M&A

コロナ禍でも生き残りたい会社はM&Aをせよ!その理由とは

新型コロナウイルスの感染拡大の影響は未だ収まることはなく、お盆休みを目の前に、日に日に感染者数が倍増していっている状態です。5月に発令された緊急事態宣言にともなう外出自粛などの影響で、経営不振に陥っている企業は少なくなく、帝国データバンクの調査によりますと、全国で新型コロナウイルスの影響で倒産した企業は406件に上るとされています。

その一方で、新型コロナウイルスを背景としたM&Aも増加傾向にあり、4月~6月まで右往左往していた企業もだんだんとウィズコロナ時代に向けて生き残り戦略を検討しているようです。

そこで本記事では、コロナ禍における生き残り戦略としてのM&A、そしてコロナ禍だからこそ平常時に行うM&Aよりも気を付けておかなければならないポイント等について解説してまいります。

コロナきっかけに経営者の64.8%が会社買収を検討

会社・事業の売却もしくは買収について検討したことがある経営者111名を対象に、M&A総合支援プラットフォームを運営するバトンズが行ったアンケート調査では、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに会社買収を検討した経営者は、全体の64.8%という結果になりました。

引用元:https://www.nihon-ma.co.jp/columns/2020/x20200708column/2/

また、別の調査ではありますが、『M&A Online』の集計によりますと、新型コロナウイルスが日本でも蔓延し始めた2020年1月~6月のM&Aの件数は406件と、前年の同時期を11件ほど上回りました。これは4年連続の増加であり、特に日本国内は3月中旬ごろから新型コロナウイルスの感染拡大の影響により経済状況が悪化している現状ですので、『コロナ倒産』も増えてきているにも関わらず、M&A市場は拡大しているということが分かります。

コロナで売却検討も60%以上

前項では、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに『買収』を検討した経営者がどのくらいいるのかという調査でした。逆に事業を売ってしまおう、あるいは合併させてしまおうと、『売却』を検討している経営者はどのくらいいるのでしょうか。

引用元:https://www.nihon-ma.co.jp/columns/2020/x20200708column/2/

調査を行った7月上旬より前に、M&Aをすでに実施していたという企業は全体の14.4%、続いて検討中が22.5%、検討したが実施しなかったと答えたのが13.5%、これから検討したいと回答したのが全体のうち9.9%となり、今回の新型コロナウイルスの影響をうけ、約60%以上の経営者がM&Aを検討していたということになります。

引用元:https://www.nihon-ma.co.jp/columns/2020/x20200708column/2/

更には、M&Aによる売却を検討した理由としては、『経営不振』と回答したのが約半数、その他将来の将来の資金調達や事業再編のため、後継者探しとして実施したと回答したのが、30~40%程度ということになりました。

最近で言いますとペッパーランチといきなりステーキのM&A、大戸屋とコロワイドのM&Aなど、外食産業のM&Aが目立っているようにも思いますが、新型コロナの影響を絶大に受けた外食産業は、今後更に経営不振や事業再編のためにM&Aを実施するということが増えてくるのではないでしょうか。

コロナ禍生き残りにM&Aが実施される理由

上記で解説したアンケ―ト結果からも読み取れるように、このコロナ禍でもどうにか企業を存続させ、生き残らせるための戦略としてM&Aを利用している企業が増えています。

経営状態が振るわず事業を続けることができなくなるのであれば、『倒産』や『廃業』をするのが手間もかからない上に、M&Aの交渉中に更に経営を苦しくさせてしまう可能性もなくなるのではと感じる方もいらっしゃるでしょう。

また、M&Aは売却をすると当然売却益を得ることができますが、仲介業者にアドバイスを依頼したり、適切な買い手を探したりするにはそれなりの資金が必要です。買収側は言わずもがな、買収するための多額の資金が必要になるでしょう。

それにも関わらず、この不況の中でM&Aを実施する理由とは一体どのような事項があげられるのでしょうか。

市場の変化への対応のため

まずは、目まぐるしく変わる市場の変化への対応のためという理由があげられます。というのも、新型コロナウイルスの感染拡大と同時に『新しい生活様式』という言葉が広まりましたが、生活様式にとどまらず、企業等の体制も新型コロナウイルスを背景に変化していっているということです。

分かりやすく例を例えるならば、外食産業では、人々が外出自粛で店舗にお客を呼び込めなかったときの対応として、多くの店舗が『テイクアウト』を実施しましたよね。実際に『飲食リサーチ』が行った、テイクアウト・デリバリーの対応状況に関するアンケート調査では、新型コロナウイルスをきっかけにテイクアウトを取り入れた又は検討している飲食店は52.7%であるという結果になりました。

この場合、テイクアウトのノウハウを持った他企業とM&Aを実施することで、市場の変化に迅速に対応し、早期にお客を集めることにつながるわけです。

自社のウィークポイントの補強のため

これは新型コロナウイルスの影響によるM&Aの場合に限らずM&Aを実施する理由としてあげられることの多い事由ではありますが、自社の弱点や苦手な点を、得意とする事業を買収することで補強するためです。

特に、現状で限って言えば、この不況の中で弱点を1つ持っているだけで、それがコロナ禍の経営不振を加速させている原因となっている場合もあるかもしれないのです。

例えば、ベンチャー企業は勢いがあり、新しいことにもどんどん挑戦していくというイメージを持っている方も多いかもしれませんが、逆に、長年続いている企業は新しいことに挑戦したり、それに伴うテクノロジーの利用のノウハウが無かったりする場合も多いでしょう。

しかし、こうした自社のウィークポイントを逆に強みとする企業を買収、もしくは合併等を行うことで、弱みを補強でき、ひいては企業自体の成長へつなげることもできるかもしれません。

事業拡大のため

また、ウィークポイントの補強という点からもう少し視野を広げると、逆にこのコロナ禍をチャンスとして事業拡大を行うといったことも考えられます。

今回、コロナ不況といわれている中で、『企業として生き残るためにどうしたらよいのか』ということは規模の大中小問わず殆どの経営者が頭を抱えて悩んだはずです。すると、今まで見えなかった自社の欠点や、補強しなければならないポイント、新たな経営戦略が見えてきたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

このコロナ禍を利用してM&Aを実施し、新たな事業に参入するこで、うまくはまれば一気に事業を拡大することができるようになるかもしれません。

事業の多角化

誰もが知っている携帯キャリア『ソフトバンク』は設立当初から何度もM&Aを繰り返し、事業の多角化に成功し、巨大企業へと成長した企業の1つです。

ソフトバンクが発足したのは1981年であり、今に至るまでバブル崩壊、リーマンショック等様々な不況を乗り越えてきました。

事業を多角化することで、例えば何らかの影響で1つの事業が仮に不採算であったとしても企業の中の3つの事業が好調な事業であれば、問題がなくなるかもしれませんし、不採算の事業もその分野を得意とする他企業に売り渡すことで、好調な事業に専念することができるようになるわけです。

そういった意味では、コロナ禍生き残りのためにM&Aを実施し、事業を多角化するというのも1つの戦略であるといえるでしょう。

将来の資金調達

また、売却側に限って言えば『将来の資金調達』もM&Aを実施される理由の1つとしてあげられます。

老後の資金は年金等を加味しても約2000万円程度が必要であるとされているなか、いつまで続くかわからない事業をずっと抱えていても不安だと考える方もいらっしゃるでしょう。その点、事業や企業自体を自社以外の他社に売却し、売却益を得ることで、将来の資金調達を行うことができます。

コロナ禍でM&Aを実行するときの注意点

しかし、当然現状新型コロナウイルスの影響で多くの企業が経営不振であるとされておりますし、日本経済のみならず、世界経済は不況に陥っています。

そうした中で、M&Aを実行するにはリスクを認識して、あらかじめリスクヘッジをしておく必要があります。

そこで、最後にコロナ禍でM&Aを実施するときの注意点について解説していきたいと思います。

デューデリジェンスを念入りに行う

まずは相手企業の事前調査、デューデリジェンスを念入りに行うということです。当然このデューデリジェンスは通常時のM&Aでも非常に大切な事項ではあるのですが、現状では特に新型コロナウイルスの影響で大きな赤字を抱えてしまうことになった企業、借金を増やしてしまった企業などが多くあるかもしれません。

仮に、膨らんだ赤字を他企業に任せるためにM&Aを実施しようと目論んでいる企業があるとすれば、知らずに該当企業を買収してしまうと、買収後に多大な赤字を背負うことになり、最悪の場合企業自体が倒産してしまうことにもなりかねないのです。

デュ―デリジェンスはいつも重要ですが、コロナ禍では特に念入りに行っておくようにしましょう。

信頼できるアドバイザーに依頼する

また、信頼できるアドバイザーに依頼するというのも、コロナ禍のM&Aでは非常に大切なことです。というのも、先ほども申し上げたように、M&Aではデューデリジェンス等の事前調査が必要になってくるわけですが、個人では他企業の資産状況などをすべて調べることは難しいので、殆どの場合がM&A仲介業者やM&A専門のアドバイザーに依頼をします。

自社の企業としての未来に関わることですので『この人の言っていることなら信用できる』と思えるアドバイザーに仲介を依頼するようにしましょう。もし、アドバイスを受けている人が信頼できるか曖昧なのであれば、セカンドピニオンではないですが、他のアドバイザーにも話を聞いてみてから選ぶのも1つの手です。

M&Aプロセスを明確にする

コロナ禍でどうにか生き残ろうと、勢いでM&Aを実施してしまいそうになる企業もあるかもしれません。しかし、現状では特にM&Aのプロセスを明確にしておかなければM&A自体が失敗に終わってしまい、逆に負債等を抱えることになってしまう可能性もあります。

信頼できるアドバイザーの助言を受けながら、企業としての成長戦略、事業拡大のプロセス等、M&Aをする理由やM&Aを実施した後どのように経営を進めていきたいのかなどを明確にする必要があると言えるでしょう。

まとめ

新型コロナウイルスの感染拡大の影響は未だ止まることを知らず、不安な日々が続いています。特に、お盆休みを目の前に、地域独自の『緊急事態宣言』が発令されたところもあり、再度外食産業をはじめ、美容室や小売業等はお客が入らずに厳しい状況が続くことになるかもしれません。

いつまで続くかわからないこの状況の中、企業として生き残るには市場の変化に対応しながら、新たな事業に参画し、ウィークポイントとなる部分を補強していく必要があるのです。

そういった意味では、『M&A』を検討したり実施したりする企業が増えているのもうなずけますし、M&Aがコロナ禍を生き抜く重要な戦略であるといっても過言ではありません。

とはいえ、不況時のM&Aは専門家の助言を受けなければ多大な負債を抱えてしまうことにもなりかねませんので、しっかりと信頼できるアドバイザーを探して依頼をするようにしましょう。

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