M&A

M&Aで買い手がつきやすい企業や事業の特徴とは

M&Aで会社を売るとき、『買い手にどのような条件が好まれるのか』『買い手がつきやすいのはどのような事業なのか』という点が気になる方が多いでしょう。

当然企業や事業を売りに出すということは、買い手がつかなければ、売買が成立しないわけです。特に、新規事業への参入を急いでいる場合、事業拡大を狙っている場合など、できるだけ早く買い手があらわれてほしいと願っている場合も少なくないのではないでしょうか。

しかし、希望の条件を満たした買い手が現れない、そもそも買い手がつきにくいといった場合は、企業を売却するときの条件等に問題がある場合もあります。

そこで、本記事ではどんな企業や事業に買い手がつきやすいのかというところと、買い手が魅力に感じるM&Aの特徴や買い手に人気がある事業について解説してまいります。

特徴や市場などを知っておくだけで、M&Aが成功する可能性も高くなる場合がありますので是非参考にしてください。

M&Aで買い手が魅力に感じる企業の特徴

まずは、どのような会社に買い手がつきやすいのか、『買い手が魅力に感じるM&Aの特徴』を

①社内体制、②M&Aプロセス、③財務内容の三つの視点からそれぞれ解説していきます。

 

①社内体制

M&Aで買い手が必ずといってよいほど注目するのは社内体制です。具体的に言いますと、例えば、

・オーナー社長が抜けても業績に与える影響は限定的かどうか

・社内にノウハウが蓄積されているかどうか

・決算数字が信頼できコンプライアンス上の問題がないかどうか

・外部に信頼されている企業かどうか

などがあげられます。

特に社長がM&Aなどで企業や事業を譲渡し、経営を退いた後に売り上げや利益が大きく下がり会社の価値が大きく毀損されてしまうことを買い手企業は非常に懸念します。したがって理想的にはオーナー社長が経営から抜けてもあまり影響が出ない会社が買い手には好まれるということです。

また、社長が抜けてもそれなりに経営状態を保っていくには社内にノウハウが蓄積されていること、外部に信頼されていることなども重要となって来るでしょう。

②M&Aプロセス

M&Aにはいくつかの手法が存在します。大きく言えば税金がかからないもの、手続が煩雑でないものなど様々です。比較的手続がスムーズに行えて、取引に不安のない売り手企業に買い手がつきやすいと言えるでしょう。

そのためには

・適切なM&A手法を選択する

・適切な売却希望額の設定をする

・買い手からの質問は誠実かつ迅速に答える

・M&Aの交渉中も業績を維持しておく

ということが大切です。

特に、M&Aを急いでいる買い手にとってはスムーズに進められる株式譲渡等のM&Aの手法は魅力的に映るかもしれません。

また、M&A手法以外に興味を持ってもらいやすくするためには、少々高値で売りたいのをおさえて、相場等を調べ、適切な売却額を提示しておくことも大切です。

というのも、売却希望額が相場価格と比べてあまりにも高すぎると入口の段階で興味を持ってくれる会社が少なくなってしまう可能性があるからです。売り手は少しでも高く、買い手は少しでも安くで取引をしたいのが本音です。設定価格によっては信頼を失うことにもなりかねませんので、売却希望額はアドバイザーの助言を受けながら適切に設定するようにしましょう。

通常、M&Aの条件交渉は最初のアプローチから最終契約まで2~3か月の期間を要します。それまでの交渉の期間に、買い手の企業は様々な質問をしてくるかと思いますが、質問に関しては迅速かつ丁寧に答えることが、たとえそれがM&Aに不利な情報であっても信頼につながる可能性があるので誠実に返答するようにしましょう。また、交渉期間の間に売り上げが下がると印象が悪くなり、売却価格の減額、はたまたM&A自体が白紙になる可能性もあるので売り上げの維持等にも特に気を付けておくことが重要です。

③財務内容

最後、財務内容が良いということも買い手がつきやすい企業の特徴です。

例えば、

・売り上げや利益が成長中である、又は安定している会社

・自己資本比率が高く借入金が少ない

などがあげられ、当然赤字の企業よりも黒字の企業、借入金が多いよりも少ない企業のほうが買い手がつきやすくなります。

まれに、赤字の企業でもノウハウが蓄積されていたり、優秀な人材が在籍しているなどの理由から買い手がつく場合もありますが、基本的には上記の条件がそろっているほうが買い手に好まれます。

ただ、未上場の企業の場合生命保険や役員報酬などを多く支払うことで節税対策をしている場合もありますが、M&Aの場合は実質的な利益を見ますのでその部分は関係ありません。ちなみに借入金に関しては、一般に売上の30%以内に止めるべきであるとされてい余すが、仮に借入金があまりなくても自己資本比率が低すぎる企業は利払い負担の面から警戒されやすい可能性がありますので注意が必要です。

買い手に人気がある業界とは

ここまでに、M&Aで売り手企業を見つける際、はたまたM&Aの交渉をする際などに魅力に感じる企業の特徴について解説してきました。大まかに言えば上記のような企業であれば比較的買い手に興味をもってもらいやすい企業であるといえます。

しかしそうは言っても、人気な業界、そうでない業界があるのは事実です。

ここからは、特に買い手に人気のある業界について解説していきます。

・ストック型ビジネス

ストック型ビジネスとは、サービスや仕組み商品などを作ることにより、継続的に収益が入ってくるビジネススタイルです。つまり、収益がストックされている状態のビジネスとお考えいただければ分かりやすいでしょう。

代表されるビジネスとしては、携帯電話代、不動産賃貸、スポーツジム、エステ、サブスクリプションアプリなど、毎月の課金を要するものなどがあります。

 

こうしたビジネススタイルについてはある程度毎月の収益が見込まれているのと、M&Aを行った後も経営が安定しやすいというメリットがあるため人気な業態の1つです。

・成長中のビジネス

こちらはいうまでもありませんが現在成長中のビジネスもM&Aでは人気の業界です。例えば、最先端テクノロジーを扱う事業、SNS動画市場などは特に現在急成長中であると言えるのではないでしょうか。

最近ではYoutuberが1つの職業としても認められ始めている中、ビジネスとして動画配信を試みるなど、伸びる市場に参入したいという異業種からも買い手がつきやすいというメリットがあります。

・寡占化が進んでいないビジネス

また、食品スーパーなどの寡占化が進んでいない市場についても、シェア拡大を狙う同業他社からの買い意欲が強くなっています。

 

シェア拡大を目的とした同業他社から、買い手の依頼が来た場合はシナジー効果が見込めるのか、今後どのようにシェア拡大をしていくのかなど、その後のプロセスも交渉の時点で明確にしておくと、成功率が上がるはずです。

・許認可が必要なビジネス

最後は許認可が必要なビジネスです。M&Aでは、株式譲渡など事業の中の契約関係を包括して承継できる手法の場合、売り手が持っている事業の許認可を引き継ぐことができます。

許認可によっては条件が厳しく取得に時間がかかるものもあるため、許認可が必要な事業は買い手がつきやすくなる可能性があります。許認可が必要なビジネスを売る場合は、許認可も包括して引き継ぐことができるM&Aの手法を選択しておくことで、興味を持ってもらいやすくすることができる場合もありますので、手法を選択する際も意識してみると良いでしょう。

逆に売れにくいM&Aの特徴とは?

逆に、売れにく企業や、事業、M&Aはどのようなモノかといわれれば、これまでに解説したきた特徴の逆の特徴を持った企業といえます。

具体的には下記の条件をすべて満たしてしまうと、売れる可能性が極めて低くなってしまいますので注意が必要です。

 

・3期連続で営業利益が赤字である。又は直近の売り上げが落ち込み、改善の見込みがない

・借入金が多額であり、弁済のために新たな借入を繰り返している

・粉飾決算を繰り返している

・経理がいい加減で正確な内容がわからない

・労使紛争、多額の裏保証、賠償金などの簿外債務が存在する

・業界自体が縮小しており、買い手先とのシナジー効果が見込めない

・取引先や従業員からの信頼が希薄

・突出した長所がない、ノウハウがない

要は、会社として信頼ができるのか、シナジー効果が見込めるのかといったところがM&Aにおいて買い手が最も重要視する部分であると言えるでしょう。

仮に、買い手が現れM&Aの交渉を行っていたとしても、その中でデューデリジェンスによって簿外債務等が明らかになる場合もあります。簿外債務がある場合はこちらからあらかじめその旨を伝えるようにすることも信頼を得るという面では重要です。

まとめ

本記事で、M&Aで買い手が魅力に感じる企業や、人気がある業界、逆に売れにくいM&Aについて解説いたしました。

ともあれ、M&Aは買い手と売り手の交渉の上で成立するものです。もちろん売れやすい条件を揃える、売れにくい条件を取り除く、ということは大切ですが、信頼できる企業であるかどうかというところがまずは最も重要な部分になるといえるのではないでしょうか。

希望価額にしても、借入金にしてもプロセスにしても最初から信頼できる誠実な内容を提示しておくことが大切です。

というのも、仮に、シナジー効果が見込めそうなので取引をしよう!といった買い手が現れたところで、交渉中に信頼を失ってしまえばそのM&Aは失敗に終わることになります。

M&Aには買い手がつくだけでは成功とはなりません。買い手に事業や企業を買ってもらい、なおかつその後、買い手も売り手も望んだような結果になって初めてM&Aが成功したとなるわけです。

正確な数字を開示し、誠実かつ迅速に対応していくことで、買い手がつきやすくなり、ひいてはM&Aを成功に導き易くなるといえるでしょう。

M&Aで会社を売りたいとお考えの方は是非DX承継くんのお問合せ窓口までご連絡ください。

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