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中小企業の人手不足はM&Aや売却で解消なるか?

新型コロナウイルスの影響で、新規の採用を中止している企業が多くあります。しかしそれと比例して『人手不足』という深刻な問題を抱えている中小企業があるのも、矛盾しているように見えながら否定できない事実の1つです。

これだけを聞くと、『足りないなら、採用を再開すればよいのでは?』『求職者は山ほどいるのに』と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし人を雇うだけの体力が企業に残っているのであれば雇うでしょうし、求人を出して人手不足が解消されるのであればどの企業も求人を出すでしょう。それでも社会情勢や企業内の問題など様々な問題が相まって、『人手不足』が社会問題と化しているのが現状です。

そこで本記事では、中小企業の人手不足の要因から、人手不足解消に有効的な手段までを徹底解説してまいります。

中小企業の人手不足の現状

まずは、中小企業の人手不足の現状がどのくらいのものなのかというところから解説していきましょう。

中小企業の過半数以上が人手不足を認識

2020年7月の帝国データバンクの調査によりますと、正社員が不足していると認識している企業は30.4%に上るという結果が出ています。これは前回調査と比べて18.1ポイント減とよい傾向になっているように見えますが、決してそうではありません。2018年の時点で51.1%と過半数を越えた企業が正社員の人手不足を認識しており、年々高水準を保っておりました。

(出典:https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p200805.html)

ここにきて、ようやく人手不足も解消されつつあるように見えますが、実は数字を左右した要因として、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言の影響で、営業自粛等を余儀なくされた飲食店や宿泊施設が『人手過剰』と回答したというのがあげられます。

そのため、もともと足りなかった人手を、緊急事態宣言等の影響で更に最小限に抑えてしまったことで、今後はその反動でさらなる人手不足を起しかねないということが予想されるわけです。

人手不足による倒産も社会問題化

更には、2018年6月の財経新聞によると、日本の中小企業における倒産の主な要因は『人手不足』と『後継者不足』とされています。後継者不足については以前のコラムでも解説いたしましたので、下記の記事をご覧ください。

後継者不足の解決策でM&Aを実施するメリットについて徹底解説

人手不足に関しては、人件費増加など、コスト負担を引き起こしていることや、有効求人倍率の上昇などによる人員確保のむずかしさなどが要因としてあげられます。

特に人件費のコスト負担という面では、新型コロナウイルスの感染拡大の件で更に顕著化し、コストカットのためにリストラをせざるを得なかったものの、結局は人手が足りず業務が思うように進まなかったことで倒産に至ったというケースもあるようです。

中小企業の人手不足の要因

中小企業の人手不足の要因としては、下記の3つがあげられます。

・労働者人口の減少

・企業体力の低下

・求人と求職者の条件が一致していない

ここからは上記の理由について、それぞれ解説していきます。

労働人口の減少

1つは、人口減少に伴う労働人口の減少があげられます。総務省統計局の調査によれば、2018年8月時点での日本の人口は1億2649万人であるとされ、下記のグラフを見ると、ここ10年で減少の一途を辿っていることが一目瞭然です。

人口減少は当然ながら労働人口の減少にも繋がりますし、ただでさえ人口が少なくなっているのにも関わらず、少子高齢化の影響でそもそも働ける年齢層の人々が少ないという要因もあげられます。

企業体力の低下

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、売上を落とした企業や倒産した企業は数知れませんが、それよりも前から、企業の体力がなかったことで採用や経営が上手くいっていないという事も要因の1つとしてあげられるでしょう。

中にはノウハウを持った従業員が退職してしまったり、他の企業に転職をしてしまったりという事もあるでしょうし、経営が上手くいっていないことで新卒の採用がままならなかったということもあるかもしれません。

求人と求職者の条件が一致していない

外的要因、企業内部の問題にだけでなく、そもそも求人情報と求職者の条件が一致せずになかなか人が採用できないということもあります。

というのも、近年では子供のいる家庭でも共働きというのが普通になりつつありますし、国からの働き方改革の促進により、求職者が求める条件も多様化してきました。中には、新型コロナウイルスの影響で、在宅ワークやリモートワークを条件とする方も増えてきたことでしょう。

それだけでなく、最近は採用手法もSNSの活用によるソーシャルリクルーティングに加え、ダイレクトリクルーティングなどを導入する企業も増えてきています。求職者の求める条件を取り揃えた経営体制ができていないのはもちろん、採用手法までを現代にあわせて最適化できていないのも、人手不足が解決しない要因です。

中小企業が人手不足の解消のためにすべきこと

中小企業が人手不足の解消のために、DX承継くんがおすすめする対策方法は下記のたったの3つです。

職場環境のチェックを

まずは、職場環境の最適化を図るため、抜かりないチェックを行いましょう。労働時間は過剰ではないか、人間関係やキャリアに関する悩みはないか、待遇に不満はないかなど、定期的に面談を行うだけでも、既存社員の満足度は変わってきます。

また、業務の最適化を行うことができれば、無駄を省くことができ、コスト削減や生産性向上が実現し、そもそも人を採用する企業体力が戻ってくる可能性もあります。

特に、従業員の満足度をあげることができれば、内部の人間からのよい口コミが拡散され、信用できる情報が他社に届くことで、新規の採用も行いやすくなるでしょう。

働き方改革の実現

労働人口は少なくなっていると申し上げましたが、実際は以前よりも共働きの家庭も増えていることから、女性や高齢者が仕事を求めている可能性もあります。

そういった層に目を向け、女性や高齢者が働きやすいような触媒環境作り、いわゆる働き方改革を実現すれば、潜在層の『優秀な人材』を確保することに繋がるかもしれません。

要は、働き方改革を実現することで、これまでにアプローチできなかった層をターゲットに採用活動を行っていくことができるようになるということです。

デジタルトランスフォーメーションの実現

また、人という方法ではなく、近年話題に上りつつある『デジタルトランスフォーメーション(DX)』を実現することで、デジタルを活用し、人手不足を間接的に解消する方法もあります。

DXとは?これからの企業に求められるデジタル化について

これがどういうことかというと、簡単に言えば、人が行う作業等をデジタル化するなど、デジタルに任せられる作業は任せてしまうということです。デジタルトランスフォーメーションは企業が今後生き残っていく上で非常に重要なキーポイントとなり、一部では、今後デジタルトランスフォーメーションを実施しない企業は、淘汰される時代になるとも言われているほどです。

実際に分かりやすい例でいえば、新型コロナウイルスが感染拡大したことで、ZOOM面接等をすぐに実施した企業については、これまでよりも採用コストを抑えつつ、これまで通りの採用活動を行うことができていました。しかし、Webを利用した採用活動が行えなかった企業は、この間、ずっと採用活動が止まってしまっていたのです。

今後は、採用活動のみならず業務負荷のかかっているぶぶんから徐々にデジタルシステムを導入していくことで、人件費削減とともに人手不足の解消にもつなげることができるようになるかもしれません。

人手不足解消において有効的なM&Aという手段

とはいえ、どうしても自社内ではすでに体力を失っており職場環境の最適化もままならず、採用活動でさえもぎりぎりだという企業もあるかもしれません。

そこで人手不足の解消に有効的なのがM&Aという手段です。M&Aがどういうことかという説明については、下記の記事で詳しく解説しておりますので割愛しますが、要は自社のすべてまたは一部を他の企業に売り渡すことで事業を拡大したり、人手を拡充したりする方法と思っていただければ分かりやすいでしょう。

M&Aって何?手続きの流れ、メリット・デメリットを一挙公開!

何故M&Aが有効的なのか

何故人手不足の解消にM&Aが有効的なのかというと、その理由としては、

①他企業のノウハウを獲得できる

②人手を一気に増やすことができる

③勢いのある企業と合併することでシナジーが得られる

などがあげられます。

シナジー効果とは、M&Aで最も重要!シナジー効果が期待できるM&Aの特徴と発生させるポイント

そもそも、人手が不足し、新型コロナウイルスの影響で廃業寸前だという企業も他企業のノウハウや、アイディアを取り入れることで、経営を巻き返すことができる可能性があります。また、もちろん他企業と1つの企業になるわけですから、人手を一気に増やすことができます。

勢いのある企業と合併することができれば、つられて勢いを取り戻すなどシナジーを得ることも期待できるでしょう。また、先ほど解消のための方法としてデジタルトランスフォーメーションをあげましたが、デジタルに特化した企業、デジタル技術に強い事業に買い取ってもらうことで、デジタルに関するノウハウを獲得できれば、デジタルトランスフォーメーションを実施することも可能かもしれません。

こうしたことから、人手不足による理由だけでなく、経営不振で廃業寸前だった企業でも、廃業ではなくM&Aを行って他社に事業を売り渡たしたことで、事業をまきかえした例も多くあります。

人手不足の企業が売れる要素は?

とはいえ、M&Aの売り手案件として売りに出れば必ずしも買い手がつくわけではありません。人手不足の企業でも買い手がつきやすい要素としては、

①大きな赤字を抱えていない

②該当企業にしかないノウハウがある

③成長性がある

などがあげられます。

特に、成長性がなければ、シナジー効果が得られないとみなされ買い手がつかない可能性があるので、企業を売ろうと思ったときにはどんな魅力があるのか、どんな企業とM&Aをすれば人手不足が解消でき、かつ今いる従業員のノウハウを更に活かすことができるのか、成長させることができるのかという点に重点をおいて検討するとよいのではないでしょうか。

M&Aで買い手がつきやすい企業や事業の特徴とは

まとめ

本記事では、中小企業の人手不足の現状と解消法、そして、人手不足の解消法に有効的なM&Aという手法について解説いたしました。

新型コロナウイルスの影響で、廃業を余儀なくされた企業も多くありますし、人件費のコストカットをしたことでさらに人手不足が深刻化してしまったという企業も沢山あります。終息が見えないコロナ禍において、どのように生き残っていくのかというのが今後企業が考えていくべき点になるのではないでしょうか。

DX承継くんではM&AやM&Aによる人手不足解消などのお困りごとのご相談を随時無料で承っております。ご相談のある方は是非下記のお問い合わせ窓口からお気軽にご相談ください。

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