M&A

廃業すると従業員はどうなる?雇用を守るM&Aという手段

新型コロナウイルスの終息時期が見通せず、人々の需要も低迷しつつある昨今、従業員を抱える企業は特に厳しい状況に追い込まれています。また、売り上げの激減により、廃業を検討されている企業もあるでしょう。

しかし、廃業を検討する中で1つ気がかりになるであろう点は『従業員の雇用』についてです。当然廃業をすると従業員も職を失ってしまうことになるわけですが、経営者として、これまで頑張ってくれた従業員の雇用を守りたいと葛藤される方も少なくないのではないでしょうか。

そこで本記事では廃業を検討されている企業が知っておきたい、従業員の雇用を守る方法について解説してまいります。

廃業検討時に経営者が従業員に対してすべきこと

廃業をすれば、当然のことながら、全従業員を解雇することになります。経営者は全従業員に対して、その時点での給料や解雇予告手当、退職金などを用意しなければなりません。

これらの支払うべきお金については、会社の資産で金融機関が担保に設定しているものは最優先で回収され、残った資産から全従業員に支払われることになります。ただ、コロナ禍の影響もあり、支払えないという企業も多くあるでしょう。この場合は、未払賃金立替制度等を利用することで、賃金の最大8割を立て替えてもらうことも可能です。

いずれにせよ、従業員に対して支払うべき賃金や退職金は、何らかの手段で必ず支払う必要があり、安心させるためにもそれらについてはきちんと従業員に伝えておくことが重要であるといえるでしょう。

廃業を目前にして経営者自身も余裕がない状態であることもあるかもしれませんが、その後の個人の信用にもかかかわる可能性がありますので従業員への対応はとくに丁寧に行っておかなければなりません。

廃業検討時に従業員の雇用を守る方法は

前項にて廃業をすると、全従業員が解雇されることになると申し上げました。廃業前に、全従業員の次の就職先などを斡旋しておくことができれば良いのですが、それをする余裕がないのが現実でしょう。

では、廃業検討時にできるだけ従業員の雇用を守るにはどのような方法があるのか、解説していきます。

別店舗があれば異動

まず、何店舗か系列店などを営んでいる事業のうち、1つの店舗や支店を廃業させる場合は、別店舗に異動をしてもらい、雇用を守るという方法が考えられます。

ただし、この場合は、当該従業員が別店舗でも良いのか、仕事内容が変更になっても良いのかなどをヒアリングしておく必要があるといえるでしょう。無理に異動させるというわけではなく、あくまでも従業員の意向を汲んであげることが大切です。

国の支援制度を活用

廃業を検討している際でも、従業員の雇用を守ることにつながる国の公的な支援制度を賢く利用することで、事業の存続も保つことができる可能性があります。

主には

①雇用調整助成金

②小学校休業等対応助成金

③セーフティネット5号

④持続化給付金

などです。

①雇用調整助成金

雇用調整助成金は新型コロナウイルスの影響を受け、休業をした企業に対して、休ませた従業員に支給するべき休業手当の一部を国が助成する制度です。

一定の用件を満たす場合は、助成率が特例的に10分の10になる場合もあります。採択率の条件などについては、公式ページを確認してみるようにしてください。

②小学校休業等対応助成金

小学校休業等対応助成金は、小学生のお子様がいる従業員で小学校の休業により世話が必要で有給休暇を取った従業員にたいして支払われる助成金です。

要件を満たせば、有給休暇分の賃金のうち100%の助成が可能になります。

③セーフティーネット5号

直接的に従業員の雇用を守ることができるわけではありませんが、売り上げが5%以上減少した場合、借入債務のうち80%を信用保証協会が保証する別枠融資が受けられる『セーフティーネット5号』などの支援制度もあります。

融資を受け、事業を持続させたり、資金繰を安定させることで結果的に従業員の雇用の維持に繋がるというものです。なお、こちらについては融資制度であって返還の義務がありますので注意しましょう。

④持続化給付金

最後にご紹介の『持続化補助金』は、融資制度とは異なり、返済が不要な給付金です。持続化給付金の支給対象は、新型コロナウイルスの影響で売り上げが前年同月比50%減、かつ資本金が10億円未満で従業員数が2000名以下の中小法人に限られます。

持続化給付金は最大200万円の支給がうけられますので、事業を存続させることができ、かつ資金繰を安定させることにつながれば従業員の雇用の維持にも繋がるでしょう。

M&Aを実施する

また、廃業寸前でもM&Aを実施し、第三者に経営を引き継ぐことで雇用をそのまま維持する方法もあります。

従来までのM&Aは『大企業同士が行うもの』『お互いに多額の資金が必要』というイメージが大きかったかと思いますが、近年ではM&A全体の実施件数が年々増加しているとともに小規模事業のM&Aも頻繁に行われるようになってきています。

廃業寸前で赤字の企業でも、企業自体に特別なノウハウが蓄積されていれば、それらを目的とした買収も行われる可能性があるということです。現状の経営者の経営方針で売上が低迷していたとしても、新しい経営者のもとで新たなノウハウ等を取り入れれば、廃業寸前の企業も持ち直すことができる可能性もありますので侮れません

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M&Aで従業員はどうなる?

前項に廃業寸前の企業が従業員を守るためにできることを3つ挙げました。そのうちの1つ『M&A』を行うことによって、従業員は具体的にどうなるのかという点について詳しくに掘り下げていきたいと思います。

・雇用が守られる

M&Aを行うことで、第三者に事業を引き継ぐことができれば、事業はそのまま新しい経営者のもと、存続されることになります。廃業されずに事業が存続することになれば、従業員は今後も、これまでと同じ場所で、同じように仕事をすることができるというわけです。

しかし、M&Aのスキームによっては従業員の雇用を保証する項目を設定できないモノもあります。従業員の雇用を守るためにも契約の中で従業員の雇用に関する保証をしっかりと行っておくようにしましょう。

廃業すれば従業員を解雇せざるを得ませんが、M&Aを行って第三者に事業を売り渡せば、従業員の雇用を守ることができます。

M&Aは従業員にとっても新たなチャンス

M&Aは事業の存続と従業員の雇用の維持のためだけがメリットと思われがちですが、M&Aを行うことで、経営者が変わり、新たな取り組みが始まれば会社として大きく成長する可能性もあります。

そうすると、マンネリ化した事業方針を一変させ、従業員にとっても成長できるチャンスが訪れるかもしれません。

・従業員のノウハウがM&Aを左右する可能性も

M&Aを実施するにあたって、買い手の企業は売り手の企業の従業員が持っているノウハウを目的に企業や事業を買いたいと名乗り出ることも少なくありません。

言ってしまえば、赤字の企業でも魅力的なノウハウがあれば、買い手が現れる可能性は十分にあるということです。

というのも、近年では、どこの企業でも人手不足が叫ばれているほどに、人材を確保することがむずかしくなってきています。有能な従業員が多くいれば、買い手は売り手の企業価値を高く見出す可能性があり、M&Aの決め手となる可能性があるということになるわけです。

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雇用の維持はコロナ禍のV字回復にも重要

コロナ禍において、廃業や倒産という言葉が多く聞かれるようになりました。それだけ日常的に『廃業』が行われるようになったわけですが、国の支援策を上手く活用したり、M&Aを実施したりすることで、事業を存続させることは可能です。

事業を継続し、雇用を守るということは、従業員の生活を守ることができるという点だけでなく、『アフターコロナ』に向けた売上V字回復の担い手を確保し続けるという点でも重要なのです。

新型コロナウイルスの終息時期が見えない中、助成金しかり、M&Aに関する支援制度にしかり、国は今後も事業が継続できるような支援を更に打ち出してくる可能性も大いに考えられるでしょう。

廃業というワードがよぎった時点で、色々な支援策を探し、常に最新情報に目を向けておくことも大切です。

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まとめ

本記事では、廃業を検討されている企業に向けて、廃業をすると従業員はどうなるのか、そして、従業員を守るにはどのような方法があるのかという点について解説いたしました。

廃業をすると、従業員は全員解雇を余儀なくされるため、従業員の雇用を守るには、新たな就職先を斡旋するか、事業を存続させるかの2択しかありません。新たな就職先を見つけるには、現在新卒採用を停止している企業も多くあるため、事業を存続させるために支援策を活用したり、M&Aで第三者に事業を売り渡すという方法が現実的であるといえるでしょう。

尤も、M&Aの場合は、事業を売却することになるので、現経営者には売却益が入ってきます。売却益で新しい事業を立ち上げることもできるでしょうし、定年間近であったとすれば、老後の資金に充てることも可能です。

廃業を検討されている方は、是非一度DX承継くんのお問い合わせ窓口までご相談ください。

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