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MBOとは?「上場廃止」のメリットや再上場する可能性について解説

「上場企業」といえば、”信用力のある企業”などというイメージを持つ方も多いかもしれませんが、近年では「MBO」という方法を使ってあえて「上場廃止」とする企業も増えています。

2020年12月には、ソフトバンクグループがMBOの実施を検討していると報道されたこともありました。(出典:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-12-09/QL0KGXDWRGG001)

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このように、大手企業が戦略として活用しているケースも散見されるため、「MBO」に興味を持っている方は多いのではないでしょうか。

本記事では、MBOとは何なのかというところから、MBOによる上場廃止のメリット・再上場の可能性などについて徹底解説していきます。

MBOとは

MBOとは、「マネジメント・バイ・アウト」の略で、経営陣や経営に関わっている人々が株式を買い取って経営権を取得することです。

大きく見れば、M&Aの手法の1つですが、第三者企業が関わることがなく自社株買いという立ち位置にあります。

MBOの目的

MBOの主な目的としては、

①経営体制の見直し

②上場廃止

③事業承継

④被買収対策

などがあげられます。

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MBOのスキームは、簡単に言えば会社の幹部が経営を引き継ぐ際に、現経営者に対価を支払うという流れです。

これを行う主な目的の1つとして、経営体制の見直しによる資金効率向上があげられます。

例えば、ある事業の資金繰が悪化している場合、対応策としてMBOを実施することで経営資源を集中させることができるのです。

その他の目的としてメジャーなのは「事業承継」で、後継者が見つからないときに幹部から抜擢しMBOを実施することで事業承継をすることができます。また、自社株を幹部陣が買い取っておくことで、市場の株式を買い集めることになり、被買収対策にも繋がります。第三者企業からの買収を防ぎたい場合にも有効的です。

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ちなみに、良く混同されがちな「TOB」は買収側が社内の幹部ではなく第三者企業というところにありますので、認識相違のないよう注意しましょう。

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MBOで上場廃止になる?

先述に、MBOの目的として「上場廃止」を挙げましたが、そのとおり、MBOを行うと上場は廃止になります。TOBを行った際も同様で、売却と同時に上場廃止になりますが、これは「市場に出回る株式数が基準割れするから」です。

上場廃止とは?

そもそも上場とは株式市場にあがって証券取引で株式の売買ができるようになることです。上場企業とは、その株式を発行できる企業のことで、上場するには一定の審査が行われます。

このように、株式市場に上がっているものを廃止するのが上場廃止です。これにより、株式市場に株式が出回らなくなります。

上場廃止後株式はどうなる?

では、上場廃止後に株式はどうなるのかという部分が気になる方も出てくるでしょう。株式についていえば、市場から退くことに伴い、取引所での売買が自由にできなくなります。

しかし、株主側から見れば株主としての権利は残りますので、単に株式市場を通した自由な取引ができなくなるものであるとお考えいただければ問題ないでしょう。

ちなみにここでいう権利とは「決議兼・利益分配を受ける権利・残余財産の分配」といった権利のことです。

MBOによる上場廃止のメリット

 

では、MBOによる上場廃止にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

経営の舵取りがしやすくなる

1つは、株式を多く保有している人物が経営の舵をとることになりますので、経営が進めやすくなるというメリットがあります。

経営再建や立て直しを図る際、経営者陣にて迅速に再生方針を決定し実行することが可能になるでしょう。

上場継続に必要なコストをカット

上場を継続するには四半期ごとに決算を開示する必要があったり、監査法人への支払いが増えるなど、コストがかさみます。

もはや、上場廃止をしたほうがコストがかからないからという理由で上場廃止に踏み切るケースも少なくないほどです。

スムーズに事業承継ができる

また、会社を引き継ぐ後継者に困っていた場合でも、MBOで経営者陣にそのまま事業承継をすることができます。

スムーズな事業承継は、スムーズな経営方針の決定に繋がりますので、株主からも了承を得やすくなるでしょう。

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企業秘密の保持ができる

株主は、会社の保有者でもあるため、企業秘密とされる事項も共有しなければならないケースがあります。しかし、当然ながら情報を共有する人が多ければ多いほど情報漏洩のリスクは高まるものです。

しかし、MBOを行えば株主総会を行う必要がなくなり、企業秘密を情報開示する必要が亡くなるので、秘密の保持ができるでしょう。

MBO後に再上場する可能性は?

MBOを行うことはイコール「上場廃止」となるわけですが、再上場する可能性はあるのでしょうか。

ここからはMBOで一旦上場廃止になった企業が再上場をする条件を見ていきましょう。

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再上場する可能性はある

結論、MBOで上場廃止となった企業がその後再上場する可能性は大いにあります。というのも、MBOを行うにあたり、買い取りを行う社員が借り入れをするケースは良くあることです。この借り入れを返済し終えたタイミングで再上場をするケースが多いのです。

実際、2011年には半数以上が東証でのMBOが占めていました。その5~6年後にあたる2017年には、再上場を下企業が急増たことから、おそらく2011年にMBOをした企業が借り入れの返済が完了し、再上場をしたと考えられるのです。

再上場の企業は審査が厳しい?

一方で、再上場では通常の上場の審査よりも審査が重点的に行われ、厳しくなるとされています。

しかし、これにクリアし、再上場した企業が市場を活性化させる事が期待できるのです。実際には、2005年にファッションブランドの株式会社ワールドがMBO後、13年たってから再上場したことが話題になりました。現在は、雑貨屋からファッションブランドなど、多くの分野で活躍する企業となっています。

MBOを行う企業には税優遇も

このように、注目をあつめつつあるMBO、いわゆる「自社株買い」ですが、2020年10月に、政府より「自社株買いを行う企業に対する税優遇制度を検討している」というアナウンスがありました。

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これまでM&Aを行う上で必須であった計画認定がなくても、自社株買いの場合は税優遇制度が受けられるという事で、従来よりもスムーズに計画を進めることができるようになると期待されています。

また、納税負担が抑えられる事や、株式の下落を防ぐことができるなど、MBOを行う上でヘッジしておきたいリスクに効果的にアプローチする事ができるのも利点です。

自社株買いを行う企業に対する税優遇制度に関しては、下記のコラムにて詳しく解説していますので、ご参照ください。

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まとめ

本記事では、MBOに関する基礎知識と合わせて、上場廃止のメリットや再上場の可能性について言及してまいりました。

「上場廃止」と聞きますと、なんとなくネガティブなイメージを持ちがちですが、実は企業の戦略の1つとして受け入れられつつあるものです。実際に国としても「自社株買い」に対する支援策を積極的に打ち出していることから、今後MBOを実施したり、MBO実施後に再上場したりするケースは増えてくるのではないでしょうか。

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