M&Aで企業が協力し合う形で支え合っていくスタイルがニューノーマルとして定着する可能性もあります。

会社を買い取ったり、事業を買い取ったりする以外にも、共同出資で新しい会社を設立する方法でも協力関係となり事業を支えていくことは可能です。人手が不足していてなかなか新人教育に時間をさけられなくても、教育の必要ない優秀な人物を複数獲得することができる上に、新たな知識を企業に取り入れるコストも削減できるので新規事業参入もスムーズです。

今後更に人手不足が進めばM&Aを実施して企業同士で協力し合うケースも増えてくれるかもしれませんね。

まとめ

年々、中小企業の人手不足は深刻化しています。一刻も早く人手不足を解消する手としては、採用の際のターゲット選定や企業の方針を変更するか、M&Aを行うかしか方法はないと言っても過言ではありません。

それは、労働人口が少なくなっていることや高齢化社会となっていることは、企業にはどうすることも出来ないからです。それであれば企業側がアクションを起し、アプローチするしかないのです。

 

新型コロナ禍でも、2020年は多くのM&Aが行われニュースでも取り上げられました。このように、コロナ禍だからこそ、働き方改革を推進されているからこそ、デジタルの導入を促進されているからこそ、M&Aを実施することで他社と協力していくビジネススタイルが確率しつつあるのでしょう。

 

人手不足に困っている企業は、是非今回ご紹介した解決策に着手してみてはいかがでしょうか。

おすすめの記事