M&Aで失敗しない、会社の買い方

M&Aで会社を買い、新しい事業に挑戦したり、オーナー社長となって会社を経営しようと考えている方は近年増えてきているのではないでしょうか。しかし、M&Aで会社を買う場合は、大きなお金が動くということもあり、入念な調査と、抜け目ないプロセスを作成しておかなければ、失敗してしまう可能性ももちろんあります

せっかくの未来を見据えた行動が、失敗に終わってしまっては意味がありません。

そこで本記事では、買い手側が知っておくべき、M&Aで失敗しない会社の買い方をご紹介してまいります。M&Aで会社を買いたいと考えている方、これまで失敗を恐れてM&Aに踏み込めなかったという方も是非参考にしてみてください。

お問い合わせはこちらまで

買い手側が成功するM&Aの条件

日本におけるM&Aの実施件数は増えてきているものの、実際のM&Aの成功率は現状2割程度であると言われています。日本経済新聞の記事によると、日本企業の海外買収の成功率は1〜2割程度、海外企業同士の場合も5割程度なのです。

しかし、成功しているM&Aがあるということは、成功した要因を明らかにすればもちろん成功率を引き上げることも可能になるでしょう。ここからは、買い手側がM&Aに成功するための条件について解説していきます。

新規事業参入のためのM&Aである場合

新規事業への参入のためのM&Aを成功させるには『自社に必要な事業を持っている他社から事業や企業を買収する』ということが大切です。

M&Aによる新規事業への参入のためのM&Aの狙いは、多くの場合が『リスクの分散』なのではないでしょうか。企業の中で色々な事業を手掛けることで、1つの事業がうまくいかなくなっても、企業全体としてはそれほど大きなリスクにならないからです。逆にある人つの事業しか行っていない場合は、その事業がうまくいかなくなると最悪の場合倒産や廃業となってしまう可能性もあります。

ただ、新しい事業を始めようとすると、それには人材の確保であったり、専門的知識や技術を持った人材の採用、機材の導入等が必要になり、多大な時間とコストがかかってしまいます。

そこでM&Aによって、自社に必要な事業を持っている他社から事業や企業を買収することで、新規事業へ参入できるとともに自社の倒産リスクや廃業リスクを免れる可能性が高くなり、結果的にM&Aに成功できる可能性が高くなります。

相互補完のためのM&Aである場合

また、自社の既存事業と同様の事業を行っている他社から事業や企業を買い取る、相互補完のためのM&Aである場合は、取引先などのネットワーク網など『自社よりも優れている部分があるか』という点を条件に買収先を選ぶことが大切です。

M&Aで買い手が関連事業を買う場合の主な狙いは、企業同士が協力しないと成功しえない事業を協力して行うことで得られる相乗効果、いわゆるシナジー効果の獲得するためです。

実際、自社がすでに持っている顧客や取引先とのネットワークを持った企業を買収しても、当然意味がありません。

自社が持っていない、相手の良いところを把握し、それらが自社に必要であるモノとマッチングする企業を買収することで、相互補完が成り立ち、結果的に事業のシェア拡大や販路拡大などを行うことができるようになります。

ビジョンを明確にすること

上記に新規事業に参入する場合と、相互補完のためにM&Aを行う場合でM&Aを成功させる条件について解説しましたが、どちらにも同じようにいえるのは、『企業のビジョンを明確にしたM&Aを行うこと』です。

新規事業参入にしろ、相互補完にしろ、会社が会社を買うことで今後、買い手の会社はどのように成長していきたいのか、どのような未来を描いているのかを明確にする必要があります。また、それらを従業員等にも開示し、買収の前に事前の同意を得ることも大切です。

というのも、M&Aで事業の買収等を行って売り手側の企業から新しい従業員が参入してきた際、それを受け入れられない社員がいた場合、売り手側から異動してきた社員が辞職してしまう可能性もあるためです。そうなってしまうと、優秀な人材が抜けてしまえばM&Aは失敗に終わってしまいます。

ビジョンやプロセスを明確にしてM&Aを行うことは何よりも大切な成功のための条件といえるでしょう。また、それらをしっかりと可視化するためにも専門家への相談も必須です。

デューデリジェンスの調査方法や意味とは?

買い手がM&Aで見るべきポイント

ここまでは、買い手側がM&Aに成功する条件について解説してきました。上記に解説した条件以外にも、買い手側がM&Aを行う際に、売り手側企業に対して確認しておくべきことや、見ておくべきポイントなどはたくさんあります。

逆にいうと、先ほどの条件とこれから解説するポイントを抑えておくことで、M&Aの成功率をあげることもできるかもしれません。

事業シナジーが見込めるか

まずは、事業シナジーが見込めるかという点です。前述にもありますが、売り手側の企業の良いところ、悪いところを把握した上で、『この会社を買うことでどのような効果が得られるのか』ということを確認しなければなりません。

とはいえ、事業シナジーが見込めるかどうかなど、M&A成立段階では未来のことは誰も予測できません。それでも、市場調査やその売り手の会社の力をできるだけ分析することは可でシナジー効果の予測を予めしておくことは可能です。シナジー効果の期待しすぎで多額の投資をしてしまわないよう、しっかりと調査を行っておきましょう。

社風や企業文化は合うのか

また、買い手の企業は、売り手の企業から事業などを買収することで、売り手側の企業から従業員を迎え入れることになるわけです。

社風や企業文化が合わない場合は、売り手側の企業からの従業員はもちろんのこと、既存社員の離職を招くことにもなりかねませんので、事業や企業としてのメリットデメリットだけでなく、社員の居心地等にも配慮して検討する必要があります。

自社の身の丈に合っているか

M&Aに成功するには、自社の身の丈に合った企業を買収することも重要なポイントです。というのも、極論でいいますと地域の中小企業が高額なお金を出して大企業から超一流の事業を買い取ることができたとしましょう。

買収後、買い取った事業だけがうまくいってしまい、他の事業が全く機能しなくなってしまうという可能性もあるかもしれません。自社に必要な事業を選択するときは、『この事業があることで、他の既存の事業にも良い効果をもたらす可能性がある事業』を選択するのも1つの戦略です。

契約書等に曖昧な部分はないかの確認

契約書が曖昧だったことで、M&Aが失敗するパターンもあります。売り手・買い手ともに、契約書は入念に作成しなければなりません

後々トラブルに発展し内容にするためにも、条件については第三者が読んでも分かる様に記載をしておく必要があります。

というのも、万が一何かトラブルがあって裁判に発展した際、判決は当然契約書に基づいて判断されるわけです。自社を守るはずの契約書があいまいであれば裁判で思わぬ判決を下される可能性もある、重要かつリスクのあるものですから、しっかりと確認をしておきましょう。契約書関係は専門家の知識を借りなければ、あいまいな部分に気が付くことができないまま成立してしまう可能性もありますので、そのためにもM&Aの専門家への相談は必須です。

お問い合わせはこちらまで

買い取った後にかかってくる資金も考慮が必要

上記のポイント等を抑え、無事にM&Aが完了して支払い等を済ませても、それで終了ということではありません。

買い取った後は、事業を存続させていったり成長させていなければM&Aが成功したとは言い切れないのです。その後の資金繰りも買収前より大変になってしまう可能性もあります。

 

M&Aで会社を買い取った後にかかってくる資金は主に下記の2種類です。

・追加投資資金、運転資金 (税金なども含む)

・借入金 (買収資金) 元利支払い

債務等を受け継いだ場合はそれらの返済もそのまま受け継がれる可能性もありますので、赤字企業等を買収する際はもちろん、債務等の確認も合わせて当面の資金繰の計算を行っておきましょう。

M&Aでよくある失敗パターン10選

では、最後にM&Aでよくある失敗のパターン10選をご紹介していきます。M&Aを検討されている方、M&Aを今後行う予定のある方は、失敗のパターンを認識しておくことで、事前にミスを防ぐことができる可能性もあります。

ここからご紹介する失敗パターンを心得て、M&Aで会社を買う際に失敗しないよう、参考にしてください。

①M&Aの専門家選びを間違えた

1つは、M&Aの専門家選びを間違えたというパターンです。M&Aで会社を買う際はもちろん、会社を売る際も、しばしば『専門家への相談が必須』とアナウンスされています。しかしながら、M&Aの専門家と一言に言っても、金融機関・弁護士などの士業、M&Aの仲介業者、ファイナンシャルアドバイザーなど所属によって特性があります。

例えば、M&Aの仲介業者は条件に合った売り手を探してくれるところから、書類作成、統合までのすべてのプロセスの面倒を見てくれますが、金融機関は費用の融資などを行うのが目的であるわけです。専門分野外のことはアドバイスを受けられない可能性もあるので、M&Aの専門家を選ぶ際は、専門分野はどの分野なのか、どのようなことをサポートしてくれるのか、実績はどのくらいあるのかなどを検討材料にして選択すると良いでしょう。

②売り手企業がM&A進行中大幅に業績悪化した

また、M&Aの進行中に、売り手の起業の業績が大幅に悪化してM&Aが白紙になり、失敗に終わってしまうというパターンも考えられます。しかし、この場合は、契約が締結した後、『あとは引き渡すだけ』というときに大幅な業績悪化となるよりも、進行中であれば取引自体を取りやめすることもできるので、まだリスクが少ないとも言えます。

③M&Aのプロセスが曖昧だった

M&Aで会社を買う際はM&Aをする目的、M&Aを行ったあとの方向性の明確化などをきちんと行っていなければ、無駄に終わってしまう可能性もあります。もっとも、M&Aで会社を買収するとなりますと、当然多額の資金が必要になってくるわけです。仮に、周りの口車に乗せられて新しい事業を買ったとしたら、M&Aのプロセスが曖昧で失敗に終わり、巨額の借金を抱え込んでしまうことにもなりかねません。

事業の拡大だけではなく、新規事業への参入時は特に入念にプロセスを構築しておかなければ失敗する可能性も高くなりますので注意しましょう。

④デューデリジェンスが不足していた

M&Aで会社を買う際、買い手側は必ず『デューデリジェンス』とよばれる事前調査を行わなければなりません。しかし、デューデリジェンスをしっかりと行わなければ隠れている借金、簿外債務などがある可能性もあり、ひいては裁判所から突然通達が来るリスクもあることから、これらが後々明るみになると、買収後に多額の借金を抱えてしまうことになります。ですので、M&Aで会社を買う際は入念なデューデリジェンスを行い、隅々まで売り手企業について調べておく必要があるということです。

⑤シナジー効果を期待しすぎた

M&Aを行う目的として、売り手側、買い手側双方がシナジー効果を得ることとしている場合がよくあります。シナジー効果というのは双方の企業が合わさることで得られる相乗効果のことです。シナジー効果を目的としたM&AではM&Aの交渉の時点で、相手企業の持っていないものと、自社の持っているものをかけ合わせると、こんな効果が得られるだろうと、予測します。

しかし、その予測の期待値が高すぎたがゆえに、期待したシナジー効果を得られず失敗に終わってしまうパターンも考えられます。

⑥売り手企業の選択を間違えた

また、売り手企業の選択を間違えたという場合もM&Aの失敗パターンの1つとして考えられるでしょう。というのも、M&Aで会社を買うとき、当然自社に今あるもの、必要なもの、取り入れてその後どうするのかというプロセスを明確にしておかねばなりません。また、個人で会社を買う際も同様です。売り手企業の選択を間違えないためにも、プロセスを構築しておくということはもちろんのこと、これだけはゆずれないという『条件』を1つや2つ持っておくのも戦略の1つと言えます。

⑦売り手企業の従業員が退社してしまった

M&Aでせっかく従業員の譲渡ができる契約の取り決めをしても、該当する従業員が買収後の待遇が気に入らず、退社してしまう可能性があります。優秀な人材を確保するのを目的としてM&Aが行われる場合もありますので、人材が一気に退社してしまうと、必要なノウハウが抜けてしまい、業績悪化となってしまう可能性もあります。

ですので、契約の際は買収金額と同じくらいに従業員の待遇面について売り手側の企業と入念に話合う必要があると思っていてください。

⑧契約書が曖昧だった

M&Aは、売り手側、買い手側双方との契約に基づいて成立するものであり、その契約には契約書が伴ってきます。それゆえ、契約や、契約書の内容が曖昧ですと後々トラブルに発展する可能性もありますので、契約書については入念に作成し、抜け目なくチェックする必要があるのです。

というのも、例えば事業譲渡の場合ですと、譲渡される契約、譲渡されない契約を双方でとりきめるため、売り手側のプラスの財産もマイナスの財産も包括して譲渡されるわけではありません。要は、『Aの不動産は譲渡対象』と思っていたのに譲渡対象ではなかったということが起こりかねないということです。

譲渡対象など、M&Aの契約における条件は第三者が読んでも理解できるよう、記載しておく必要があります。

⑨売り手企業の取引先から反発を受けた

国内の企業のうち90%以上が中小企業である日本にとって、取引先と企業の関係は非常に深くなっている可能性もあります。ということは、『今の会社だから取引先として付き合っていっている』という取引先もあるかもしれないということです。その場合、買収されて新しい企業とのやり取りになるのであれば、契約を打ち切りたいといわれる可能性もあります。

この場合、買収後に事業がうまく行かず、シナジー効果も発揮できないという結果になることもあります。

⑩M&A検討中ということが外部に漏れた

基本的に売り手の企業はM&Aの検討中であることを外部にあまり伝えません。というのも、『あの企業が買収されるのは、経営が傾いているからだ』とのうわさが流れてしまったり、働いている社員も『倒産するかもしれない』と離職する可能性もあるなど、マイナスなイメージを持たれることが多いからです。

しかし、売り手の企業がM&Aの検討中であることがばれてしまい、交渉途中で契約が破棄になってしまう可能性もありますので、一部の人以外に情報が漏洩しないよう、最新の注意を払う必要があります。また、売り手企業、買い手企業どちらもM&Aの専門家の助言を得ながら、秘密保持契約書を結んで置くと安心です。

まとめ

本記事では、買い手企業に向けた、M&Aで会社を買うときに失敗しないヒケツの解説を行いました。

買い手がM&Aで成功するために必要なことをまとめると、

プロセスやビジョンの明確化と、相手側企業に対する入念なデューデリジェンスです。ただ、専門家の助言をなくしてM&Aを行うとなると、確認すべき重要事項が抜けていたり、相手企業に隙をとられたりして、結果的にM&Aが失敗に終わってしまうケースも多くあります。

M&Aで会社を買収するということは、当然大きなお金が動くことになるわけです。多額の投資をしてM&Aを失敗に終わらせないためにもM&Aでは専門家への相談が必須であるといえるでしょう。

会社を買いたいけど、M&Aに失敗しないか不安であるという方、専門家へ相談したいという方は是非DX承継くんのお問合せ窓口までご相談ください。

お問い合わせはこちらまで

 

おすすめの記事