M&A

ウィズコロナを生き抜くために飲食店が今後考えておきたい経営戦略とは

新型コロナの影響を受け、緊急事態宣言が全面解除されて3か月が経った今もなお、売り上げが戻らずお悩みを抱えている飲食店は多いのではないでしょうか。

今後はウィズコロナの時代を生き抜くために飲食店は戦略的な経営体制を整えていかなければなりません。

そうした中、近年では先行きが不安になった事業を他者に売り渡し、持ち直しを図るための戦略として『M&A』が広く行われ始めています。M&Aは会社や事業を買い取ることを指しますので、資金が必要になるわけですが、このコロナ禍でもそのM&A市場は衰えずむしろ実施件数は増加傾向にあります。

本記事では、飲食店がウィズコロナで経営を続けるためにまずすべき対策はどのようなことがあるのか、そしてそれらを踏まえたうえで、M&Aを選択したほうがよい飲食店とはどのような店舗なのかというところについて解説してまいります。

飲食店が受けた新型コロナの影響

飲食店などの外食産業は4月7日から約1か月半ほど発令されていた緊急事態宣言や、その後の自粛ムードにより、大幅に売り上げを落としました。

特に、4月末から5月頭の大型連休では例年通りであれば、国内外からの観光客が多く訪れる予定でしたが、1店舗TableCheckのデータによりますと、1店舗あたりの平均来店客数は1.7件と昨年の17.9件を90.5%も下回る形となっています。

加えて、帝国データバンクの調査によりますと2020年上半期における飲食店事業者の倒産は398件発生という結果になりました。

上半期としては過去最多で、このままのペースで倒産が発生すると、2020年の年間倒産件数は796件前後となり、過去最多を更新する可能性があるといいます。

飲食店は新型コロナの影響と合わせて、年々人手不足や社長の高齢化、後継者不足、海星健康増進法による屋内原則禁煙という複合的な問題を抱える中で、経営環境は厳しい状況が続いている状態です。

特に業態別でみると、居酒屋、ビヤホールのほか、焼き鳥店、おでん店、もつ焼き店等を含む『酒場・ビヤホール』は2020年上半期が100件、年換算した場合が200件の倒産数となっています。続いて、ラーメン店、カレー店、焼き肉店、餃子店などを含む『中華・東洋料理店』は上半期55件、年換算すると110件。天ぷら店、ウナギ店、とんかつ店等を含む『日本料理店』は上半期39件、年換算した場合は78件となっています。

居酒屋などを含む比較的小規模で運営している店舗が特に厳しい状態であることが分かるでしょう。また、居酒屋や焼き鳥店は喫煙率も高い業態になりますので、改正健康増進法によって原則屋内禁煙になったことによる客足低下と合わせて、新型コロナのダブルパンチを受けた可能性もあります。

飲食店がウィズコロナで経営を続けるためにすべきこと

では、今後のコロナ不況の長期戦を乗り越えるために、飲食店がすべきことは一体どのようなことでしょうか。

例えば、今新型コロナによる売り上げ低下等への対策として、助成金や給付金、融資などの制度が増えてきていますから、それらを利用したり、新たな営業への取り組みをサポートする制度などを利用したりすることも有効的な手段です。

新しい生活様式が推奨されていく中、今後ウィズコロナの時代に飲食店が経営を続けるためにしていきたい経営戦略としての『新たな営業への取り組み』の例をご紹介してまいります。

テイクアウト

TableCheckの調査によりますと、緊急事態宣言による営業自粛中に新たに飲食店が始めたサービスは『テイクアウト』が全体の37.9%をしめており、そのうち7割は今後も続けると回答しているといいます。

デリバリーや、通販などと回答が続きますが、いずれも『テイクアウト』の半数以下にとどまる結果です。また、テイクアウトを続ける理由については、『新規顧客開拓』や『新たなビジネスの可能性』等がその理由として挙げられました。

テイクアウトは、デリバリーや通販などと比べてお客側が商品を取りに来てくれることから、配達員を派遣したり、郵送の手間などがないことから始めるハードルが最も低いと言えるでしょう。

デリバリー

とはいえ、非対面非接触の需要が高まっていることやウーバーイーツや出前館などのデリバリーサービスを利用する人が増えてきたことなどから、デリバリーも侮れません。

テイクアウトとは違う客層を獲得できる可能性もあることから、デリバリーを導入することで売り上げアップまでは行かなくとも維持することまでは持っていくことができるのではないでしょうか。

特に、こうした『新たな営業への取り組み』のサポート制度の一例としては、小規模事業持続化補助金や、IT導入補助金などがテイクアウトやデリバリーを始める店舗が利用できる制度として挙げられます。国の制度を上手く利用していくのも戦略の1つです。

通販

新型コロナによる自粛ムードで、インターネット通販を利用するといった方は増えたのではないでしょうか。飲食店で利用している調味料や食材等は意外にも需要があったりするものです。

『○○のお店の味!』などとブランディングをしていくにはインターネット通販は非常に有効的な場所であると言えます。

実店舗を利用した営業だけでなく、インターネット上にも営業の場を広げていくことで、今後周辺地域に限らず全国に名を広げていくきっかけともなるかもしれません。

廃業・閉業ではなくM&Aという選択肢

とはいえ、上記のような対策を行ってもあまり効果が得られなかったり、そもそも対策を行うノウハウがないために手を付けられないでいたりする飲食店もあるのではないでしょうか。

自店舗だけで、ウィズコロナに向けた改革が難しいのであれば、自店舗以外の他者と協力して経営を繋いでいく『M&A』という方法もあります。

M&Aとは、自社以外の他社にビジネスを売り渡したり、買い取ったりするもので、飲食店の最近の例でいえば、ペッパーランチの事業を東京の投資ファンド『J-STAR』に85億円で売却した例や、コロワイドが大戸屋を買収しようと協議を重ねている例などが挙げられます。

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コロナ不況の中、業種問わない全体的なM&Aの実施件数も増加傾向にあるようですが、飲食店がコロナ禍にM&Aを実施する目的やメリットとはどのようなことがあげられるのか、そして、逆にM&Aをするよりも廃業や閉業を選択したほうが良いと考えられる例はどのような場合なのかというところを解説していきます。

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コロナ禍の飲食店のM&Aの目的メリット

コロナ禍に飲食店がM&Aを行う目的とは、

①自店舗にはないノウハウを獲得するため

②事業承継をするため

③他社と協力することで売り上げをあげるため

等が挙げられます。

①自店舗にはないノウハウを獲得するため

例えば、自店舗だけではテイクアウトやデリバリーで売り上げを伸ばす戦略が立てられない、インターネット事業に手を出そうとしてもノウハウがないといった場合に、新たな人材を雇うよりも、それらに強い企業と提携することによって早く、そして低コストで売り上げを伸ばすことができる可能性があります。

②事業承継をするため

また、買収ではなく、売り渡すという方法でも同様のビジネスにいち早く手をつけることは可能です。売り渡すことで売却益を手にすることができるため、経営陣として働きながらもセミリタイアするということもできます。

飲食店が抱えている諸問題の一つとして事業承継が挙げられますが、新型コロナの影響で親族間での事業承継が難しくなる可能性もあるかもしれません。そうした場合にもM&A専門メディアに売り手として登録し、買い手を募ることで、事業承継を行うことができる可能性が高くなります。

③他社と協力することで売り上げをあげるため

『リタイア』といった意味合いだけでなくM&Aは共同出資で他社と協力し売り上げを上げるノウハウをお互いに出し合うといったことも可能です。小規模な飲食店であれば、競合の他店と協力関係になることで、お互いが獲得できていなかった客層や、持っていなかったノウハウを共有することができるようになります。

結果的に、幅広い客層の獲得や、売り上げアップにつなげることが期待できるでしょう。

逆に廃業・閉業を選択したほうがよい場合とは

ただ、M&Aは実施すればすべてのケースで成功できるとは限りません。中にはM&Aを実施した後に経営が更に傾いてしまうケースや、相手企業との関係が悪くなるケースなどもあります。

成功事例と失敗事例から学ぶ、飲食店M&Aの成功のポイント

M&Aをするのではなくて、廃業や閉業をしたほうが良い場合はどのような場合かといいますと、

①多大な借金を抱えていて、買い手がつきにくい場合

②こだわりが強く他の人に任せたい意思がない場合

というような場合です。

多額の借金を抱えてしまっている場合は、よっぽど魅力的なノウハウが蓄積されていた李、成長性が認められない限りは買い手がつきにくい可能性があります。負債を減らすのは現状難しい可能性もあるので、日ごろから買い手が魅力的に感じるようなノウハウや、成長性があると認められるような経営をしておくことが大切です。

また、M&Aを検討していても、こだわりが強く、第三者に任せたい意思がなければ、M&Aを成功させることができません。このような場合はM&Aを行うにあたって必要になる資金が無駄になる可能性もあるので廃業や閉業をしたほうが良いと言えるでしょう。

しかし、廃業や閉業を行う際も、廃業コストがかかるばかりだけでなく、『居抜き』という方法で店内の機材や備品、物件などを売り渡す方法もあります。M&Aでビジネスを売ることはできないが、少しでも廃業コストを抑えたいという場合は、『居抜き』という方法も検討してみても良いかもしれません。

まとめ

最近では『新しい生活様式』として、テレワークやテイクアウトの導入をはじめ、非対面・非接触を心がける日常が、ニューノーマルとなりつつあります。

その中で、飲食店は少しでも早くこの『新しい生活様式』になじむ営業形態にシフトしていかなければ今後事業を続けていくのが難しくなる可能性もあるかもしれません。

自店舗のみで経営戦略を練ったり、改革をしていくのが難しいといった場合は、M&Aを実施して他店舗と協力することも、今後経営を続けていく上で非常に重要なこととなるのではないでしょうか。

また、コロナ禍を機に事業をリタイアして事業承継をするといった場合もM&Aをすることで優秀な人材に経営をバトンタッチすることもできます。

飲食店の経営者で今後の経営戦略に行き詰っていた方、M&Aを検討してみたいという方、是非下記のおといあわせ窓口からお気軽にご連絡ください。

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