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【今後会社が売れる売れないに業種は関係ない】自分が買いたい会社が売れる会社《第1回》

経営者にとって、体が動かなくなる前に会社を売り、経営をリタイアすることは1つの夢であり、目標であるかもしれません。

しかし、なかには「いつかは会社を売りたい」と思っていても、「業種的に売れないのでは…」とあきらめている方もいらっしゃるでしょう。確かに人気の事業、そうでない事業はありますが、”人気があること”と”売れやすいこと”は別物です。

そこで、全3回の連載記事で、「業種問わず売れやすい会社になるためのコツ」について考えていきたいと思います。

売れる会社と売れない会社の差

そもそも、会社を売却する前に考えておきたいのが、「自分の場合どのような会社を買いたいか」というところです。

まずは、企業の売れ行き状況から、売れる会社と売れない会社の差はどんなところにあるのかという点から見ていきましょう。

業界内でシェア拡大ができるか

ロイト トーマツ コンサルティング株式会社が2013年に行った『M&A経験企業にみるM&A実態調査』によりますと、M&Aの実施目的で最も多かった回答は『業界内でのシェ拡大』となりました。回答率は全体の51%にも上ります。
(引用:https://www2.deloitte.com/content/dam/Deloitte/jp/Documents/about-deloitte/news-releases/jp-nr-nr20131008-2.pdf)

同業種を買い取る事業者のほとんどは、これが目的であると思っていただいて問題ないでしょう。逆にシェア拡大が見込めない、いわゆる将来性が感じられない企業については売れない会社と分類されるというわけです。

ノウハウ、技術がある

また、同調査では、ノウハウや技術があるという点も挙げられています。当然ながら、会社を買うのには膨大な費用が必要ですので、買い取った後に想定以上の費用対効果が得られなければ、買い手側の経営状態が傾くことも考えられます。

最悪の場合は、倒産することにもなりかねないでしょう。そうした点では買い手側にはまだないノウハウや技術が蓄積されているかそうでないかという点もポイントです。

無形資産

M&Aでは無形資産といって、通常の売り上げ以外に目には見えない資産があるかどうかという点が大きなポイントになってきます。

当然将来性がある、今後爆発的なシェア拡大が見込めるといった場合は現状の企業価値よりも大幅に高額な金額で取引がされる可能性もあるでしょう。

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黒字か赤字かは関係ない

「将来性」という視点で考えれば、現状黒字か赤字かは気にしない買い手もいます。逆に言うと、M&Aの目的が達成できない、買いたいと思える要素がない場合は、黒字でも売れない会社に分類されるというわけです。

今、現時点で多額の利益を得ていたとして、多くの企業が利益のみで興味を示しても、今後の事業の可能性が見えなければ、M&Aの制約は難しいと考えられるでしょう。

自分が買いたい会社が売れる会社

つまり、自分が「買いたい」と思える会社が売れる会社であるということです。どんなに良いもの、安価なものでも、将来的に使う予定がないものは買いたくないですよね。

逆に、今お金がなくてもそれを買うことで将来的に自分の身になったり、収益につながるのであれば、未来投資をするという方も少なくないと思います。

事業内容や業種は関係ない

つまり、業種の人気不人気は、会社の売れやすい売れにくいには必ずしもつながらないということです。

日本M&Aセンターによりますと、現時点で人気のある業種は下記の業種であるとされています。

  • 調剤薬局
  • ドラッグストア
  • 介護・福祉
  • 病院・クリニック
  • インターネット関連サービス
  • 自社パッケージソフト開発
  • 不動産仲介
  • 人材派遣

(出典:https://www.nihon-ma.co.jp/service/transfer/hope.html)

しかし、これらの事業を行っているすべての会社が売りに出た時に、すぐに買い手が見つかり、必ず制約に結び付くかといえばそうではありません。

黒字でも将来性がなかったり、従業員との関係性が良くなければ制約には至らないでしょう。どんなに利益がでていても、今後も1部商品の人気が続くかといえば、そのような保証はないわけです。

M&Aで買い手がつきやすい企業や事業の特徴とは

時代やニーズに合っているかどうかがカギ

そうした意味では、時代やニーズに合っているかという点が今後、「売り手」として多くの企業に目を付けてもらうためのカギとなるといえるでしょう。

時代やニーズに沿っているというのは、ある意味将来性があるというところにもつながります。

流行り廃りを左右するのは良くも悪くも消費者です。芸能人や著名人などが良いといえば流行り、これは時代遅れだといえば、淘汰されていく。つまり、トレンドのキャッチアップができる企業は、常に新しいものを取り入れ、実践し、世に流しているというわけです。時代やお客のニーズに合致していれば、将来的にもほぼ収益性が見込めると期待できるでしょう。

事業としてニーズに合っているかという点だけではない

商品やサービスなど、世に送り出すものが時代やニーズに合っているかという点だけではありません。

M&Aでは会社の方向性や働き方も重要視されます。どんなに良いサービスを提供していて、シェア率ナンバーワンの企業でも、従業員満足度が低く、離職率が高ければ、将来性がないと判断される可能性もあるのです。

優秀な人材がどんどん他社に流れて行ったり、M&Aをきっかけに多くの人材が離れていく可能性も考えられます。

事業としてニーズがあっているかだけではなく、従業員の働き方が世の中の流れや求職者のニーズとあっているかという点も重要になるでしょう。

まとめ

①企業として信頼性がある
②成長性がある
③従業員満足度が高い

あなたならこんな企業を買いたくないですか?

どんなに良いサービスを展開していて、どんなに今利益を上げていても、”将来的に”どうなるのかという点があやふやな企業は、信頼性に欠けているとみられ買い手はつきにくいです。

今すぐではなくとも、今後事業や会社を売却したいと考えている方は、”将来性”の部分に着目しながら成長戦略を練っていくとよいでしょう。

では、売れる会社の特徴や、売れる会社になるためのポイントは具体的にどのような部分なのでしょうか。気になるこの疑問については、次回の連載コラムにて解説していきます。

 

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