M&A

M&Aによる企業再生とは?再生スキームとその選定方法について解説

新型コロナウイルスの影響で大企業が倒産してしまうということも稀ではなくなった昨今、未だ耐え抜いている企業も先行きが不透明な中で経営を続けているという方もいらっしゃるかもしれません。

余力のない経営状態を続けつつ、どうにか企業や事業の再生を検討されている方も多いでしょう。そうした中で、注目されているのが、『企業再生』です。企業再生には『再生スキーム』としていくつかの方法がありますが、中でもM&Aは非常に有効的な策として期待されています。

そこで本記事では、企業再生と、M&Aなどの再生スキームの基礎知識について解説してまいります。

再生スキームとは?

そもそも、再生スキームとは一体何?というところですが、再生スキームとは簡単に言えば『企業再生をするための方法』とお考えいただいて構いません。しばしばビジネスシーンで利用される、このスキームという言葉は『計画』や『案』『枠組み』として利用されるため、『企業再生のための計画』としても間違いはないでしょう。

企業再生のための枠組みを選ぶ

会社や事業が企業再生を進める上で、企業再生を進めるための『枠組み』を選ぶ必要があります。枠組みとは、いわゆる私的再生や法的整理などの手続のことで、それらを行うことで企業の債権を減らし、又は無くし、企業の再生を進めていくことができるのです。

経営不振に陥った企業は、おそらく金融機関や債権者に債権支払いの繰り延べ等を相談することになるでしょうが、それに応じてもらえなくなるときが来るかもしれません。そこで利用されるのが、この『企業再生のための枠組み』、いわゆる『再生スキーム』ということになります。

ですので、企業再生を検討されている企業は、まず『再生スキーム』、『企業再生のための枠組み』を選ばなければなりません。

再生スキーム一覧

再生スキームには以下の種類があります。

①リスケジュール
②DDS
③DES
④債権放棄
⑤第二会社方式
⑥M&A

①リスケジュール

リスケジュールとは債務等の返済条件を変更し、返済のためのスケジューリングを組みなおす方法です。ただし、あくまでもスケジュールを変更するだけのスキームですので、後回しになるだけで債権が減ったり、大幅な企業再生が見込めたりするわけではありません。

②DDS

DDSとは、『デット・デット・スワップ』という、持っている債権を『老後ローン』という優先順位の低い債権に切り替えるスキームです。老後ローンは自己資金とみなされるため、自己資本比率があがり、一定の期間資金繰が安定することが期待できますが、このスキームでももともとの返済額が減額されるわけではありません。

③DES

続いてDESとは、『デット・エクイティ・スワップ』という、持っている債務を株式に転換させる方法です。株式に転換することで債権だったものは自己資本に変わりますので大きな企業再生効果が得られるでしょう。ただし、この方法は上場企業でないと使いづらいというデメリットがあります。

④債権放棄

債権放棄とは、その名の通り今ある債権をなかったことにするスキームですので、当然ながら企業の財政状態改善には大きな効果が得られます。ただし、これは再生会社における債務超過状態が事業再生計画によって3~5年以内に解消される額に設定しなければなりません。また、債権放棄は再生会社にとっては利益とみなされるので、課税対象となります。しかし、額によっては税金支払いの影響で再生プロセスがままならなくなってしまえば意味がないので、一定のルールに基づいて条件を満たせば非課税となる特例もありますのでご確認ください。

⑤第二会社方式

第二会社方式とは、企業再生をする会社から収益のある事業のみを別の会社に引き継がせ、大元の企業の債権の破産手続きをする方法です。新しい会社を設立したり、譲渡したりすることで、収益のある事業のみを残すことができ、かつ不採算の事業のみを無くすことができるので、企業として形が残るわけでありませんが、大きなメリットが得られる方法といえるでしょう。

⑥M&A

第二会社方式と類似しておりますが、M&Aでも企業再生を行うことが可能です。M&Aも事業を譲渡したり、売却したりすることで事業再建を図る方法ですが、M&Aと、第二会社方式の違いは『債権者の同意』を得ているかどうかというところにあります。

 

M&Aでは債権者に同意を得る必要はなく、スキームを実行することが可能です。その点、第二会社方式では債権者の同意を得たうえで、実行することになるため『中小企業事業承継再生計画』として認定されれば、許認可の引き継ぎや税優遇措置などが受けられるようになりました。

再生スキームの目的

と、このように、6つの再生スキームがありますが、再生スキームの目的は『経営状態を健全化』させることにすぎません。そのため、企業や事業の実態を把握し、リスケジュールするだけで今のところ企業を良い方向に転換できそうだという場合は、それでよいですし、収益のある事業とそうでない事業の差が激しい場合は、収益のある事業のみを切り離すという方法が最適であると言えます。

どのような方法を取れば、企業再生に成功できるのか長期的な目線で検討することが重要です。

再生スキームにおけるM&A

上記に解説した再生スキームの中でも、M&Aは近年最も注目されている方法の1つです。M&Aは会社を丸ごと売り渡すのではなく、ある一定の事業のみを切り離すことができたり、売却益を得ることができたりすることから、柔軟な策として利用が広がってきています。

では、ここからは、再生スキームにおける『M&A』について詳しく解説していきましょう。

再生スキームとしてM&Aを行うときの選定方法

まずは、数ある再生スキームの中で、M&Aが選定される場合というのは、大きく分けて3つのパターンがあります。

①当面の資金繰は難しいが金融面を支援してくれる第三者がいる(買い手がいる等)

②自社の経営資源で再生が可能、かつ債権放棄が扶養である場合

③債権放棄は必要だが債権者の経営合理性が成り立つ場合

このような場合は、M&Aを行って第三者に事業を売り渡し、コアな事業を残して大元の企業の存続を図ったり、従業員の雇用をそのままに再生ができたりします。

自力での再生ができない場合でも、買い取ってもらえる第三者がいることで、M&Aを実施し、廃業することなく事業を存続させることができるということです。

再生スキームとしてM&Aを行うときの注意点

ただし、M&Aを行う際に注意しておきたいのが、『企業再生』が必要なのか、『事業再生』が必要なのかを見極めなければなりません。

事業再生とは、経営不振である事業を債務整理や事業再編によって再生させる方法です。つまり、事業の存続のために抜本的な改革を行うことが事業再生であり、企業再生とは逆に事業ではなく企業の存続に重点をおいた方法になります。

要は、『事業』に重点をおかなければならないのか、企業に重点をおかなければならないのか、選択と集中を意識することが大切であるということです。そうすることで、おのずとM&Aの手法も選択することができるでしょう。

再生スキームとしてM&Aを選択するメリット

では、再生スキームとしてM&Aを選択するメリットとはどのような事項があげられるでしょうか。

 

企業を存続させることができる

1つは、企業を存続させることができるという点です。収益のある事業を譲渡し、コア事業を残して存続することで、残った事業に集中することができます。先ほども申し上げましたが、選択と集中を行うことは、企業再生では非常に重要なことです。

残った事業に集中したことで、結果的にその事業の収益性を高めることができれば、根本的に企業再生に成功したといえるでしょう。

従業員の雇用を守ることができる

また、従業員の雇用を守ることができるという点も、M&Aを活用するメリットであると言えます。リスケジュールやDDS等その他再生スキームでも廃業でなければ、当然従業員を解雇しなければならないわけではないのですが、その後のプロセスによっては、解雇せざるを得ない状況になることもあるかもしれません。

 

その点、M&Aでは従業員から、譲渡先企業に異動したくないなどの意向がない限り、従業員の雇用を守ることができますので安心です。

社会的信頼を守ることができる

個人での破産、リスケジュールも同様ですが、債権問題は社会的信頼を失うことにも繋がります。債権放棄によって債権を無くす事は簡単ですが、その後の信頼を失うのも一瞬です。法人のクレジットカードが作れなくなったり、新たなローンを組めなくなったり、個人にもそういった問題が及ぶ可能性もあります。しかし債権放棄を伴わないM&Aの場合は社会的信頼を守ることもできるわけです。

売却益を得ることができる

また、M&Aでは当然事業や企業を第三者に売り渡すことになりますので、売却益を得ることができます。売却益を得られれば、残ったコア事業の再生に利用したり、経営者自身の老後の資金に充てたりすることもできるので、M&Aならではのメリットといえるでしょう。

再生スキームとしてM&Aを選択するデメリット

とはいえ、再生スキームとしてM&Aを選択するには当然ながら『買い手』が居なければ実施することはできません。買い手を探すのも、交渉するのも時間がかかるというのがM&Aを選択するデメリットであるといえるでしょう。

M&Aに関するメディアサイトに買い手として情報登録をしておくことをおすすめします。

まとめ

本記事では、企業再生における再生スキーム、その中でも『M&A』をピックアップして解説いたしました。冒頭でも申し上げた通り、最近では新型コロナウイルスの影響で倒産を余儀なくされた企業が多くあります。

現在、余力のない経営状態を続けている企業は、是非『M&A』を活用した企業再生を実施してみてはいかがでしょうか。

とはいえ、M&Aを実施すれば必ず企業再生に成功するわけではありません。M&Aは法的な手続も必要であるため、M&Aに関する専門アドバイザーの助言が必須です。DX承継くんでは企業再生におけるM&Aの実施についてご相談やご質問を無料で承っております。

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