【今後会社が売れる売れないに業種は関係ない】売れる会社のポイント《第2回》

前回の第1回コラムでは売れる企業の将来性について解説をしました。どんなに人気の事業でも、どんなに収益が出ている事業でも、今後の将来性があやふやでは買い手がつくことはありません。
では具体的に、将来性があると評価されるための”ポイント”とはどのような部分なのでしょう。
本記事では将来的に会社売却や事業売却を考えている企業が知っておきたい「売れる会社になるためのポイント」をわかりやすく解説していきます!
>>【今後会社が売れる売れないに業種は関係ない】自分が買いたい会社が売れる会社《第1回》
目次
売れる会社の特徴
まずは、前回にご紹介した点も踏まえて、売れる会社の特徴をおさらいしておきましょう。
①企業として信頼性がある
②成長性がある
③従業員満足度が高い
①企業として信頼性がある
1つは企業として信頼性がある会社です。企業における信頼とは、いわゆる「商品やサービスの安全性」や「ブランディング力」「実績」などを指すものになります。
このうちのどれか一つが欠けても”信頼がある企業”とは言い難いため、それら全てがそろって初めて、「信頼を得ている」といえるでしょう。
そもそも信頼のない企業には、顧客はもちろん人材も集まりませんので、売れる会社になるためにはまず社内全体から意識を変えていく必要があります。
②成長性がある
成長性に関しては第1回のコラムでも解説しました。これは、現状の売り上げがどんなに良くても、将来収益が見込めなければ売れる確率はほぼゼロに等しいということです。
具体的にどんな企業に”成長性がある”かという点については第1回のコラムで詳しく解説していますので、下記をご参照ください。
>>【今後会社が売れる売れないに業種は関係ない】自分が買いたい会社が売れる会社《第1回》
③従業員満足度が高い
また、従業員満足度が高いという点も重要です。近年では中小企業を中心に人手不足に悩んでいる企業が急増しています。なかには人手が足りずに倒産に追い込まれたり、本来のサービスクオリティを維持できないことで、売り上げも落ちてしまうなど負のループにはまっている企業も少なくありません。
従業員満足度が高ければ、企業に人が集まり向上心をもって働く人々が増えるので、結果的に良いサービスを生み出すことや、顧客ニーズに寄り添ったサービスを提供することにつながるでしょう。
売れる会社になるための基本的な3つのポイント
売れる会社の特徴は、上記の3つです。では、3つの特徴を兼ね備えた、”売れる会社”になるためには、どのように戦略立てて経営をしていけばよいのでしょう。
ここからは、売れる会社になるための基本的なポイントを3点に凝縮して詳しく解説していきます。
アピールポイントを明確にする
1つはアピールポイントを明確にすることです。繰り返しにはなりますが、当然買い手に「欲しい」と思ってもらえなければ売却はできません。
しかし、経営者にとって自身が経営している企業には思い入れがあり、なかなか第三者目線で客観視することが難しく独りよがりな経営になりがちです。また、自身が経営者の立場で、自社を”魅力的だ”と感じることと、経営者の立場から離れて顧客目線で自社を魅力的だと感じるのには、微妙なニュアンスの違いがあります。
要は、買い手にとって魅力的な企業になるため、自身が買い手の立場になったときに”買いたい”と思える企業にならなければならないということです。
そのためには、企業のアピールポイントを明確化しておくことで、会社の魅力が第三者にも伝わりやすくなるでしょう。実際に第三者に自社をアピールするときにもポイントを絞ることができるので、魅力が簡潔に伝わります。
同時に、自社の強みや弱みを把握しておくことも重要です。
財務内容を客観評価する
やはり自社を売るときには1円でも高い金額で売りたいと思うのが普通のことです。特に、経営をリタイアして第二の人生を歩みたい、老後の資金調達をしたいと考えている方は、特に”売却益”に目が行きがちでしょう。
しかし、そのあまりに高額な売却価額を設定してしまうと買い手が付きにくくなってしまいます。
決算書や企業価値を算出した書類などをもとに、自社の財務内容を客観的に評価することが大切です。企業価値の算出方法については、下記の記事で詳しく解説していますのでこちらをご覧ください。
しっかりと条件提示をする
売り手のなかには、まずはより多くの買い手からお問い合わせがもらえるよう、譲渡における具体的な条件や、会社の規模などを非公開や要相談に設定しているケールも少なくありません。
しかし、これは逆効果で、条件がはっきりしない売り手は検討しにくいばかりか、不信感を与えることになってしまいます。つまり買い手側からすると、最初からきちんと条件が提示されている方が交渉がしやすいのです。
売却までのプロセスもスムーズに進められることができるでしょう。適切な段階で、適切な情報を開示することは、会社の信頼性にもつながる点ですので、売れる会社になるためには、必須の条件とも言えます。
会社を売りたいならDXをせよ
上記のような基本事項と合わせて、今後企業が今後”売れる会社”になるために着手しておきたいのが”DX”です。
DXとは、いわゆるデジタル活用による企業や事業の変革を指す言葉で、近年特に注目を集めています。
国としても、DXを推進していくために税制改正や法改正が積極的に行われているところです。新型コロナウイルスを起因として、デジタル化に取り組んでいる企業も多いでしょう。
むしろ、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、オンラインを中心とした営業やサービス提供がニューノーマルとなりつつあるなか、今後売れやすい会社になるためにはDX化に取り組んでいるかそうでないのかという点が非常に重要になってくるということです。
というのも、DXは、業種問わず今後企業が生き延びていくために必須なことであるとされています。一部の学者の間では、DXを行わない企業は時代から淘汰されるともいわれるほどです。
上記に解説した基本の”売れる会社になるためのポイント”と合わせて、DX化が今後企業の売れやすい売れにくいを左右するといえるでしょう。いわば、DXに着手していれば、業種問わず買い手が付きやすくなる可能性があるということです。
まとめ
今回は、売れやすい会社の特徴と、売れる会社になるためのポイントについてまとめました。
企業を取り巻く環境が目まぐるしく変化するなか、顧客ニーズやトレンドに対応することはもちろんのこと、DXやデジタル化のながれに乗ることも、今後売れやすい会社になるために必要なことであるといえるでしょう。
今すぐの売却を考えている企業は数か月で社内制度や社内システムを変更することは難しいかもしれません。しかし、「いつかのタイミングで会社を売りたい」と考えている企業は少しでも”売れやすい会社”、”高額で取引される会社”になるためにDX化を検討しておくことをお勧めします。
さて、次回第3回のコラムでは、将来的に会社売却を考えている企業に向けて、DX化の具体的な必要性や準備物など、少し掘り下げた話題について解説していきます。是非参考にしてください。