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不動産目的のM&Aがコロナ禍で拡大中。目的やメリットは?

不動産は、不労所得の実現にも有効的でコロナ禍で収入が安定しない方が多いなか、特に注目を集めています。

そして最近では、M&Aのなかでも不動産の取得を目的とした取引が目立ってきました。

今回は譲渡側、譲受側両社における不動産目的のM&Aと、通常のM&Aの違いや、コロナ禍でそれが広がる理由は何なのかという点について解説していきましょう。

不動産目的のM&Aとは?

そもそも、不動産目的のM&Aがどういったものなのか、通常のM&Aとの違いは何なのかという部分から解説していきます。

保有不動産の取得を目的としたM&A

不動産目的のM&Aとは、その名の通り、相手企業の保有不動産の取得を目的としたM&Aのことです。

基本的に、M&Aにおいて譲受企業は、譲渡企業が営む事業の経営権獲得を目的に取引を行うでしょう。しかし、不動産目的のM&A(以下不動産M&A)では、譲渡企業の事業ではなく”不動産”に取引の主眼が置かれています。

極論、譲渡側からしてみれば事業自体はあまり奮っていなくても、保有する不動産が魅力敵であれば、売却できる可能性が高くなるということです。

コロナ禍で不動産M&Aが広がるワケ

不動産仲介大手の「三菱地所リアルエステートサービス」では、2020年4月に不動産M&Aを仲介する専門部署を創設し、1年弱で約40件の相談を受けたといいます。譲渡企業の多くは地方都市の老舗で、そのうち3分の2は後継者不足を抱えた企業でした。

不動産を多く所有している企業の経営者は、法人と物件を分けて売却するよりも、法人も物件も同時に売却することができるという点が不動産M&Aのキモです。

ここからはコロナ禍で不動産M&Aが広がる理由について詳しく解説していきます。

節税効果

1つは、譲渡企業にとって大きな節税効果があるという点です。物件を個別に売却してから法人を解散する場合、物件売却益に最大35%の法人税が課せられます。また、課税後に利益の分配をした場合、最大50%の所得税が必要なのです。

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売却益がたとえ10億円あったとしても、最終的には3億円程度まで手残りは縮んでしまいます。

せっかく得た売却益も、7割近くが税金に取られてしまうのであれば、もったいないと思ってしまうのではないでしょうか。しかし、その点、物件を保有する法人ごと売却をすれば、売却益は株式譲渡取得として扱われるのです。

課税は最大で20%程度に収まり、売却益10億円の場合は約8億円が手元に残るでしょう。

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不動産の現金化

また、不動産M&Aの場合、取引が株式譲渡という扱いになりますので保有している不動産をすべて一括して売却することができます。

更に、先程も申し上げたように節税の効果もあり、売却できればすぐに膨大な資金を調達することが可能です。

おそらくコロナ禍で事業転換やリタイア資金を調達することを目的とした経営者が増えたことが理由として考えられるのではないでしょうか。

不動産移転費用の削減

更には、不動産M&Aの場合株式移転と同じ扱いになるので、不動産移転に必要な登記申請屋登録免許税、不動産取得税、不動産登記費用が必要ありません。

それらの費用を抑えてスムーズに不動産移転できる点も、コロナ禍で相手先企業と顔を合わせられる時間が少なくなっている中、少しでもスムーズに取引が行える方法として広まった理由の1つと考えられます。

不動産M&Aの譲受側のメリット

と、このように、コロナ禍でもスムーズかつ費用を抑えて取引ができる点から注目を集める「不動産M&A」。続いては、不動産M&Aにおける譲受側のメリットを見ていきましょう。

不動産取得のコストを削減できる

通常、不動産を取得するには不動産登記の申請をしなければならないほか、不動産取得税や免許税の支払い、契約書作成における収入印紙の購入などで費用がかさみます。

その点、不動産M&Aの場合は、株主変更のみで手続きが完了するので、譲受側にとっては手続きや費用的コストを大幅な削減が可能です。

不動産価格を抑えられる

また、不動産価格を抑えることもできます。通常の不動産購入の場合は売り手にも売却益に対して税金がかかるので値下げの交渉を行うことは難しいですが、不動産M&Aの場合は20%の所得税が係るだけなので、通常よりも税金の支払いを見越した価格交渉が可能です。

そのため、通常の不動産取引よりも安くで不動産を購入できるケースが多いでしょう。

不動産取得後、賃貸物件として貸し出しができる

安くで購入できるうえに、不動産取得後賃貸物件として貸出し、不労所得を得ることもできるでしょう。

事実、最近ではコロナ禍の影響でテレワーク等を実施する企業も増えています。譲受企業がテレワークを実施する企業なのであれば、取得した不動産は貸物件として提供し、業務は自宅で行うなどすれば”不動産所得”を得ることができるようになるかもしれません。

不動産M&Aの譲渡側のメリット

一方、不動産M&Aにおける譲渡側のメリットとしては節税効果以外に下記のような事項が考えられます。

事業承継が行いやすい

1つは、事業承継が行いやすいという点です。コロナ禍の影響で高齢の経営者は定年よりも前に自社を売却し、得た売却益で第2の人生を楽しもうとお考えになる方は増えたのではないでしょうか。

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実際に、三菱地所リアルエステートサービスの不動産M&A相談窓口に訪れる相談者のうち3分の2が後継者探しをしている方であったといいます。

不動産M&Aであれば、事業とともに不動産も同時に売却でき、かつ事業を引き継ぐ手続きが不要で面倒な手続きを省略できるため、買い手がつきやすくなる可能性があると考えられるでしょう。

総じてコストを抑えられる

また、中には廃業を検討されている方もいらっしゃるかもしれませんが、廃業には現状回復費用や、会社の解散手続き、債務返済など多くの費用が必要です。

その点、不動産M&Aで事業を売却すれば節税効果と合わせて総じてコストを抑えられるという利点があります。

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不動産M&Aの注意点

譲受側から見ても譲渡側から見ても、コスト面、手続き面など幅広い面でメリットが大きく感じられるでしょう。

しかし、以下の点にも注意しておかなければ、リスクを被ることにもなりかねません。

不動産のみの売買には手間がかかる

ここまでに解説した手順やメリットは、あくまでも事業と不動産を同時に売買するケースです。不動産のみを売買し、事業は売買の対象から外す場合、譲渡側からすれば事業の売却も別で行わなければならないので、逆に手間がかかってしまいます。

その取引期間は、平均して半年から1年ほどと言われている程です。すぐにでも売却したいという方は不動産と企業や事業を合わせて売却する方がスムーズであるといえるでしょう。

譲受側は負債も引き継いでしまう可能性がある

不動産取得が目的のM&Aといえど、譲受企業の事業も同時に取得することになりますので、その企業や事業が負債を抱えていると、それも引き継いでしまうことになりかねません。

そのようなリスクをなくすためにも、デューデリジェンス(事前調査)は徹底して行うようにしましょう。

まとめ

本記事では、コロナ禍で注目を集める、不動産取得を目的としたM&A、「不動産M&A」について解説しました。

不動産M&Aで、不動産を獲得することは、通常の不動産売買とくらべて大きな節税効果を発揮するうえに、スムーズな取引を行うことに繋がります。しかし、一方で、譲受企業にとっては会社の債務を引き継ぐ可能性もあるので、デューデリジェンスは慎重に行う必要があるといえるでしょう。

その他、今後は獲得した不動産を活用して運用などに役立てられる可能性もあります。譲渡企業、譲受企業ともに、生み出した資金をビジネスの要所に投資することが可能になるため、売り手市場の現状が今後逆転することも考えられるのではないでしょうか。

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