M&Aに関する税制まとめ M&Aで税金対策はできる?

M&Aで会社売却を検討している場合、M&Aで得た収益はできるだけ自身のお手元に残るようにしたいと考えるものです。しかし、M&Aの方法によっては課税対象となるもの、ならないものがあったり、はたまた消費税まで課税される取引もあります。ですのでM&Aを行う際はしっかりと、取引にかかる税金の種類と、いくらくらいかかるかなどの計算もしておかなければなりません。

そこで本記事では、M&Aにおける税金のすべてについて解説してまいりますので、M&Aで会社を売ろうとした時に、発生するであろう税金について不安を覚えていた方は是非参考にしてください。

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M&Aで税金が発生する場合

M&Aなどの事業承継で、課税される税金は、主に『相続税』『贈与税』『所得税』『消費税』などです。しかし、M&Aの中でも、税金が発生する取引と1部の税金が発生しない取引があるのを御存知でしたでしょうか。まずここからは、M&Aにおいて税金が発生する取引についてご説明いたします。

M&Aでは売却益は基本的に課税対象

基本的に、何かをしてお金を稼いだら、その稼いだ分に税金が発生し、個人であれば所得税、法人であれば法人税というように課税されます。つまり、何か利益を得れば、それはつねに課税の対象であるということです。

もちろんこれはM&Aで利益を得た場合も同様で、M&Aの売却駅によては高額な税金が課税される場合もあります。

しかし、M&Aでも親族や社内の人に承継させるケースであれば、相続や贈与という扱いになりますので基本的に所得税はかかりません。というのも、親族や従業員会社を引き継ぐ場合は会社の規模によっては相続税や贈与税が免除となる事業承継税制や存続時精算課税制度を利用して節税を行うことができる可能性があるからです。

消費税が課税される取引、されない取引

主にM&Aで課税される税金は上記で解説した、『相続税』『贈与税』『所得税』『消費税』ですが、M&Aの中でも、消費税の課税対象となる取引とそうではない取引があります。

 ①消費税が課税される取引

消費税が課税される取引は基本的に事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等の取引です。代表的な取引で言いますと、事業譲渡があげられます。というのも事業譲渡は『事業』という会社の資産・負債・人材・ブランドといった財産を、M&Aによって売買する行為と認識されるため、令和2年時点で10%の消費税が課税されることになるからです。

つまり基本的には、事業(資産)の中に『課税資産』が含まれていると考えられる場合、消費税が発生するということになります。

 ②消費税が課税されない取引

一方、消費税が課税されない取引というのは、基本的に『消費税課税対象の取引以外』と考えて結構です。消費税が課税される取引というのは、前述にもあるように『資産』の譲渡等の取引ですので、贈与や寄付、出資は消費税課税の対象外となります。

ただし、株式の取引などの場合は、株式の消費を目的とする取引ではないので、消費税はかかりません。

M&Aの手法別の税金について

ここまでは基本的知識として、課税対象のM&Aと対象外の取引があること、M&Aの手法によっては消費税の課税があるということについて解説いたしました。

ここからは、M&Aの手法別にかかってくる税金をまとめてそれぞれ解説していきます。税金の有無等で売却額を変更したり、M&Aの手法自体を変更したりするケースもあるかと思いますので是非参考にしてください。

株式譲渡で発生する税金

株式譲渡にかかってくる税金は、対象の企業が上場企業なのか、非上場企業なのかで変わってきます。

①上場企業の場合

源泉徴収税率:20.315%

内訳:所得税および復興特別所得税15.315%、住民税5%

②非上場企業の場合

源泉徴収税率:20.42%

内訳:所得税および復興特別所得税20.42%、住民税なし

③法人株主の場合

源泉徴収税率:30~40%

事業譲渡で発生する税金

続いて、事業譲渡で課税される税金は、法人税と消費税の2種類です。

計算式:法人税等の税金30~40%を加味した譲渡価格 × 消費税10%

法人税等の課税対象となるのは、譲渡する資産だけでなく負債も対象となりますので注意して計算しましょう。

会社合併で発生する税金

M&Aの中でも特に税金に注意しておきたいのが会社合併です。というのも会社合併は税金が非常に高額に発生する場合もあれば、全く税金が発生しないという場合に分かれるからです。

 ①税が発生しない合併

存続会社と消滅会社の賃借対照表が単純に合算される『税制適格合併』であれば、存続会社、消滅会社共に税金は発生しません。当然株主にも税金が発生しないと考えていただいて結構です。つまり、税制適格合併の場合は法人税や所得税などが誰にも発生しないということになります。

 ②税が発生する合併

前述に、『資産』の譲渡であれば基本的に税が発生すると申し上げましたが、その通りに会社合併における消滅会社では、消滅会社株主が受け取る『合併対価の額』と『貸借対照表上の純資産額(簿価)』の差額が「事業譲渡益」となり、課税されることになります。この税金は合併後に存続会社が申告・納付しなければなりません。

また、こうした『非適格合併』では、税金の計算が単純計算ではなく『循環計算』とよばれる特殊な計算方法を用いなければなりませんので会社合併で、思わぬ多額の税金を支払うことにならないよう、専門家への相談は必須です。

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第三者割当増資に発生する税金

第三者割当増資というのは、先ほど解説した『株式譲渡』とともに『資本提携』の1種とされるものです。

株式譲渡では、所得税等の税が課税されるものの、第三者割当増資では売買ではなく増資なので、パートナー企業から受け入れる資金は会社に入り、譲渡損益は生じないため、課税されることはありません。

M&Aでなるべく節税するためのポイント

上記に解説した税金が発生した場合、個人であれば確定申告のタイミングで、法人であれば原則としてその法人の決算期から2か月以内に支払わなければなりません。このように、M&Aにおける税金は、何か物を買ったときに発生する消費税のように、その時に同時に支払うのではなく、後々請求されるものですので払えないといったことがないよう、対策をしておく必要があります。また、そもそもM&Aの時点で節税をするための対策等も検討して置かなければならないでしょう。

ここからは、少しでも売却益を残すために考えておきたいM&Aの節税対策について解説してまいります。

売却益を小さくする

まず、個人にしても、法人にしても売却益に税率を乗じて税額が計算されますので、売却益が小さければ小さいほど最終的に課税される税額は小さくなります。

売却益というのは、売却価格から取得費や譲渡費用を控除した金額となりますので、取得費や譲渡費用を大きくすれば、売却益は小さくすることができます。

 

課税対象ではない取引を選択する

当然ながら、課税対象ではない取引を選択すれば、節税を簡単に行うことが可能です。特に会社合併では、税制適格合併ですと消滅会社にも存続会社にも一切税金が発生することはありませんので、会社合併を検討している方は、『税制適格合併』に該当するのかしないのかきちんと検討しておく必要があるでしょう。

逆に、税制適格合併ではない場合は多額の税金が発生する可能性がありますので十分に注意が必要です。

退職金による節税

M&Aで事業承継をして経営からリタイアするオーナー社長の場合は、受け取る金額の一部を退職金とすることで節税が可能です。ただ、あまりにも大きい金額を退職金とすると手元に残る金額が少なくなってしまいますので、節税効果を狙う場合は、時間をかけて少しずつ会社から受け取るようにしましょう。

まとめ

本記事ではM&Aに関する税金、節税対策までをご紹介いたしました。特に事業承継をして経営から退き、売却益で老後を過ごそうと考えているオーナー社長は少しでもご自身の手元に財産が残るように考えたいところでしょう。

M&Aの手法によっては、多額の税金が発生したり、専門家の知識を借りずに進めてしまうと節税できるところができていなかったりなど、損をしてしまう可能性もあります。

M&Aにおいて、契約から税の管理まですべての行程を自社で取りまとめるのは困難です。会社を売りたいと考えている方は是非、DX承継くんまでご相談ください。

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