後継者不足の解決策と対策について徹底解説

近年、中小企業を中心に深刻化してきているのが『後継者不足』という問題です。
特に中小企業では約8割の企業が後継者不足が原因で廃業しているというほど、後継者不足による廃業はいまや珍しくありません。

本記事では、後継者不足の解決策および、それぞれの対策の注意点について解説してまいります。

中小企業の人手不足はM&Aや売却で解消なるか?

後継者不足と社会問題の関係

現在日本が抱えている社会問題の中でも企業に関係している問題といえば、『少子高齢化』『人手不足』などが挙げられます。そして、今回の題材である『後継者不足』もまた、社会問題の1つとされている問題です。

実はこの『後継者不足』という問題は、その他、企業に関係した社会問題と深い関わりがあるといえます。

少子化による後継者不足

そもそも後継者不足が起こるのは、少子化が1つの要因であるとされています。これまで、多くの中小企業における後継ぎは、子供やへの事業継承で成り立っていました。しかし、少子化によって子供が減り、後継ぎをする子どももいなくなったことで後継者不足問題が起こっているのです。

また、経営者の子どもだけでなく、親族に引き継ぐという方法もありますが、その子どもが事業の引継ぎを望まなかったりすることによりうまくいかないケースもあります。

上記の画像は、日本政策金融公庫が2016年に行った『中小企業の事業承継に関するインターネット調査』における、主な廃業理由のグラフになります。

『子どもに引き継ぐ意思がない』『子どもがいない』『適当な後継者がみつからない』という理由が全体の約28%を占めていることがわかります。

経営者の高齢化問題

また、少子化ともう1つ並んで挙げられる問題点は経営者自身の高齢化です。平成30年に中小企業庁が行った『最近の中小企業・小規模事業者政策について』という調査では1995年の経営者年齢の山(中央値)は47歳だったのが、20年後の2015年には66歳と高齢化しているということが明らかになりました。

自身が高齢化してきてそろそろ事業を誰かに渡そうと思っても、その時にはすでに子供は別のところで働いていたり、適当な人材が見つからなかったりという理由でやむなく廃業してしまうといったことになってしまうのでしょう。

実際に、『中小企業の事業承継に関するインターネット調査』に答えた中小企業のうち、事業承継が決まっているのは全体のわずか12.4%、残りの企業は未定、時期尚早、廃業予定などと回答しているのです。少子化問題や経営者自身の高齢化が『後継者不足』という問題として数字に顕著に現れていることが見て取れます。

後継者不足の解決策・対策とそれぞれの注意点

ここからは、後継者不足の解決法と、それぞれの解決法の注意点について解説していきます。

M&A・事業承継の専門家に相談

M&Aといって、簡単に言うとビジネスを売買することで会社を売却・譲渡し、事業承継を行う方法があります。ただ、M&Aの方法によっては失敗する場合もありますので、M&Aで事業承継をする場合は専門家に相談するのがおすすめです。

M&Aの方法によっては引退時に多額の現金を受け取ることができる可能性もあります。

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後継者候補の教育

現在雇っている従業員を、後継者候補として教育する方法です。長年企業に勤めていた従業員であれば会社のこともある程度分かっている上に、企業風土に合った後継者を育てることができる点がメリットです。

しかし、一般的に企業内で後継者を育てるには約5年から10年ほどかかると言われています。計画性を持った長期間の教育が必要になりますので、直近で決定して直近で事業を承継させるというわけにはいかないのが難点です。

外部からの登用

優秀な経営者を他企業から招へい・登用を行い、いずれ事業を後継させる方法です。経営能力がある人物を採用することができれば、安心して事業を任せることができますが、一方で企業の風土が変わる場合もあります。

特に企業風土を大切にしている社風であれば、外部からの登用を選択するより、従業員を後継者候補として教育する方法を選んだほうが良いでしょう。

株式公開を行う

株式公開を行うと、一般的に企業の信頼性が高くなると言われています。信頼性が高くなるとM&Aの時に買い手がつきやすくなるのです。また、株式公開をすると、自社株式に換金性が生じ株式市場で自由に取引することも可能になります。

ただ、株式公開までには厳しい条件があるのと、株式を買い取ってくれる者がいなければ事業承継は難しくなりますので必ずしもすべての企業に適した方法であるとは言えないので注意が必要です。

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事業引継ぎ支援センターの活用

各都道府県には、後継者不在などで、事業の存続に悩みを抱える中小企業・小規模事業者の方の相談に対応するため、『事業引継ぎ支援センター』が設置されています。円滑な事業引継ぎの実施体制構築のための助言、M&A実務に関する助言・研修を行っているほか、センター業者に登録機関(仲介者)と連携してM&Aの支援を行っている公的機関です。

しかし、公的機関ということで信頼性はあるものの、事業引継ぎ支援センターは平成23年から設置が始まった機関であり、認知度が低く実際にM&Aや事業承継を行った実績はまだ多くありません。

今後認知度が高くなりM&Aによる事業承継の実施件数や成功事例なども増えていけば後継者不足に悩む経営者にとって有効的な機関となるでしょう。

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後継者不足解決策のおすすめ方法

事業を引き継ぎたい、廃業したくないと思っていても、後継者がいなければ当然廃業せざるを得ません。外部からの登用や、後継者候補の教育に関しては多大なる時間的コストや採用などにおける費用コストがかかることが考えられます。

ですので事業承継においては、M&A・事業承継の専門家に相談するのが早期解決の近道です。

尤も、M&Aは買い手と売り手の間で交わされる契約によるものですから、秘密保持契約に始まり、交渉途中で交わされる基本合意書、最終契約書などの契約書の作成が随所で必要になってきます。また、その中で法的問題がないか等もチェックして進めていかなければなりません。仮に会社を売却するとなった場合も、売却益や売却損をどのように計上するかも考える必要があります。

要するに、M&Aによる事業承継には相当な知識が必要になってくるということです。

到底個人でM&Aを行うといったことは難しい話になりますので、M&Aによる事業承継をお考えの方、後継者不足でお悩みを抱えている方は専門家に相談することが大切です。

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後継者不足の解決策としてM&Aをするメリット

多くの中小企業では、人材不足などが主要因となって会社を廃業するケースが多くありますが、M&Aはそうした中小企業における後継者不足の解決策としては最も効果的な一手であると言えるでしょう。

では具体的に、M&Aとほかの事業承継の手法とを比べた場合には、一体どのようなメリットがあるのでしょうか。

ここからは、M&Aを事業承継に活用することで生じるメリットについて、あわせて3点ほど解説を進めていきたいと思います。

平等な承継チャンス

まず、1つ目のメリットとしては、事業の内容や規模に関わらず、誰にでも平等に承継チャンスが訪れるという点が挙げられます。

そもそもM&Aとは、簡単に言ってしまえば、企業や事業そのものの売買を目的として取り交わされる一種のオークションのような承継手法となります。

事業承継を行いたい売り手側と、その事業を買い取りたい買い手側の両者が存在し、契約の内容に両者の合意さえ得られれば、基本的にはどのような局面であっても成立させることができるのです。

大企業や上場企業などの株価が高い企業の場合には、莫大な買収資金が必要となるため、なかなか買い手がつかないなどのケースも考えられるでしょう。しかし株価がそれほど高騰していない中小企業においては、比較的リーズナブルにM&Aが成立するため、買い手の母数も多いことが特徴です。

売却による利益の獲得

2つ目のメリットとしては、事業売却における売却利益を獲得できるという点です。

M&Aによる企業買収の手法にもさまざまなパターンが存在しますが、中小企業に最も多いパターンとしては、買い手側企業の株式取得による「株式譲渡」が挙げられるでしょう。

株式譲渡とは、一定割合の株式を第三者に譲渡することで実質的な経験権を移行させる買収手段で、M&Aによる企業買収のスタイルのなかでは最もポピュラーな位置付けとなっています。

今さら聞けない株式譲渡のメリット・デメリットを解説!

また、株式譲渡の場合であれば、税率も20%と法人税などと比べて低い税率での取り引きが可能なうえ、現金化もスムーズに行うことができるため、売り手側の株主にとってはメリットが大きいと言えます。

シンプルな手続き

3つ目のメリットとしては、複雑な事務手続きを行う必要がなく、ほかの買収スキームと比べた場合にも、諸々の手続きがシンプルかつスムーズに完結するという点です。

先ほどご紹介した株式譲渡によるM&Aなら、取引先企業や債権者などからの事前承認が不要。、株主総会からの同意を得るだけで手続きが完結するため、ほかの買収スキームにあるような複雑な事務手続きを回避することができます。

また、筆頭株主の交代にともなう許認可の関しても、原則としてはそのままスライドで承継となります。法務局への「登記申請」手続きや、「定款変更」の手続きが必要がないという点も大きなメリットの一つと言えるでしょう。

後継者不足の解決策でM&Aをするときの注意点

M&Aによる事業譲渡は、後継者が不在であっても事業の承継を実現できるうえ、売却した事業に応じた対価まで受け取ることも可能。廃業を選択する前には必ず検討しておきたいところですよね。

しかし、一見すると夢のようなシステムとも思えるM&Aによる事業承継ですが、もちろん実施にあたっては注意する点やデメリットもいくつか存在します。

ここからは、M&Aによる事業承継の注意点や、そのデメリットについてわかりやすく解説を進めていきます。

専門家によるサポートが不可欠

1つ目のデメリットとしては、M&Aによる事業承継には各種専門知識が必要になるという点です。

企業や事業そのものの売買ともなると、それにともなう法律的な専門知識や税金などの経理的な側面なども含めて素人が勝手に行えるようなものではありません。

もちろん実施にあたっては、M&Aアドバイザーをはじめとした専門家によるサポートが必要不可欠とはなりますが、その際には、アドバイザーへの仲介手数料や譲渡の実施にあたる各種税金などのコストが発生します。

M&Aの専門家に依頼するメリットや、任せる役割とは

売り値が極端に低い場合など、最悪の場合には仲介手数料や税金が売却利益を上回り、結果的には赤字となってしまうケースも。売却の前には譲渡にかかるコストをしっかりと把握しておくなど、費用対効果を意識した承継計画を立てることが重要と言えるでしょう。

経営状態の悪化を招く恐れがある

2つ目のデメリットとしては、オーナーの交代や変更によって、従業員や既存社員たちとの関係値や経営状態が悪化してしまう可能性があるという点です。

企業買収が行われた場合、買収された企業に勤める従業員たちにとっては、経営者が途中で変更するということになります。

特に、日本の中小企業においては、従業員間の結束や仲間意識が強い場合も多く、経営者の人望によって成立しているような企業も数多く存在しています。

そうした企業の場合には、事業の承継により新しいオーナーと既存社員との間に軋轢が生じたり、関係値が悪化したりなどのトラブルを招く恐れがあります。最悪の場合には、そうしたトラブルが火種となって廃業を余儀なくされるケースもあるため、この点においても注意が必要でしょう。

そのため、事業承継の実施前には、従業員への承継の通知やケアを行ったり、買い手側の企業と今後の事業展開や方向性などについてのすり合わせを行ったりなど、スムーズな事業承継が行えるように対応していくことが肝要です。

必ず成功するわけではない

3つ目のデメリットとしては、M&Aによる事業承継は、必ずしも成功するわけではないという点です。

先ほどもお伝えしたように、M&Aとは企業や事業主の間で取り交わされる一種のオークションのようなシステムとなっているため、当然のことながら、売り手側の希望条件が全面的に叶えられるものではありません。

また、株式取得によるM&Aを実施した場合には、売り手側の企業が保有している負債や担保などのすべての情報が自動的に承継されます。売却前に多額の負債を背負っていたり、経営状態が悪化していたりすると、最悪の場合には買い手がまったくつかないということも理解しておく必要があるでしょう。

まとめ

今回は、後継者不足問題の現状と、その解決策についてご解説いたしました。

日本の中小企業の廃業理由の約8割が少子高齢化や人手不足など、後継者不足が理由で廃業している現状です。廃業をしてしまいますと、時間的コストがかからないなどのメリットがあるものの、経営資源が失われるという見逃せないデメリットがあります。その点、M&Aで事業承継を行えば、引退時に現金を受け取ることも可能です。

しかし、前述のように、M&Aには相当な知識が必要になってきますので、後継者不足解決のためにM&Aを利用する方、検討している方は、専門家の協力が欠かせません。

DX承継くんではM&Aに関するお問い合わせを受け付けておりますので下記のお問い合わせ窓口からお気軽にご相談ください。

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