基礎知識

M&Aにおける損益分岐点分析とは?

損益分岐点分析

事業を行うにあたり、黒字になるということはとても大切です。しかし、毎月安定して黒字にしていくことはとても難しく、状況によっては赤字になることもあります。また、毎月赤字が続いている企業の場合は、数値を見直すことによって黒字に整えようと 意識し、奮起するメリットもあります。そういった、赤字や黒字の見直しや修正に必要なのが、損益分岐点です。損益分岐点を活用し、事業にどう活用すればいいのか、また、M&Aを行う際に損益分岐点を活用するためには、どういった点を理解しておけばいいのかをご紹介します。

赤字の企業はM&Aができないと思っていませんか?赤字でもM&Aを成功させるポイント

損益分岐点分析はM&Aでどのように活用するのか

損益分岐点分析の活用方法
M&Aを行おうと検討している中小企業の中には、事業が赤字から抜け出すことができず、経営難に陥っている状況である場合も少なくありません。そう言った場合、赤字をどう修正すべきか分からず、経営が傾いたことでM&Aを検討する場合が多いようです。

M&Aを行う際、そういった、事業で赤字になっている企業でも、事業の内容が充実しており、この先黒字になる可能性があると判断された場合には事業譲渡を行うことができます。そう言った場合、赤字の事業をどう黒字へと修正すればいいのかを探る方法の1つとして、損益分岐点を利用することがあります。

損益分岐点は、計算式を利用して企業内で手軽に算出することができるので、企業内で使われる費用を用いて計算するといいでしょう。

この際、黒字の転換させることができる可能性がある、と判断してもらえれば、M&Aを行ってくれる買収先の企業を見つけることも可能です。損益分岐点を利用して、事業の将来性を数値化し、M&Aに活用していきましょう。

場合によってはまた赤字になる可能性を見つけることができるという点も、損益分岐点を利用する大きなポイントです。事業を続けていくためにも、今後赤字になっても修正していける目途を立てることができる方法の1つとして、損益分岐点を利用していきましょう。

また、赤字ではなく、事業が安定している場合でも損益分岐点を利用していくことはとても大切です。黒字が続いている場合、より多く利益を出すことができるかという点が必要になります。

M&Aでは、将来性のない企業や事業は買収の対象から外れてしまうことが多く、不利とされる場合や、M&Aの成立が難しいことも多いです。滞りなくM&Aを完了させるためにも、将来性を見込んでもらえるよう、より多く収益を出すためにはどうすればいいのかという事を、損益分岐点を利用して計算しておきましょう。

損益分岐点を算出する方法とは

損益分岐点を算出する方法とは

損益分岐点算出の前に知っておきたい限界利益率

損益分岐点は、計算式で求めることができます。その際に利用する情報の1つに、限界利益率があります。限界利益率は、売上高から変動費を引くことで算出が可能です。

算出する前に、事業の内容をExcelなどの表を用いて集計しておきましょう。売上高と変動費を結び付けて表にまとめておくことで、損益分岐点の計算がしやすくなります。

しかし、限界利益率は細かく見ることができますが、明確にわかるわけではありません。事業を始めたばかりの場合や、創業の段階にさかのぼった場合などは、不明瞭になっていることも多いです。

なるべく明確に表示することができる部分までさかのぼって表にまとめていけば、現在までの推移や変動をしっかりと見ることができるため、変動の推移が見れるようになったところから計算で求めていきましょう。

本来の限界利益率を求めるためには、売上が増え、安定している部分から見ていくと、より明確な限界利益率を知ることが可能です。事業内容によって細かく変動しているので、正確な数値はどこか判断することが企業に求められます。

企業内で数値や表を算出することが難しい場合は、その点も含めて専門家に一度相談してみましょう。

損益分岐点算出前に知っておきたい固定費とは

損益分岐点を算出する前にもう1つまとめておきたいのが、固定費です。固定費とは、企業内で毎月確定している維持費や人事に関係している費用、光熱費などが挙げられます。

事業展開を行う上で大切になってくるだけでなく、必ず発生する費用です。近年、赤字が続いており経営が困難になっている企業では、固定費がかさみすぎている場合があります。

お金が固定費に消えていくと、赤字も消えず、事業の続行が困難になることでM&Aを行い、事業の赤字回復を目論む場合が多いです。赤字を回復させるためには、まず固定費を安定させることや、何にどの程度費用が掛かっているのかを毎月細かくチェックすることが大切です。

固定費は、事業を行っている事務所や企業の家賃、光熱費が挙げられます。ガスや電気は毎月変動するので、この場合は固定費用として水道費を固定費として考えていきましょう。それ以外は、これも変動が見受けられる部分ではありますが、トイレットペーパーをはじめとした企業内で利用する消耗品です。

消耗品の中には、会議で利用する飲み物なども挙げられます。こういった消耗費も毎月の中で変動するものではありますが、決まった予算を組んでおくことで固定費として換算することが可能です。毎月の支出を見直し、固定費として計算することで見直しが計れるようになります。

それ以外の、ガスや電気代をはじめとした、月々で変動していく費用に関しては、変動費として計算し、表にまとめておきましょう。

損益分岐点算出前に知っておきたい変動費について

売り上げが増えることで、変動費と呼ばれる費用が増える傾向にあります。事業の売り上げが黒字へと向かっていくと、売り上げに必要な仕入れ費用や外注費用、利用する原材料に関わる費用が発生します。

売り上げが下がることで変動費も下がりますが、売り上げが上がることでこれらの売上費は変動していきます。損益分岐点を算出する前に、変動費は月々どの程度かかっているのか、企業内で算出し、表にまとめることが大切です。

売り上げによってどの程度の変動があるのかを知っておくことで、後々損益分岐点を算出した際の指標にすることができます。変動費も、損益分岐点の算出に欠かすことのできない数字になるので、事前にしっかりとまとめておきましょう。

損益分岐点算出のための計算方法とは

損益分岐点を求めるための計算式は以下の方法で求めることが可能です。
損益分岐点=固定費÷{1-(変動費÷売上高)}

また、限界利益を算出するためには、以下の計算式が必要になります。
限界利益=売上高-変動費

損益分岐点とは、正式名称をBreak Even Pointといいます。売上高と費用の額が同じになることによって、損益が0になる状態のことです。損益を同じにすることによって、売り上げを割り出すことができ、その数値によって企業価値を算出することができる方法です。

赤字にならないためには、数値をどう改善していけばいいのかという指標にすることができるので、月々の売り上げを安定的なものに保つことができます。また、赤字が続いている場合は、損益分岐点を求め、表でどの部分が悪いのかを見つけやすい状態に整えることができるので、黒字へのきっかけをつかむことが可能です。

また、損益分岐点を求めることは、企業が安定して事業に取り組んでいくことだけでなく、M&Aを決断した際に、買収してもらえるかを判断する基準としても役立ちます。

操業して間もない企業や、赤字続きの企業の場合でも、損益分岐点を利用して費用の見直しを行い、修正次第では黒字へと転換できる可能性が見つけられる場合もあります。

赤字をいかに短期間で修正し、黒字の期間を長くしていけるかというのは、企業に課せられている重要な課題といえます。その際に大切になるのが、損益分岐点です。損益分岐点を利用することで、売り上げ高や販売数量を数値化することができるようになります。

これによって、月々の目標設定を定めることができるため、それに向かって励むという大きな目的が生まれます。決めた売り上げに到達するように、固定費や変動費の調整も進めていけば、調子よく売り上げ利益を上げ、事業を成功に導くことができるでしょう。

そういった点からみても、損益分岐点を利用して月々の利益を数値化する事はとても大切です。

黒字化しM&Aを行う際にしっかりとやっておくべきこと

損益分岐点分析

損益分岐点は変化すると知っておくことが大切

損益分岐点を計算することができるようになり、月々の収益や必要経費を表にまとめることができるようになった後は、目標を定め、赤字にならないように整えていくことが大切です。

しかし、場合によってはそれとは関係なしに損益分岐点にかかわる売上高が大きくなる可能性があります。たとえば、企業で新しく新入社員を採用する場合や、新しい事業の展開、店舗の出店により、固定費が上がってしまった場合です。

それ以外にも、仕入れ原価を下げ、限界利益率を上げることができた場合は、その間損益分岐点による売上高は減少します。損益分岐点を計算し、数値を算出した場合、損益分岐点売上高が下がることで、比例して黒字になるための指標も下がるため、経営が安定化し、黒字を見込むことが可能です。

しかし、事業を安定させたり成長を見込むためには、一定期間人件費や変動費に費用を割き、損益分岐点を上げなければならない状況もあります。損益分岐点は、その月々の目的によって、利益に関係なく上下する場合があります。

一時的な試みを行う際や、新入社員の採用による変動であれば、その後修正する目途をあらかじめ立てている場合であれば問題はありません。あらかじめ損益分岐点を利用して利益の計算を行っておけば、増減をあらかじめある程度予測し、その対策を立てておくことが可能です。

また、そういった一時的な変動であれば、仮にその間赤字になる期間があっても、M&Aの利用に影響はほとんどありません。数値を算出し、計画的にその試みが行われていることが分かれば、その黒字になるだろうことは、買収先の企業にも予想が立てられるからです。

企業内で損益分岐点を算出し、社員が把握して事業を行っていくことで、一時的な赤字になってしまっても、改善の余地を見出すことができます。損益分岐点は、M&Aを行う際にも重要ですが、M&Aを成功させるためにも、まずは企業内で数値を明確に割り出し、事業の利益向上のために役立てていくことがとても大切です。

まずは、損益分岐点の変動が起こる理由や、増減が起きた場合の対処法についてもよく確認しておきましょう。

変動費や固定費の定期的な見直しと改善

損益分岐点を算出するには、変動費や固定費の見直しや定期的な改善が必要不可欠です。月々の支出を見直し、事業や企業に本当に必要な経費であるのかを会議などで相談し、月々の売り上げに合った予算を組みましょう。

固定費や変動費がかさんでしまうことは、企業の赤字、黒字に大きな影響を及ぼします。黒字の時と同じ予算を組むと、赤字になっている期間がさらに伸びたり、その後の経営が行き詰る可能性があります。

あらかじめ、損益分岐点を利用して数値を算出しておけば、どの程度固定費や変動費を見直せばいいのかと言う平均的な数値を割り出すことが可能です。毎月こまめに確認し、黒字が続くように予算を整えておきましょう。

まとめ

損益分岐点を利用することは、経営を安定させることに有効活用できるだけでなく、場合によってはM&Aを行っても問題ないか、買収に足り得る企業であるかを判断してもらうための重要な指標になります。

分析を高めていくことで、企業がどんな問題を抱えているのか、黒字にするためにはどういった課題があるのかを明確に知ることが可能です。将来M&Aを成功させるためにも、まずは自社内で損益分岐点を計算し、経営を黒字に整えたり、今行っている事業に将来性があるのかを知るために活用していきましょう。

損益分岐点を自社内で計算し、事業に活かす事は、計算式で手軽に行うことができます。事業の根本的な改善や黒字へ転換させるためにも、有効活用していくことをおすすめします。

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