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ソフトバンクGはMBO報道で株価急上昇!ついに非上場化か?

「ソフトバンクGはもはや投資会社だ」と孫会長が明言していたように、ソフトバンクGはこれまでに多くの企業とM&Aを実施するなど、数多くの事業に巨額の投資を行ってきました。

一般的にもソフトバンクにはそのようなイメージを持ってる方も多いかもしれませんが、2020年12月にソフトバンクGが、MBO(自社株買い)を徐々に開始しています。

MBOは一時は株価上昇というメリットは得られるものの、実質「上場廃止」をさすものです。もし仮にソフトバンクGがMBOを続ければ「上場企業」としてのステータスが失われるほか、他企業を巻き込んだ事業投資は一定期間難しくなるかもしれません。

にも関わらず、ソフトバンクGがMBOを実施するのにはどのようなメリットがあるのでしょうか。また、ソフトバンクGが本当に非上場化する可能性はあるのでしょうか?

MBOとTOBの相違点とそれぞれのメリット・デメリットについて解説

ソフトバンクG株が急騰中

2020ねん12月8日時点で7,094円だったソフトバンクGの株価は、翌日9日終値で7,489円、さらにそこから10日には8,900円と18.8%の高値をつけました。

時価総額10兆円を超える銘柄が、2日間で20%以上上昇するのは、他に例を見ない稀なことです。

株価急騰の背景に「MBO」

そんなソフトバンク株価急騰の背景には、「MBO」があるとされています。MBOとは、いわゆる自社株買いのことで、市場にある株式を経営に携わる幹部陣が自ら買い集めることをさします。

つまり、ここでいうMBOは、ソフトバンクGの孫正義会長がソフトバンク株を買い集めているということです。

MBOで株価が上がるメカニズム

MBOで株価が上がるメカニズムとしては、簡単に言うと市場に出回る株式の数が少なくなるので1株に配当される金額が大きくなると説明すれば分かりやすいでしょうか。

例えば、10株発行している会社がMBOで3株を買ったとすると、残り7割が流通していることになります。この時、買い取る前までは、10株分の1株という価値が合った株式は、7株分の1株という考え方になってくるわけです。

10÷1で10%、7÷1であれば14%と、勝手に株価が上昇することになり、1株の金額換算や株価も上がるということになります。

上がり、それに応じて株価も上がる。

このようなことから、MBOやTOBは株価を上昇させる起爆剤ともなりうると言われています。

MBOとは?「上場廃止」のメリットや再上場する可能性について解説

ソフトバンクGのMBOの狙いは

様々な企業M&Aを実施しているソフトバンクGですが、MBOをつづけて「非上場企業」となれば、株式市場を通したM&Aができなくなったり、投資家から資金を調達したりすることが難しくなってしまいます。

ソフトバンクGがMBOを行う狙いは一体何が考えられるのでしょうか。

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孫正義会長の持ち株比率を引き上げること

そもそも、株式会社では株式の総保有数が3分の2以上、つまり67%を保有することで会社の経営方針などの決定権を持つことになっています。今回ソフトバンクGがMBOを行うことで、孫正義会長の持ち株比率を67%に引き上げることで経営権、および議決権の掌握を狙いとしているようです。

プレミアムを支払わなくてよい

また、持ち株比率を引き上げることで、通常の株式公開買い付けで必要なプレミアムを支払わなくてよいというメリットがあります。

通常の株式公開買い付けの場合は、25%程度のプレミアムを支払う必要があり、ドコモや島忠のTOBはいずれも45%以上のプレミアムをつけて買い付けを行っています。しかし、持ち株比率を引き上げ、更に自社株を買い付けるということでプレミアムを支払わなくて済むようになるわけです。

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株価をあげられる

更には、孫正義会長が株主や株価を気にせずに経営をしたいという考えの他「株価を上げたい」という理由も考えられるでしょう。

 

以前、ソフトバンクGが自社ウェブサイトにて、保有株化を考慮したうえで算出した企業価値が、現状の株価を大きく上回っていることを公開していました。当時その企業価値(株価)は12973円でそのころの株価(6000円)の倍以上になるとしています。

おそらく、今回MBOを行ったのも、市場の株価を引き上げる狙いがあったのでしょう。

ソフトバンクGの非上場化はあり得る?

「上場企業」として名のあるソフトバンクGですが、MBOを継続し「非上場化」することはあり得るのでしょうか?

結論から言えば、十分にその可能性はあります。

というのも、英紙フィナンシャルタイムズ(FT)では2020年9月14日、”ソフトバンクGの経営陣は戦略を再構築するために非上場化する議論を再び始めた”と報じました。

実際に、2020年2月の決算会見でも、質疑応答において資金調達や経営の透明性を保つことなどにおいては、上場のメリットはあるとしつつも、「非上場化は選択肢として当然ある。一時、株式を非公開化して自分個人の会社にしてしまおうと真剣に思ったことがある」と語っています。

市場の株価への不満や、今後の経営戦略によっては、十分ソフトバンクGが非上場化する可能性はあると言えるでしょう。

非上場企業におけるM&Aとは

ソフトバンクGは、これまで大小規模関わらず繰り返しM&Aを行ってきた企業であり、M&Aを行うことで大きくなってきた会社といっても過言ではありません。

今後ソフトバンクGが非上場化したとして、今後ソフトバンクGがどのようなM&A戦略を取っていくのか気になるところです。

 

株式市場を通してM&Aを行うことができなくなった非上場企業は、どうすればM&Aを行う事ができるようになるのでしょうか。

MBOとは?「上場廃止」のメリットや再上場する可能性について解説

当事者同士が交渉する

非上場企業は、市場に株式を公開していないので市場で買い付けをすることができません。そのため、いずれの方法にしても当事者同士が交渉して株式を譲り受けることになります。

株式譲渡、株式取得、新株引受など、株式での売買を目的としたものは、すべて「交渉」です。

M&Aにおける非上場企業のメリットは

M&Aにおいて、非上場企業のメリットはいくつかありますが、最もたる事由としてあげられるのは敵対的買収を防ぐことができるという点です。

敵対的買収とは、つまりこちら側企業が買収に対して了承していないのにも関わらず相手企業が無理やり買収をしてこようとする行為のことで、株式を公開していると市場から勝手に買い付けを行われてしまいます。

その点、非上場企業は株式市場に株式を公開していませんので、勝手に買い付けられてしまうというリスクを防ぐことができるわけです。

M&Aにおける非上場企業のデメリットは

一方、M&Aにおける非上場企業のデメリットは相手企業にとって経営が不透明であるため、交渉がスムーズに進まないという点です。

MBOで一旦非上場となった企業も、MBOのために利用した資金の返済ができれば再上場する可能性も多くありますので、MBOを行った企業でいずれ第三者とM&Aを行いたいと検討している企業は再上場した際のほうがスムーズに進められると言えるでしょう。

まとめ

株価を急騰させられるMBOは、ソフトバンクGがその一例となったことで更に現在注目を集めています。そして、国としてもMBOなどの自社株買いについては税優遇措置を行うなど支援を行っているため、今後企業価値を上げたい企業、経営陣を対象に事業承継を行いたい企業などの間で事例が増えてくるのではないでしょうか。

ただし、一旦は株式が高騰化したとしても、その後の経営状態によっては下落してしまう可能性もゼロではありません。MBOには経営陣の資金力も必要になりますので、戦略を練ってから行うようにしましょう。

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